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2023年12月18日
全国大学生活協同組合連合会(以下 全国大学生協連)では、2007年から毎年4月~5月に新入生の保護者を対象とした「保護者に聞く新入生調査」を実施しており、2023年は133大学生協の19,664名の方から回答をいただきました。
この調査は毎年、受験から入学までにかかった費用をはじめ、受験から入学までに困ったこと、大学生活を送る上での不安といった保護者の意識とあわせ、大学生協の事業に対する評価もいただいています。
新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されつつあるなかでの受験から入学までの変化、今後の大学生活や将来への保護者の不安や期待などを報告いたします。
【調査の目的】 | 大学受験までにかかる費用、下宿生のお部屋探しなどにかかる費用ほか、入学準備について調査し、大学生協の取り組みやサービス改善に活用する。 |
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【調査対象】 | 2023年に入学した新入生(学部生)の保護者 |
【調査期間】 | 2023年4月~5月 |
【調査方法】 | インターネット調査(各大学生協の名簿からランダムサンプリングして郵送やメールで依頼、Web画面から回答) |
【回収数】 | 19,664(137大学(国立56・公立29・私立52)回収率27.1% |
サンプル特性
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A.出願のための費用 | 受験料/願書を取り寄せた費用 |
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B.受験のための費用(総額のみ) | 交通費/宿泊費/滞在費 |
C①.入学した大学への納付金 | 入学金・授業料・施設拡充費・その他/寄付金・学校債 |
C②.入学しなかった大学への納付金(総額のみ、後日返金分を除く) | 入学金/授業料/施設拡充費・寄付金・学校債・その他 |
D.合格発表や入学手続きの費用(総額のみ) | 交通費/宿泊費 |
E.入学式出席の費用(総額のみ) | 交通費/宿泊費/手土産代/お礼/その他 |
F.教科書・教材購入の費用 | パソコン/教科書/電子辞書本体/教材/その他 |
G.お部屋探しの費用(総額のみ) | 交通費・宿泊費・滞在費・礼金・入館金・敷金/前家賃や日割分・斡旋手数料・仲介手数料 |
H.新生活用品購入費用(総額のみ) | 寝具/家具/家電用品/自炊用品/インターネット契約・配線工事/電話機・携帯電話/日用雑貨/自転車・バイク/衣類や身のまわりの小物/防災用品 |
I.その他の費用 | 引越し代・荷物の送料/4月分の生活費/予備の貯金/大学生協への支払い・生協出資金・共済・生協のミールカードなど/お礼・お祝い返し・その他 |
国公立・自宅・文科系1,331,100円から私立・下宿・医歯薬系3,073,000円まで
○国公立1,362,300円
受験料など出願までにかかった費用が約11万円、教科書・教材・パソコン購入が約24万円、入学しなかった大学への納付金が約26万円
・国公立文科系1,331,100円・国公立理工系1,370,500円・国公立医歯薬系1,449,400円
○私立1,676,200円
受験料など出願までにかかった費用が約16万円、教科書・教材・パソコン購入が約20万円、入学しなかった大学への納付金が約29万円
・私立文科系1,552,800円・私立理工系1,903,700円・私立医歯薬系2,385,500円
○国公立2,061,900円
受験料など出願までにかかった費用が約12万円、教科書・教材・パソコン購入が約26万円、入学しなかった大学への納付金が約26万円
・国公立文科系2,020,200円・国公立理工系2,073,200円・国公立医歯薬系2,149,200円
○私立2,340,000円
受験料など出願までにかかった費用が約14万円、教科書・教材・パソコン購入が約22万円、入学しなかった大学への納付金が約30万円
・私立文科系2,196,200円・私立理工系2,614,300円・私立医歯薬系3,073,000円
①受験から入学までの費用は入学大学の設置者、専攻、自宅か下宿かにより大きく違い、国公立・自宅・文科系が1,331,100円と最も低く、私立・下宿・医歯薬系の3,073,000円が最も高い。
②入学までにかかった費用は「教科書・教材購入費用」234,400円(前年+15,200円)、「受験のための宿泊費等」81,300円(前年+22,100円)が増加した。「教科書・教材購入費用」は2014年から毎年増加している。
③「出願するためにかかった費用」の多くを占める「受験料」は、前年より約6千円増加して124,900円となった。私立の受験料は国公立よりも32,000円高い。
④受験から入学までの費用面で予定と違って困ったことは、「教科書や教材、パソコンの費用が高かった」40.4%、「家賃や新生活用品の費用が高かった」25.5%、続いて「受験料が増えた」21.0%、「入学しない大学に入学金や授業料を支払った」20.1%となっている。
入学しなかった大学への納付金は国公立文科系で245,500円、同理工系で259,300円、同医歯薬計で381,900、私立文科系で275,500円、同理工系で286,400円、同医歯薬系で506,000円。
⑤受験から入学までの費用面で準備・工夫したことは「学資保険に入っていた・進学用の貯金をしていた」54.4%と半数以上が長期間にわたる準備をしている。続いて「貯蓄を切り崩した」34.1%、「奨学金を申請した(する)」33.1%となっている。また「受験から入学までで困ったことや悩んだこと」の「受験・入学のための費用準備」は、34.9%と前年より6.6ポイント増加している。
⑥下宿生の「お部屋探し」240,400円は、前年より10,600円少なかったものの、この10年間で前年に次ぐ高額であり、「生活用品購入費用」305,800円も前年より5,600円増加した。
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①大学に進学させた理由は「本人の希望」が87.3%と一番高い。コロナ禍以前の19年と比較すると「いろいろな経験をさせたい」+7.1ポイント(文科系+5.8・理工系+7.9・医歯薬系+12.3ポイント)、「人間関係を広げさせたい」+7.7ポイント(文科系+66.0・理工系+9.2・医歯薬系+10.8ポイント)と経験や人とのつながりを理由にあげる保護者が増えている。
②受験から入学までに困ったことや悩んだことは、「子供の体調や精神面のこと」が51.2%、と一番多く、続いて「受験大学(学部・学科)の選び方」44.0%、「受験・入学のための費用準備」34.9%となっている。特に「受験大学(学部・学科)の選び方」(前年+8.0ポイント)、「受験・入学のための費用準備」(同+6.6ポイント)、「入学大学の選択」(同+6.5ポイント)は前年より増加が大きい。
③大学生活を始めるにあたって心配なことは、「友達付き合いなど人間関係のこと」53.4%、「事故や病気、けがなど健康面のこと」44.4%、「授業内容や単位のこと」43.1%となっている。「授業形態(対面・オンライン)のこと」は7.1%(前年▲25.0ポイント)と減少した。一方「友達付き合いなど人間関係のこと」は、コロナ禍以前の19年より11.0%増加、「生活費など経済面のこと」32.5%は19年より7.3ポイントと大きく増えている。
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①コロナ禍の行動制限が緩和されて22年のオープンキャンパスは来校型が多くの大学で開催され、本人の参加は37.9%(自宅生50.3%・下宿生27.7%)と前年より6.3ポイント増加した。また母親など家族との参加は全体の19.9%で、参加した新入生を100とした同行率は52.5%(前年+5.0ポイント)となった(20年55.6%・19年52.0%)。
②オンライン型オープンキャンパスも多く大学で実施されたが、来校型と異なり参加は減少した。「本人が参加した」20.6%ポイント(前年▲13.9ポイント)となっている。
③入学式の本人参加は95.0%、家族の参加も制限緩和により増えて、本人と家族の同行は全体の56.8%となり、参加した新入生の過半数は家族と参加している(参加した新入生を100とした同行率59.8%・前年21.7%・19年77.7%)。
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