たすけあい情報室 共済パワーアップ講座

すべての学生のからだとこころに寄りそう共済です!
~学生総合共済の「心の病への備え」を中心に~

はじめに


2019年度版『大学生協の学生総合共済』

今年は、私立大学の入学定員の厳格化等による影響で、なかなか入学する大学が決まらない中で、加えて、和暦が平成から令和になったこともあり、新学期早々に「平成最後」や「令和最初」等、例年にはない特別の時間を過ごした新入生が多くおられたと思います。また、この時期は大学関係者の皆さまにとっても、スチューデント・アパシー(学生の無気力症候群)へのご心配がある時期かと思いますが、今年はなおさらであったのではないでしょうか。

大学生協では、「心の病」を発症してしまう学生のことを強く懸念しています。

今回はそうした状況も踏まえつつ、大学生協の学生総合共済(以下、学生総合共済)の2019年度より新設された「学生のこころの病に備える保障・サービス」に焦点をあててより深くご説明いたします。

「学生総合共済」の基本設計理念

1981年にスタートした学生総合共済は「学生どうしのたすけあい制度」です。それは、仲間のみんなが負担の少ない範囲の掛金を出し合い、自分を含めて誰一人として病気やケガなどの「もしも」に遭わない予防活動(サービス)や「もしも」に遭ってしまったときの保障をする制度といえます。誰もが出し合った掛金は、必ず、事前や事後の「もしも」のために有効に使われます。その理念は、制度創設時から今日まで、一貫して変わっていません。

2019年度からの大学生協の学生総合共済は、「少ない掛金」で「学生生活24時間365日に必要な保障・サービス」を実現させています。「少ない掛金」とは、具体的には「1日あたり40円の掛金(1カ月あたり1200円、1年間あたり1万4400円)と決めました。その範囲内で「学生にとって必要な保障の種目や金額」を徹底的に議論して設計しています。そして、厚生労働大臣の認可を取得しました。

学生の「こころの病」について

学生総合共済は「学生どうしのたすけあい制度」ですから、できる限り病気(からだ・こころ)やケガなどの原因ではなく、入院や手術といった「結果」に対して仲間からのお見舞いの気持ちを込めて保障を設計しています。入院した仲間への気持ちの込もったお見舞金は「定額」が一般的です。ただし、その額は現実の治療費や入院等に伴う諸雑費、交通費などを念頭に設定しています。たとえば、入院は「日額1万円を200日まで」としています。他の保険では精神障害や自殺は保障対象外となるケースも見られますが、学生総合共済の入院保障は、こころの病もその他の病気も同じ基準としています。なぜなら、私たちは、そもそも「からだとこころ」は切り離せないと考えているからです。たとえば、試験勉強で寝不足が続いている、ゼミの人間関係や恋愛などで最近ずっと悩んでいる‥‥、そんなときのからだの調子を想像してみてください。食欲がない、集中力にかける‥‥そんな自分が頭に浮かんでこないでしょうか。当然、病気やケガに遭うリスクも高まることでしょう。

学生総合共済は、そのような学生生活の実態も踏まえて、「できる限りからだとこころの差を設けないように設計」しています。

学生総合共済で「心の病」に備える全体像

学生総合共済には、すべての学生の病気やケガ等のからだのリスクとも密接に関係するこころの病に備えるために、「3つの保障・サービス」があります。ここでの「もしも」は、学生の心の病に備える保障を抽出しています。

詳しくは、学生総合共済のパンフレットをご覧ください。

学生総合共済関連パンフレット

1
「学生生活無料健康相談サービス」(事前の「もしも」への備え)
2
「こころの早期対応保障」(事後の早期の「もしも」への備え)
3
「こころの病気入院保障」(事後の重篤な「もしも」への備え)

2018年までは、①と③だけでした。「大学生協の保障制度からみた大学生の病気・ケガ・事故2017(2017年4月〜2018年3月の支払実績データより)」によれば、総加入者数64万8160人に対して、精神障害(心の病)によって1日以上入院した学生は399人、平均入院日数は54・4日(精神障害を除く病気入院は9・1日)です。

心の病の入院は長期化する傾向にありますが、彼らは「復学」に至っているのでしょうか。全国大学保健管理協会や全国大学メンタルヘルス学会の賛助会員でもある大学生協共済連では、大学の保健管理施設や学生相談室におられる複数の先生方にお伺いしたところ、「現実には精神障害で長期入院に至ってしまった後に復学できるケースは多くはない」 「入院に至ること自体がすでに深刻な事態といえる」 「学生総合共済では入院する前の段階での保障はできないのか」等の示唆に富むご助言をたくさんいただきました。

私たちは、こうした問題意識のもとで、2019年より上記②を新設しました。また、こころの病とも密接に関係する「ストーカー被害見舞金」も合わせて新設しました。以上の全体像は、下のように図示することができます。

あらゆる“こころのもしも”に備える
学生総合共済

もしもに遭わないために

①事前

もしもに遭ってしまったときのために

②事後(早期)

③事後(重篤)

新設ストーカー被害見舞金
(生命共済加入者全員対象)
【定額5万円】
ストーカー被害を警察に届け出た場合、被害拡大予防のための鍵交換費用や引っ越し費用の補てん等のためにストーカー被害見舞金を新設しました。

まとめに代えて

大学生協では、「大学等ですべての学生の皆さんに本分である勉学・研究(学び)を全うしてほしい、そして、誰一人として欠けることなく、無事に社会へ巣立ってほしい」と心から願っています。学生総合共済は、その根底にあるものです。負担の少ない掛金で無駄なく学生生活24時間365日のからだとこころのリスクに総合的に備える設計をしております。ぜひとも他の保険等とも比べていただき、学生のからだもこころも保障対象とする大学生協の学生総合共済の良さを実感していただけましたら幸いです。

(大学生協共済連 藤本 昌)

『Campus Life vol.59』より転載