たすけあい情報室 (大学関係者向け健康・安全情報)

大学生協の共済は 保障を提供するだけの制度ではありません! 

最大の財産は学生


滋賀大学(大津)の健康企画

全国大学生協共済生活協同組合連合会(以下、大学生協共済連)の濱田康行会長は、2013年1月25日の記者懇談会で次のように述べています。  

「わが組織では学生が最大の財産だと思っている。現在、大学生協の学生の組織委員が約9千人おり、彼らが主体的に共済の良さを広げてくれている。学生たちは自ら学び、活躍してくれている。学生の努力の上に事業が成り立っていると考えている。彼らの成長力は速く、驚かされるが、毎年、確実に後輩たちに役割を受け継いでくれる。彼らは、仲間と助け合うことを当然の行動として受け入れ、実に楽しそうに活動をする。その姿を見るたびに『彼らが頑張る組織は事業体として負けるわけがない』と確信を深めている。彼らが共済活動で培った経験や能力は、必ず将来の財産となるはずだ」  

学生の存在は、働く職員にとっても〝元気の素〟であり、大学生協の最大の強みであると確信できます。

たすけあいの想いを語り継ぐ


私たちの共済事業(当時の元受団体は全国大学生活協同組合連合会)は1981年に発足し、現在まで30年を超える歴史があります。その原点は、「すべての学生が共済を通じて学生が連帯の意義を体得し、卒業後も社会に貢献する役割をはたすこと」(創設時の故福武直会長の言葉)に集約されます。大学生協グループでは『大学生協共済読本』を復刻させて、創設時の記録として共有しています。その後、共済事業の元受団体は改正生協法により、2010年10月に現在の大学生協共済連へ引き継がれました。設立時の先輩たちの想いを『語り継ぐ、たすけあいの想い』(冊子)にまとめ、事業だけではなく先輩たちの想いも合わせて、現在のメンバーに継承されています。

「学」を共有できるステークホルダーと共に


学生・院生組合員は大学で社会に巣立つために学びます。そして、大学生協は、各種の活動や事業を通じて彼らが卒業まで無事に学生生活を送るため、あらゆるサポートを行います。私たちの共済は「加入」していただくことを核に、「給付」申請忘れをなくす、給付状況や事例を組合員や大学等へ「報告」する、病気やケガの「予防提案」をする、これらを活動の4つの柱として据え、たすけあいの輪を広げています。彼らが安心・安全に学べる環境づくりをしたいという想いは、大学と共通するものといえます。多くの大学生協では、学長・副学長、保健センター等の先生方から私たちの共済制度のご推薦をいただいています。  また、『大学生の病気・ケガ(2006―2011)』を作成し、社会に幅広く発信しました。さらには、「学」という字をキーワードに「全国大学メンタルヘルス研究会」や「日本保険学会」などへも賛助会員として、積極的にかかわっています。

急増する自転車事故に関する緊急提案


大学生協共済連グループで、2011年10月~2012年9月の共済や学生賠償責任保険の支払い状況をまとめた結果、自転車による事故が急増している以下の事実が判明しました。

「共済加入学生のケガの支払いのうち、交通事故の支払い合計は5232件。その36%、3人に1人が自転車運転中の事故でした(1915件)。また、学生自身が加害者となってしまい他人に迷惑をかけてしまった賠償事故は1666件。実にその70%が自転車事故でした(841件)。」最近では1千万円を超える賠償事故の発生も珍しくありません。

社会問題化している自転車事故ですが、学生も例外ではありません。大学生協共済連では、こうした実態を踏まえ対策が急務であると判断、『知っていますか? 自転車事故の現実~一瞬の緩みが一生の重みに~』(冊子)を緊急に発行して学生が主体的に啓蒙活動に取り組めるようにサポートしています。コンセプトは、「大学生活を安全・安心に過ごすための3つの提案。①交通法規・ルールを守りましょう、②整備をしましょう、③もしもに備えましょう」です。同冊子は大学生協共済連ホームページでもご覧いただけます。

http://kyosai.univcoop.or.jp/

学生・院生とその家族の心のケアのとりくみ


大学生協共済連では、共済に加入する学生とその家族が利用できる「学生生活無料健康相談テレホン」のサービスを提供しています。この電話相談は、専門の相談員や医師による「からだの健康相談」と、臨床心理士などのカウンセラーによる「メンタルヘルス相談」があり、24時間365日対応しています。体と心の健康こそが学業継続の基本です。業務提携先であるダイヤルサービス株式会社とは定期的な打ち合せを重ねて、日常的に電話相談の分析を行い、日々改善に生かしています。

例えば、大学院生からの相談は、学部生のものとは明らかに性質が異なっていることを共有しています。その背景には、たとえ同じ大学であっても学部生から院生になれば生活環境が大きく変わることの想定が必要です。こうした分析を予防・提案活動に生かしていくことを大切にしています。

また、このサービスは、大学の保健(管理)センターのとりくみと密接に関係があります。大学生協共済連は、数多くの保健センターの方々も参加されている「全国大学メンタルヘルス研究会」へも賛助会員の立場で密接に関わり、とりくみを推進していきたいと考えています。具体的には、健康診断の受診促進、学生相談窓口案内、各種健康安全企画の連携などを考えています。

健康&安全 特別連載コラムがスタート




大学生協共済連では、ホームページへ各種情報を集め、充実を図っています。その一つとして、今年4月より開始した「健康&安全のための特別連載コラム」があります。執筆は、第34回全国大学メンタルヘルス研究会大会長(北海道大学名誉教授、前北海道大学保健センター長)の武藏学先生にお願いしています。長年の保健センター長のご経験から「旬」なテーマで連載いたします。(初回は、「生命燃え立つ春に~安全でスマートな飲酒文化が全国の大学に根付くことを強く願って~」)従来からの「健康だより」と合わせて、ぜひともご覧ください。

http://kyosai.univcoop.or.jp/

(大学生協共済連・藤本 昌)

「CampusLife35」より転載


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