第55回学生生活実態調査 概要報告

※データの無断転載はお断りいたします。

CAMPUS LIFE DATA 2019

2020年2月28日

はじめに 調査概要とサンプル特性について

<調査概要>

調査実施時期
2019年10~11月
調査対象
全国の国公立および私立大学の学部学生
回収数
10,832(30大学回収率33.3%)
調査方法
Web調査(郵送またはメールで調査依頼し、Web上の画面から回答)
調査項目の概要
属性、住まい、大学生活(登下校時刻・サークル・就職など)、日常生活(生活時間・政治への関心など)、経済生活(暮らし向き・アルバイト・奨学金・1ヶ月の生活費・半年間の特別費など)大学生協について(店舗の評価・活動の認知)、大学生協や大学への意見

<サンプル特性>

  1. 第55回学生生活実態調査は83大学生協が参加、21,846名から協力を得た。ただしここで紹介する数値は、地域・大学設置者・大学の規模などの構成比を考慮し、経年の変化をより正確にみるために指定した30大学生協の10,832名の平均値である。
  2. 前回と比較して専攻の構成比に差異がなく、経年の比較にも耐えうる調査である。
  3. 前回と比較すると男性の構成比が1.6ポイント減、女性は2.7ポイント増となった。今回から性別で「回答しない」の選択肢を加えている。
  4. 専攻別の男女の構成比は、文系4.5:5.1、理系6.7:3.0、医歯薬系3.6:6.0となっている。

本日の報告内容

1.学生の経済状況

  • 「アルバイト」の収入増が学生の生活を支えている
  • 「奨学金」は「給付型」の受給が微増
  • 「貯金」志向は縮小。目的は生活費補填から長期的不安の解消へ

2.学生の意識

  • 2019年7月の参議院選挙。現住所に選挙権がない自宅外生が多数
  • 重視する就職先の条件で「収入面の待遇」が増加
  • SDGsの認知が広く深く進んでいる

3.学生の日常生活

  • 学生の「生きがい」は大学生活の充実も左右
  • 「読書」の定義は5年前から大きく変化

1.学生の経済状況

(1)自宅生の生活費(図表1)

8年連続増加の「アルバイト」。収入の6割を占める
「教養娯楽費」は3年連続増加し、90年代前半の金額に

  1. 自宅生の収入合計は67,480円。前年から270円減少し、7年ぶりの前年減となった。
  2. 費目別には「アルバイト」が41,230円で前年+310円で8年連続増加。金額、収入に占める構成比(61.1%)ともに70年以降の最高値を更新しているほか、「小遣い」が6年ぶりに増加し13,480円(前年+700円)であった。
  3. 「奨学金」は10,620円と前年から440円減少した。収入に占める構成比は15.7%で6年連続減少している。
  4. 支出合計は66,080円。前年から1,120円減少した。
  5. 費目別では「教養娯楽費」が3年連続増加し12,990円。92年と並び70年以降の最高額となった。
  6. 前年減となった費目は「食費」が13,850円(前年-520円)のほか、「交通費」「勉学費」「貯金・繰越金」などで、特に「貯金・繰越金」は1,170円減と減少額が大きい。

(2)下宿生の生活費(図表2・3)

「アルバイト」が4年連続増加。収入の4分の1を占める
「食費」「教養娯楽費」の増加が続く

  1. 下宿生の収入合計は129,860円。前年から2,580円増で3年連続増加している。
  2. 費目別には「アルバイト」が4年連続増加し33,600円。収入全体に占める構成比(25.9%)とともに金額も70年以降の最高値を前年から更新した。
  3. 「仕送り」は72,810円で前年から1,310円増加。「仕送り」が「0」の下宿生は7.1%と、13年以降は10%以下を推移している。
  4. 支出合計は129,090円。前年から2,990円増、3年連続増加となった。
  5. 費目別には「食費」が26,390円で8年連続増加となったほか、「住居費」(53,930円)、「教養娯楽費」(12,870円)、「日常費」(7,620円)などが前年から増加した。
  6. 「貯金・繰越金」は13,470円で前年から270円減、2年連続減少した。

(3)奨学金(図表4~6)

「貸与型」奨学金は返還の不安による敬遠傾向
「給付型」奨学金の受給者、受給金額は増加

  1. 何らかの奨学金を「受給している」は前年に続き30.5%(自宅生24.5%・下宿生35.5%)と、11年の37.9%をピークに減少傾向にある。受給金額の平均は56,540円(自宅生52,760円・下宿生58,910円)で、前年から600円減、11年からは2,820円減となった。
  2. 受給している奨学金の種類は「日本学生支援機構の貸与型奨学金」25.0%(前年-0.4ポイント)、「日本学生支援機構の給付型奨学金」1.8%(前年+0.9ポイント)、「日本学生支援機構以外の貸与型奨学金」1.2%(前年-0.1ポイント)、「大学や財団などの給付型奨学金」4.6%(前年+0.7ポイント)と給付型奨学金の受給者が前年増となった。
  3. 貸与型奨学金の受給者は全体の25.7%(自宅生20.5%・下宿生30.3%)、このうち貸与型のみの受給が23.1%(自宅生18.1%・下宿生27.7%)。奨学金受給者を100とすると75.7%を占めているが、これは16年の89.0%から年毎に減少している。
  4. 給付型奨学金のみの受給者は4年連続増加して3.4%。受給者全体に占める割合は11.1%と前年から2.9ポイント増、受給平均金額も55,160円で前年から990円増加した。
  5. 奨学金の使い道は「授業料などの大学納付金」17.1%(自宅生19.2%・下宿生14.8%)、「食費や住居費などの生活費」15.3%(自宅生4.0%・下宿生25.6%)などがあげられる。
  6. また将来奨学金を返還することに「不安を感じている」(「常に感じている」+「時々感じている」)が貸与型奨学金受給者の71.6%を占めている。

※「日本学生支援機構の奨学金」は18年から「日本学生支援機構の貸与型奨学金」「日本学生支援機構の給付型奨学金」に
※18年から受給の有無は必須回答

(4)アルバイト(図表7)

引き続きアルバイト市場は好調。時間は減少し、収入は増加

  1. 調査時のアルバイト就労率は75.8%(自宅生80.8%・下宿生71.5%)で前年から1.7ポイント増加。この10年間で13.3ポイント(自宅生10.6ポイント・下宿生15.4ポイント)増加となった。特に4年生は10年間で11.9ポイント増加、17年からの2年間で5.6ポイント増加と学年中で最も増加しており、この間の就職活動期間短縮の影響も大きいと思われる。
  2. 1週間のアルバイトの就労時間は平均12.6時間。アルバイト就労者の1ヶ月の平均収入は前年から630円増(自宅生+140円・下宿生+960円)だが、就労時間は0.3時間減少した(自宅生・下宿生ともに)。
  3. 夏休みを含むこの半年間のアルバイト就労率は83.9%(自宅生87.2%・下宿生80.8%)で前年から0.9ポイント増。下宿生は現在の就労率、この半年間の就労率ともに前年から増加。半年間のアルバイト収入は3年連続増加し、274,000円で前年から17,000円増加している。
  4. 半年間のアルバイト収入の用途は「旅行やレジャーの費用」29.2%(自宅生34.7%・下宿生24.5%)、「サークルのための費用」22.8%(自宅生26.2%・下宿生19.7%)と続くが、下宿生は「生活費の維持」が28.6%、「生活費のゆとり」も27.5%と高く、アルバイト収入による生活費の補填の大きさが表れている。

(5)暮らし向き

引き続き楽観的な暮らし向き。対策は「バイトの増加」が55.4%

  1. 暮らし向きが「楽な方」(「大変楽な方」+「楽な方」)は3年連続増加し58.8%(自宅生63.2%・下宿生55.0%・寮生50.0%)。これから先の見通しも「よくなりそう」(「かなりよくなりそう」+「少しはよくなりそう」)が21.3%(自宅生18.3%・下宿生23.8%・寮生29.6%)と3年連続増加し、いずれも80年調査から最高値となった。
  2. 暮らし向きが「苦しい方」(「苦しい方」+「大変苦しい方」)は8.8%(自宅生8.4%・下宿生8.9%・寮生14.0%)と、80年調査から最低値であった。
  3. 収入面の対策は全体では「アルバイトの増加」(55.4%)が最も多いが、それぞれの暮らし向きを100として「苦しい方」の「奨学金を申請する」が15.9%(「楽な方」4.8%・「普通」8.6%)「収入が減っても我慢する」が14.8%(「楽な方」10.9%・「普通」11.1%)と高い。

(6)貯金(図表8)

「貯金をしている」は減少。短期的な使用目的から長期的不安に対する備えに

  1. 現在「貯金をしている」は61.1%と、前回調査の17年から17.6ポイント減少した。
  2. 「貯金をしている」は自宅生が63.9%、下宿生は58.7%と住まいによって傾向が違う。また女性の67.1%に対して男性は56.0%と性別による差も見られ、男性は17年から19.6ポイント減と減少幅が大きい(女性15.4ポイント減)。
  3. 貯金の目的は、「貯金をしている」を100として「将来への蓄え」48.1%(1年生45.4%・2年生46.0%・3年生49.7%・4年生52.9%)、「旅行などのレジャー」37.5%(男性31.8%・女性44.0%)、「予備の生活費」28.5%(自宅生19.9%・下宿生37.0%・寮生42.5%)と続き、「将来への蓄え」は17年から7.3ポイント増加したが、「予備の生活費」は自宅生で7.1ポイント、下宿生は10.9ポイントそれぞれ減少した。
  4. 自身の暮らし向き別で貯金をしている割合をみると「、楽な方(」以下それぞれを100として)は64.3%、「普通」は58.3%、「苦しい方」が50.0%に下がる。「苦しい方」は貯金の目的(以下「貯金をしている人」を100として)も「予備の生活費」が40.9%と「楽な方」(25.4%)を大きく上回るほか「奨学金の返還」も18.2%存在している(「楽な方」5.6%・「普通」10.1%)。

(7)半年間の特別費(図表9・10)

就職活動の早期化、短縮化の影響が支出にも影響

  1. 2019年4~9月に支出した特別な費用の実額平均(0を含む平均)は合計197,800円で前年から5,100円増、費目別には「海外旅行」が前年から4,900円増(男性+2,400円・女性+7,500円)と、合計額とともに4年連続増加している。
  2. 「就職活動」の費用を支出した比率(実施率)は前年から4.7ポイント増、平均額も1,900円増加した。文系3年生の実施率は15年の13.1%から19年の38.9%まで毎年増加しており、加えて半年間に支出した金額も前年から5,300円増加、15年と比較すると9,000円増加している。
    一方、文系4年生の半年間の特別費のうち「就職活動」の費用は前年から2,300円減少しており、就職活動の早期化と短縮化の影響が表れていると見られる。
  3. 有額平均(0を含まない平均)の合計額は207,900円で前年から5,600円増、4年連続増加した。

2.学生の意識

(1)就職について(図表11)

就職先決定には「収入面の待遇」「福利厚生などの待遇」を重視
「内定している」は引き続き増加

  1. 就職に対して不安を「感じる」が全体の72.6%。就職状況が好調と言われても学生の多くは「不安」を感じている。
  2. (以下②~④まで就職予定者を100として)文系3年生の不安内容は「就職ができるか」が最も多く67.9%。「希望の職種に就けるか」44.7%、「自分が何に向いているか」42.5%のほか、2年連続増加となった「職場の雰囲気が自分に合っているか」が29.9%であった。また文系4年生は「自分が仕事を続けられるか」(29.2%)や「職場の雰囲気…」(27.2%)など職場との相性への不安が多い傾向がある。
  3. 文系4年生の「内定している」は83.4%と、11年にこの選択肢を加えて以降の最高値を更新しており、「就職ができるか」の不安も7.8%と前年から2.6ポイント減。14年から連続して減少している。
  4. 就職先を決めるにあたって重視する(した)ことを順に3番目まで選択してもらった。3番目までの合計でみると、「収入面の待遇」(61.2%)が最も高く、「社風や職場・社員の雰囲気」(37.3%)、「福利厚生など収入面以外の待遇」(37.1%)、「職種」(35.4%)などが続く。
  5. 「収入面の待遇」は1年生から2年生にかけて上がり(それぞれ64.2%と66.1%)、3年生は60.9%、4年生は52.8%と下がる。また男性(66.4%)が女性(55.3%)より高く、「収入面以外の待遇」とは逆の傾向がある(女性41.5%・男性33.5%)。女性は「社風や職場…」も男性より高い(女性43.9%・男性31.8%)。
  6. 1番目に重視する条件として過去06年、07年、14年に続いて19年も「職種」(19.7%)が最も多くあげられているが、14年と比較して7.8ポイント、06年から14.3ポイント下がった。代わって「収入面の待遇」「収入面以外の待遇」が増加している。

(2)インターンシップ

インターンシップへの参加者は増加。3、4年生の就職予定者の半数以上が参加している

  1. この1年間で企業や団体が実施しているインターンシップに参加したことが「ある」は全体の22.3%で、15年から全体で8.8ポイント増加し、就職予定者(59.0%)を100とすると29.8%、3年生は55.7%、4年生は53.1%に上る。
  2. インターンシップ期間が<1日>のものには3年生の33.7%(参加者を100として79.5%)、4年生35.1%(同85.8%)が参加しており、その回数は「1回」が3年生12.4%、4年生9.5%(それぞれ参加者を100として29.2%と23.2%)であった。<1日>のインターンシップ参加者の半数近くは「2回~5回」参加しており、また<2週間未満>のインターンシップは3、4年生に加え2年生の参加が多い傾向がある。
  3. 各日程の参加者を100として<2日~2週間>については3年生(93.5%)と4年生(87.7%)の「役立った」(「大いに役立った」+「まあ役立った」)が高く、<1日>については評価が低い傾向がある(3年生85.5%・4年生74.4%)。

(3)社会・政治への関心(図表12~15)

自宅外生の「今の住所に選挙権がない」は改善されず、投票率は低下
日本の未来が「明るい」学生は減少の一途。政治に関心がある人ほど悲観的

  1. 17年の調査期間中には衆議院の解散(9月)と総選挙(10月)が実施されており、調査結果もそのことが反映された結果となった(国内外の政治への関心が「ある」(「大いにある」+「まあある」)が61.9%)が、翌18年は53.7%に減少した。19年は7月に実施された参議院選挙の影響もあり、関心が「ある」は56.7%と若干回復した。
  2. 関心が「ある」は男性(60.4%)が女性より8.2ポイント高く、また文系が理系を9.7ポイント、医歯薬系を13.8ポイント上回る。文系は選挙の有無に左右されず60.1%~70.9%を推移(理系48.6%~60.0%・医歯薬系42.7%~55.8%)している。
  3. 19年7月の参議院選挙の投票に「行った」は44.7%で、前回(16年)から6.7ポイント減となった。住まい別には自宅生64.8%に対し下宿生25.6%と引き続き差が大きく、また投票率が高い自宅生が前回から10.4ポイント減。下宿生の5.9ポイント減と比較し、減少幅が大きい。
  4. 投票に「行った」は男性45.7%、女性43.6%と2.1ポイント差であるが、自宅生の男性が68.1%に対し自宅生の女性は61.4%と6.7ポイントの差がある。下宿生の男女差3.0ポイントと比較すると開きが大きい。
  5. 投票に行った理由は「投票は権利だから」(24.4%)、「行くのが当たり前だと思った」(24.0%)がそれぞれ投票者の半数以上を占めているが、16年と比較すると「投票は権利だから」が17.5%から6.9ポイント増加して最も多くなり、「行くのが当たり前だと思った」は3.1ポイント減であった。
  6. 投票に「行った」を100とすると(以下⑥~⑧は全て)「投票は権利だから」は16年の34.0%から19年は54.6%と大きく伸長しており、この投票者の意識の変化は住まいや性別に関わらず見られる。
  7. また投票理由のうち「親や周囲に言われたから」は男女差が大きく、自宅生の女性が19.4%、男性は10.6%であった。
  8. 「投票してみたかった」は13.4%で16年から8.6ポイント減少。4年生以外の減少が大きく、2、3年生はそれぞれ12.6ポイントと13.8ポイント減少となった。
  9. 投票に行かなかった理由は「今の住所に選挙権がなかった」が23.4%と最も多く、「ほかに用事があった」の13.7%が続く。
  10. 投票に「行かなかった」を100とすると(以下⑩⑪は全て)下宿生は「今の住所に選挙権がなかった」が59.9%と最も多く16年と比較しても2.0ポイント増と改善されていない。
  11. 自宅生は「ほかに用事があった」が42.0%、「選挙に関心がなかった」も25.3%を占めており、「選挙に関心がなかった」は16年から4.8ポイント増加している。
  12. 日本の未来は明るいと「思う」(「とても思う」+「まあ思う」)は23.3%。2年連続減少しており、この項目を初めて調査した15年と比較すると9.9ポイント減少している。
  13. 政治への関心の有無をそれぞれ100とした場合、関心が「ある」の「明るいと思う」が15年の35.5%から19年の22.9%まで減少。18年からは政治に関心が「ある」方の「明るいと思う」が低くなった。

(4)SDGsについて(図表16)

授業内での学習機会も増え、認知が広がるSDGs
自然災害による甚大な被害を目にし、気候変動への関心の高まりが顕著に

  1. SDGsについて「名称も内容も知っている」が45.7%、「内容は知らないが、名称は聞いたことがある」も29.9%で、「知っている」は75.6%と1年間で14.5ポイント増、「内容も含め知っている」が15.6ポイント増加と広く深く認知が進んだ。
  2. 専攻別では文系が79.5%(理系72.3%・医歯薬系69.9%)で認知度が高く、性別の差はほとんどないが、女性の認知は「内容も含め知っている」が前年から17.1ポイント増(男性14.1ポイント増)となった。
  3. 17の目標のうち関心があるテーマは「質の高い教育をみんなに」40.4%(文系42.3%・理系38.6%・医歯薬系38.0%)、「すべての人に健康と福祉を」34.6%(文系35.7%・理系29.8%・医歯薬系44.2%)、「貧困をなくそう」33.8%(文系37.9%・理系29.2%・医歯薬系31.0%)があげられる。
  4. また前年からの増加が大きい目標は「気候変動に具体的な対策を」が前年から5.4ポイント増加し22.9%に、「質の高い教育をみんなに」も4.0ポイント増加したほか、「ジェンダー平等を実現しよう」は全体では3.8ポイント増加、文系では5.4ポイント増加した。

3.日常生活

(1)日常生活で気にかかっていること(図表17・18)

「生きがいがみつからない」が増加。学生生活の充実にも影響がみられる

  1. 日常生活で気にかかっていることは「生活費やお金のこと」43.1%(自宅生36.6%・下宿生48.8%)、「授業・レポート等勉学上のこと」41.0%(文系36.3%・理系45.4%・医歯薬系46.6%)、「就職のこと」36.7%(1年生28.2%・2年生38.5%・3年生52.9%・4年生29.1%)と続く。
  2. 前回調査の16年と比較して「生きがいや夢中になれることが見つからないこと」の不安が増加。増加幅は全体で6.5ポイントと大きい。また「自分の性格や能力のこと」は全体で1.8ポイント減だが、3年生(4.4ポイント減)や文系(3.5ポイント減)の減少が大きい。
  3. また学生生活が「充実していない」(「あまり充実していない」+「充実していない」)人は「生きがい…」を最も多くあげており(「充実していない」を100として49.7%)、「充実している」(「充実している」+「まあ充実している」)人との傾向に違いが見られる(「充実している」を100として18.2%)。
  4. 悩んでいることを最も相談しやすいと思う相手は「友人」41.8%、「親」21.2%の順で高い。
    「親」は住まいや性別で傾向が違い(自宅生24.4%・下宿生17.9%、男性16.8%・女性26.1%)、自宅生の女性は「親」(30.2%)と「友人」(39.5%)との差が小さい。

(2)読書時間(図表19・20)

1日の読書時間「0」分は48%。平均時間は30分と前年から大きく変化せず
5年前から「読書」の定義は大きく変化し、「読書時間」にも影響

  1. 1日平均の読書時間は30.4分(文系32.7分・理系30.0分・医歯薬系23.1分)有額平均(読んだ人の平均)は61.0分。それぞれ前年から0.4分と0.7分伸びた。また「0分」は48.1%で前年+0.1ポイントと、平均値とともに前年からの大きな変化は見られない。
  2. また「読書だと思う」定義については「趣味や関心のための書籍」が90.8%と14年の前回調査(93.1%)から大幅減となり、「趣味や関心のための書籍」のみを読書だと思う人は全体の42.5%と前回調査の50.8%から大きく減少した。「コミックス」をはじめ「趣味や関心のための書籍」以外の全ての選択肢は増加しており、「読書」の定義は大きく変化している。
  3. 平均時間は男女差が大きいが、「趣味や関心…」のみは男性の38.7%に対して女性は48.4%と、読書の定義に男女差が大きいことも背景としてあると思われる。

(3)勉強時間(図表21)

1日の勉強時間は減少が続く

  1. 授業時間を除く予習復習などの<大学の勉強時間>は1日平均48.2分で、前年-4.1分。文系33.4分(前年-4.8分)、理系57.9分(前年-2.8分)、医歯薬系76.8分(前年-6.4分)。
  2. 就職に関することや関心事など<大学以外の勉強時間>は1日平均24.7分(前年-1.9分)。文系28.6分(前年-2.7分)、理系21.0分(前年-0.6分)、医歯薬系20.5分(前年-1.9分)。
  3. 授業時間を含む1週間の<大学の勉強時間><大学以外の勉強時間>も前年から減少し、全体では1日のトータル学習時間の対前年減は15年から続いており、4年生はこれまで最も高かった14年から30.8分短くなった。


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