大学生協共済連創立5周年記念企画チラシ
この度、大学生協共済連では創立5周年を記念して、「懸賞ショートレポート・小論文大募集!」と銘打った企画を実施しました。同企画には6大学より30作品の応募があり、受賞者が通う各大学では今年3月までに表彰式が執り行われました。
いずれも、現役学生が『自分事』として、身近な学生生活のリスクへの備えについての問題意識を見事に具体的な提案にまとめ上げています。
大学生協共済連では、2016年度より3カ年にわたって「共済事業第7次中期計画」を遂行中です。その二つの基本方針は以下の通りです。
今回、ご紹介する小論文は、まさに学生自身が声をあげて参加してくれたものであり、上記方針を具現化したものです。キーワードは『自分事』です。以下に受賞作品の【要約】をご紹介します。
舟山 希保(明治大学商学部3年)
最優秀賞(会長賞) 明治大学にて
(左から)熊澤喜章教授、中林真理子教授、舟山希保さん、寺尾善喜専務理事(大学生協共済連)
【要約】
大学生の急性アルコール中毒による死亡リスクの高さは、長きに渡って議論の対象となってきた。しかし、急性アルコール中毒による搬送人員は増加の一途を辿っているのが現状である。このような背景を踏まえ、本稿では今一度そのリスクについて考え、凄惨な事故を防ぎ、大切な命を守るためにどのような備えをすべきか、既存のデータを分析することによって考証した。その具体的な方策として、三つの事前防止策を提案する。
阿久津 健太(早稲田大学商学部4年)
優秀賞 早稲田大学にて
(左から)江澤雅彦教授(阿久津さんの指導教員)、阿久津健太さん、藤本昌専務理事スタッフ(大学生協共済連)
【要約】
現代の学生の多くは便利な電子機器に囲まれて育ったため、自分の頭で何かを「考える」機会に恵まれていない。自分自身で「考える」ことを若いうちから意識づけておかなければ、脳機能の低下や仕事の正確さにも支障が出る場合がある。そこで大学生協のネットワークを利用して、大学生が脳を活発に動かす機会を与え、学生のネット依存を解消していく役割を担うことを提案する。
田島 千晴(三重大学人文学部3年)
優秀賞 三重大学にて
(後列・左から)後藤基教授、青木雅生准教授、芝幸治専務理事(三重大学生協)
(前列・左から)岸田尚史執行役員(大学生協共済連)、田島千晴さん、
田中亜紀子教授(田島さんの指導教員)
【要約】
多くの大学生は一人暮らしや車の運転、アルバイトなど、それまでに経験がない大きな事柄に触れる機会が多くなると同時に、それらに関する社会的知識や経験が乏しいために、危険にさらされやすい。近年では、スマートフォン普及率の著しい増大やブラックバイトの横行など、時代の経済動向や技術革新の流れに沿って新たな問題も発生している。まだまだ未熟な学生でありながら生活能力的な面においては一人前の大人へと近づく大学生は、危機管理能力が不充分であるため、大学生が巻き込まれやすいトラブルに関して、大学生協が主体となって積極的に注意喚起を行っていくことが「リスクへの備え」として望ましいと考える。
応募全30作品をテーマ別に整理してお示しします(別掲)。〝今どき〟の学生の身近にある生活リスクを垣間見ていただけることと思います。
時折、〝今どき〟の学生は「内向き」と表現されることを耳にしますが、少なくとも今回紹介する学生は、自らを取り巻くリスクを『自分事』としてとらえて、真摯に向き合うチカラを備えていると確信できます。ぜひとも、大学生協共済の活動への学生たちの「声と参加」にご注目ください。
(大学生協共済連 藤本 昌)
『Campus Life vol.47』より転載