『【年間報告書】 学生生活無料健康相談テレホン からだとこころの健康相談』
この度、大学生協共済連では、『【年間報告書】学生生活無料健康相談テレホン からだとこころの健康相談』を発行しました。この報告書は、「大学生協の学生総合共済」の加入学生および家族から学生生活無料健康相談テレホンに24時間365日に寄せられた実績データを分析してまとめたものです。(データ提供/ダイヤル・サービス株式会社)
同報告書は、大学生協共済連のホームページでもご覧になれます。
ぜひとも大学関係の皆さまにご注目いただきたいデータ集です。巻末には武藏学先生(前北海道大学保健センター長)の『健康&安全のための特別連載コラム』(学生の健康と安全へ向けたメッセージ集)も掲載されております。
以下は、相談傾向に関する概要となります。
詳しくは、上記の【年間報告書】をご参照ください。
利用者(大学生協の学生総合共済加入学生および家族)が電話をかけると、音声自動応答システムにより、「からだの相談」・「こころの相談」の選択をしていただいています。
~件数の前年比減少に関して~
相談件数の前年比は「からだの相談」▲62・2%、「こころの相談」▲55・3%と、いずれも大きくダウンしています。その要因は、スマートフォンの普及により容易に必要な情報を入手できる環境となったこと、コンプライアンスの観点より共済加入者とその家族という本来の利用者確認の徹底を図ったこと、必要に応じて同一日の再利用の抑制を図ったこと等が考えられます。他団体利用状況の比較上からも、今年度が適正な利用水準であると判断しています。
全体の流れ
総件数は669件、月別平均は55・8件。1日あたりの相談件数は年平均1・8件で、最多利用月は3月(71件)、最少利用月は8月(26件)です。
相談者の利用状況
性別では、男性:女性=25・3%:74・7%(学生のみでは、男性:女性=37・4%:62・6%)、続柄別では、学生:家族=57・1%:42・9%(うち親40・1%)で、前年比では女性と家族からの相談が増えています。
新規:再利用=56・2%:43・8%、学年別では1年生26・0%、3年生24・7%の順です。住居状況では、一人暮らし:家族と同居等=67・0%:33・0%で、前年比で一人暮らしが激増しています。
時間帯
8時台から21時台までの利用79・8%で、学生は講義の合間や登下校時間などを活用していると思われます。
相談内容
病気、ケガ等の疑問や不安(日常的な範囲)36・2%と同(受診中・受診後)28・4%で計64・6%です。インターネットや携帯電話では得られない専門的なアドバイスを求める傾向が強まっています。また、生理不順等の女性特有の相談等も寄せられているとの報告を受けています。
学年別相談傾向
1年生は環境変化による心身の不調、2年生はクラブ活動等の生活環境の拡大による事故や体調の不安、3年生は就職活動や勉学によるストレスによる体調不良、4年生は海外留学後や就職活動によるストレスによる体調不良、大学院生は将来の不安からの睡眠障害や身体症状等の傾向があるとの報告を受けています。
全体の流れ
総件数は1120件、月別平均は93・3件。1日あたりの相談件数は年平均3・1件で、最多利用月は3月(117件)、最少利用月は9月(65件)です。
相談者の利用状況
性別では、男性:女性=49・6%:50・4%(学生のみでは、男性:女性=57・8%:42・2%)、続柄別では、学生:家族=85・1%:14・9%(うち親14・6%)で、家族では母親からの相談が多い傾向が推測できます。新規:再利用=14・6%:85・4%、学年別では、3年生52・1%、1年生17・0%の順です。3年生は就職活動や将来に対する不安、1年生は大学生活に慣れるまでの、いずれも気持ちが不安定な時期であると想像できます。
住居状況では、一人暮らし:家族と同居等=52・9%:47・1%で、前年比で一人暮らしが減少しています。安易に友達とコミュニケーションが取れるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)環境の影響が背景にあるとも考えられます。
時間帯
授業が始まるタイミングの9時台96件が突出しています。一方で0時以降の深夜の時間帯は深刻な相談が多いとの報告を受けています。
相談内容
精神症状46・5%(不安、抑うつ等)、身体症状11・1%(不眠、疲労、倦怠、脱力感等)、現在の状況42・4%を訴える傾向に分類されます。現在の状況には、ひきこもり30件、リストカット6件、自殺未遂(観念)26件等が含まれており、深刻な相談も少なくありません。
昨今の特徴として、SNSでの仲間外れにされることや過去のいじめ体験からの悩みも多く寄せられている傾向にあるとのことです。
※件数は複数回答あり
学年別相談傾向
1年生は大学環境への不適応や人間関係、2年生・3年生は今後の就職活動や将来への不安や精神疾患、4年生は就職への焦りや挫折感、大学院生は狭い人間関係やハラスメント等の傾向があるとの報告を受けています。
(大学生協共済連・藤本 昌)
「CampusLife38」より転載