新入生の保護者20,391名から回答
「2022年度保護者に聞く新入生調査」概要報告

※データの無断転載はお断りいたします。

2022年11月24日

<2022年度の特徴>

  1. 受験から入学までにかかった費用
    入学までにかかった費用は教科書教材費が増加
    下宿生の「住まい探し」「新生活用品」費用が大幅増加
  2. 保護者の意識
    受験大学の選定は「本人に任せた」が半数。
    大学生活の心配事は「友達付き合いなど人間関係のこと」の増加が続いている。

全国大学生活協同組合連合会(以下 全国大学生協連)では、2007年から毎年4月~5月に新入生の保護者を対象とした「保護者に聞く新入生調査」を実施しており、2022年は130大学生協の20,391名の方から回答をいただきました。

この調査は毎年、受験から入学までにかかった費用をはじめ、受験から入学までに困ったこと、大学生活を送る上での不安といった保護者の意識とあわせ、大学生協の事業に対する評価もいただいています。
今回の調査結果から、新型コロナウイルス感染症が終息しないなかでの受験から入学までの変化、今後の大学生活や将来への保護者の不安や期待などを報告いたします。

<調査の概要>

【調査の目的】 大学受験までにかかる費用、下宿生のお部屋探しなどにかかる費用ほか、入学準備について調査し、
大学生協の取り組みやサービス改善に活用する。
【調査対象】 2022年に入学した新入生(学部生)の保護者
【調査期間】 2022年4月~5月
【調査方法】 インターネット調査
(各大学生協の名簿からランダムサンプリングして郵送で依頼、Web画面から回答)
【回収数】 20,391(134大学(国立55・公立24・私立55))回収率 27.1%

サンプル特性

グラフ

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<平均額について>

  • 「各費目」および「合計」の平均額は、それぞれ「0」と無回答を除いた「有額平均」で表示しています。
  • 費目のいずれかに「0」が含まれていても「合計」の平均額に反映されるため、「各費目の平均額合計」と「合計」は一致しない場合があります。

<各費目の内容>

A.出願のための費用 受験料/願書を取り寄せた費用
B.受験のための費用(総額のみ) 交通費/宿泊費/滞在費
C①.入学した大学への納付金 入学金・授業料・施設拡充費・その他/寄付金・学校債
C②.入学しなかった大学への納付金(総額のみ、後日返金分を除く) 入学金/授業料/施設拡充費・寄付金・学校債・その他
D.合格発表や入学手続きの費用(総額のみ) 交通費/宿泊費
E.入学式出席の費用(総額のみ) 交通費/宿泊費/手土産代/お礼/その他
F.教科書・教材購入の費用 パソコン/教科書/電子辞書本体/教材/その他
G.住まい探しの費用(総額のみ) 交通費・宿泊費・滞在費・礼金・入館金・敷金/前家賃や日割分・斡旋手数料・仲介手数料
H.新生活用品購入費用(総額のみ) 寝具/家具/家電用品/自炊用品/インターネット契約・配線工事/電話機・携帯電話/日用雑貨/自転車・バイク/衣類や身のまわりの小物
I.その他の費用 引越し代・荷物の送料/4月分の生活費/予備の貯金/大学生協への支払い・生協出資金・共済・生協のミールカードなど/お礼・お祝い返し・その他

1.受験から入学までにかかった費用
入学までにかかった費用は教科書教材費が増加
下宿生の「住まい探し」「新生活用品」費用が大幅増加

(1)受験から入学までにかかった費用(図表1~3)

国公立・自宅・文科系1,377,800円から私立・下宿・医歯薬系3,241,100円まで

  1. 自宅生の受験から入学までにかかった費用

    ○国公立1,387,600円・私立1,757,800円

    • 国公立文科系1,377,800円・国公立理工系1,388,000円・国公立医歯薬系1,426,800円
    • 私立文科系1,618,400円・私立理工系1,973,900円・私立医歯薬系2,689,100円
  2. 下宿生の受験から入学までにかかった費用

    ○国公立2,128,700円・私立2,465,200円

    • 国公立文科系2,091,500円・国公立理工系2,117,900円・国公立医歯薬系2,297,800円
    • 私立文科系2,360,200円・私立理工系2,659,400円・私立医歯薬系3,241,100円

図表

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(2)受験から入学までにかかった費用の特徴(図表1~7)

①受験から入学までの費用は入学大学の設置者、専攻、住まいなど進路により大きく違い、国公立・自宅・文科系が1,377,800円と最も低く、私立・下宿・医歯薬系の3,241,100円が最も高い。

②「出願するためにかかった費用」の多くを占める「受験料」119,000円は、前年に引き続き減少した(21年▲3,000円)。入試形態別では推薦受験生が53,600円と前年より2,600円減少し、一般受験生は156,300円と1,600円増加した。

③「受験学部数」は3.3学部(21年3.4学部)とほぼ変化はない。受験学部数の1学部受験では、国公立27.3%、私立42.5%と設置者による受験形態の違いが表れている。新入生の推薦受験生は37.8%(国公立25.3%・私立53.4%)。

④受験から入学までの費用面で予定と違って困ったことは「教科書や教材、パソコンの費用が高かった」が36.0%ともっとも高く、「家賃や新生活用品の費用が高かった」22.9%、「受験料が増えた」19.9%、「入学しない大学に入学金や授業料を支払った」19.5%と続く。「教科書・教材購入費用」219,200円は前年より4,300円増加した。

⑤受験から入学までの費用面で準備・工夫したことは「学資保険に入っていた・進学用の貯金をしていた」が54.0%、続いて「奨学金を申請した(する)」32.1%、「貯蓄を切り崩した」32.0%となっている。「奨学金を申請した」は17年以降32~33%台が続いている。自宅生の「自宅通学にさせた」は23.0%とコロナ禍前に戻った(21年22.5%・20年28.3%・19年24.2%)。

⑥下宿生の「住まい探し」251,000円(21年+23,300円)と生活用品購入費用」300,200円(同+7,100円)は増加して、購入率が高い品目は「日用雑貨」88.1%、「寝具」83.6%、また「自炊用品」「家具」「家電」は75~79%となっている。

図表

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2.保護者の意識
受験大学の選定は「本人に任せた」が半数。
大学生活の心配事は「友達付き合いなど人間関係のこと」の増加が続いている。

(1)受験から入学までの保護者の意識(図表8~11)

①大学を選ぶ際に関心を持ったことは「大学の所在地」52.5%に続き、「本人に任せた」50.6%と半数の保護者が本人の意向で大学選びをしている。

②子どもの入学大学に対して期待することは「専門知識の教育強化」65.6%、「社会人としての一般教養の教育強化」54.6%、「就職のための支援強化」53.5%(国公立48.8%・私立59.4%)に過半数の保護者の期待が集まり、また「授業料減免や奨学金などの経済的支援」も4人に一人(25.3%)が期待している。

③受験から入学までに困ったことは「子供の体調や精神面のこと」49.1%、「新型コロナウイルスへの対応」39.5%、「受験大学(学部・学科)の選び方」36.0%のほか、「受験・入学手続きのスケジュール管理」33.5%が前年より増加している(21年+5.5ポイント)。

④大学生活を始めるにあたって心配なことは「友達付き合いなど人間関係のこと」56.1%と前年より6.0ポイント、コロナ禍前の19年より13.7ポイント増えている。続いて「就職や将来のこと」42.3%(21年+5.0ポイント)、「授業内容や単位のこと」41.1%(同+3.1ポイント)となっている。

図表

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(2)入学までの行動(図表 12~14)

①21年に大学キャンパスで開催された来校型オープンキャンパスは、参加を予約制とするなど条件付きで20年より多くの大学で開催されたが、入学前の本人の参加は31.6%(自宅生44.6%・下宿生20.2%)と前年より7.0ポイント減少した。母親など同行者との参加は全体の15.0%で、参加した新入生を100とした同行率は47.5%に回復した(21年41.7%・20年55.6%)。

②オンライン型オープンキャンパスは、本人の参加が34.5%と前年より1.8ポイント増加した(推薦受験生49.0%・一般受験生25.7%、自宅生37.5%・下宿生31.2%)。保護者の参加は10.0%、「オンライン開催がなかった・知らなかった」38.3%となっている。

③「合格発表」で大学キャンパスへ訪れたのは10.5%(21年9.6%・20年8.1%)、「入学手続き」は42.3%(21年39.7%・20年40.6%)となり、「誰も行かなかった」は合格発表87.3%、入学手続き55.4%と大学へ訪れる機会は大きく減少している。

④入学式は98.8%が開催され新入生本人の出席は95.0%と回復した(19年97.7%)。母親など同行者の参加は全体の20.6%(参加した新入生を100として21.7%)にとどまった。

図表

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