
私が学生時代を過ごしたのは、ちょうど昭和の終わりから平成にかけてだった。たまり場になっていた学生ラウンジには、友だちや先輩の誰かしらがいて、だらだらと話しながら過ごしていた。世界ではベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終わり、ソ連という超大国が消え去った。日本では空前のバブル景気に沸いていたらしいが、自分の周りにはそんな気配すらなく、いつのまにかバブルも弾けていたらしいが、あまり実感もなかった。昭和の終わりのニュースは友だちと行ったスキー場で聞いた。特筆すべきイベントもなく、ただ仲間とまったり時を過ごすだけの、そんな学生時代だった。