大学生協では「学生どうしのたすけあい」という理念のもとで、学生(組合員)が主体的に自分を含むすべての学生の健康・安全のための「予防活動」を実践しています。その背景には「すべての学生に無事に卒業まで学業継続してほしい」という強い願いがあります。
私たちは、予防活動をより充実させるために、学内で「学生のからだとこころの健康・安全」と向き合っておられる保健管理センター・学生相談室等(大学によって名称が異なりますので、以下「保健管理センター」とします)の皆様方との協同・連携を模索してまいりました。
私たちは、学生のこころの病の予防(メンタルヘルス)活動との関係において、数年前に全国大学メンタルヘルス研究会(2016年4月より学会)とのご縁に恵まれました。そのお陰もあり、同会の賛助会員として全国の数多くの大学の保健管理センターの皆様方との接点を持たせていただくことができました。
同学会の安宅勝弘理事長(東京工業大学・保健管理センター)には、本年9月に実施されたドイツ学生支援協会(DSW)研修に、日本の大学生協の代表メンバーとしてご参加いただき、日独の学生のメンタルヘルスやカウンセリングに関する専門的な視点での交流の場としてご活用いただきました。
本年(2016年)12月に開催の同学会を含む「メンタルヘルス関連三学会合同大会」では、当方も実行委員として運営協力させていただきました。また、「大学生協共済からみた大学生の『こころの病』の現状」と題する口頭発表の機会にも恵まれました。
弊会のホームページには、同学会(旧研究会)の前会長の杉田義郎先生(大阪大学名誉教授・関西学院保健館 学校医・産業医)に「健康&安全のための特別連載コラム」を執筆していただいております。これまでの記事タイトルは《別表1》の通りです。各回とも大変興味深い内容です。【大学生協 健康安全コラム】のキーワードで検索いただき、ご覧いただけましたら幸いです。
「健康&安全のための特別連載コラム」《別表1》
大学生協共済連では、本年9月の理事会で全国大学メンタルヘルス学会とも密接な関係にある「全国大学保健管理協会」への賛助会員としての入会を決議しました。その背景には、弊会が同協会ホームページに掲載されている、左記の川村孝代表理事(京都大学)の挨拶(抜粋)の趣旨に全面的に賛同したことがあります。
本協会は、大学における保健管理に関する相互の連携・協力体制を確保するとともに、保健管理に関する調査・研究および研修・啓発を行って実務に還元し、大学における保健管理の充実、公衆衛生の向上ならびに学術研究の発展に寄与することを目的としています。そのため、大学における保健管理に関する種々の課題について調査・研究を行い、研究集会を開催してその成果を広く発表・討議するとともに、大学の保健管理に関する各種情報を収集・提供する事業、大学間の保健管理に関する連携・協力事業を行っています。(「全国大学保健管理協会」ホームページより抜粋)
本年10月には、文部科学省が後援する同協会主催の「第54回 全国大学保健管理研究集会」(大阪国際会議場)にも参加させていただく機会に恵まれました。
以下に当方が印象的であったプログラムをご紹介させていただきます。いずれも大変、勉強になる内容で、「大学生協と大学(保健管理センター)に共通する問題意識にもとづく課題」であることを確信しました《別表2》。これは同研究集会の一般研究発表(ポスターディスカッション)のテーマの一覧です。この分類をご覧いただければ、同協会が総合的に学生の健康・安全と向き合っておられる実態を垣間見ていただけると思います。
「第54回 全国大学保健管理研究集会」一般研究発表のテーマ《別表2》
大学生協では、「全国大学メンタルヘルス学会」や「全国大学保健管理協会」でご縁のあった先生方も講師にお招きし、【学生の生活リスク講座】を企画・実施しております。
今後も、こうした一つひとつのとりくみを丁寧に重ねながら、全国の学生の健康・安全のために大学と共に歩みつづけてまいります。最終目的はキャンパスの主人公である学生自身が「自分事」として考え、さまざまな活動を実践につなげていくことです。
ぜひとも大学生協共済の活動やとりくみにご注目ください。
(大学生協共済連 藤本 昌)
『Campus Life vol.49』より転載