2017年5月31日
※データの無断転載はお断りします
全国大学生活協同組合連合会(以下 全国大学生協連)は、2016年秋に第9回全国院生生活実態調査を実施いたしました。
全国院生生活実態調査は、大学院生の生活実態を調査し、院生生活を向上させるために3年に1度実施している調査です。全国規模で大学院生の生活について調べた調査は希少で、「普段どんな生活をしているかわからない」と言われることが多い大学院生の生活の実態を知る上で貴重な調査となっています。
大学院生の経済的生活、日常生活、研究生活、進路、生協事業のとらえ方などを明らかにし、結果を大学生協の諸活動や事業活動、大学院生の研究生活向上にいかす。
Web調査。各生協の組合員名簿などから抽出し、調査回答用のURLを案内し、回答を得た。
2016年10月17日〜11月8日
全国の国公立および私立大学に在籍する修士課程(博士課程前期)・博士課程(博士課程後期)・専門職学位課程の大学院生
3,855
※1ヶ月の生活費はサンプルによるデータのばらつきが少ない修士課程についての報告とした
収入、支出ともに3年前から減少
収入面では、自宅生は「小遣い」が、下宿生は「奨学金」「アルバイト収入」が大きく減少し、
支出面では、自宅生・下宿生ともに「貯金・繰越」が大きく減少した
「奨学金」は敬遠傾向、さらにアルバイト収入も落ち込み、将来に向けての貯金や繰越が困難に
1)自宅生の生活費
① 収入
「合計」76,830円(13年比-10,710円)、「奨学金」24,660円(同-2,410円)、「小遣い」17,880円(同-5,050円)、「アルバイト収入」20,770円 (同-310円)。
② 支出
「合計」74,230円 (13年比-11,520円)、「食費」17,180円 (同-510円)、「趣味・娯楽費」12,560円 (同+940円)、「交通費」8,260円 (同-790円)、「貯金・繰越」12,070円(同-7,770円)。
2)下宿生の生活費
① 収入
「合計」124,260円 (13年比-7,990円)、「仕送り」59,100円 (同+2,840円)、「奨学金」35,180円 (同-8,630円)、「アルバイト収入」17,870円(同-3,070円)。
② 支出
「合計」121,740円 (13年比-9,590円)、「住居費」48,050円 (同-1,910円)、「食費」29,550円 (同+560円)、「貯金・繰越」8,010円 (同-7,880円)、「趣味・娯楽費」12,470円 (同+530円)。
奨学金受給率は3年前から減少。一方で、学部から継続しての貸与型奨学金受給が4人に1人
「返済に不安」が受給者の3分の2を占める
就労機会は増えたものの、時間・賃金は減少
進学後のアルバイトは「学業・研究が忙しく」継続が困難な院生が半数
院生の「暮らし向き楽」は約4割。専攻による感じ方の違いは、学費や研究費の負担の違いか?
大学院への進学決定時期は「大学入学前」の理系と、「大学4年生」の文系
就活時期の変更は大学院生の就活にも影響
コアタイムなし院生の1日の研究時間は10時間と長時間におよぶ
「研究活動」への悩み・ストレスは大きく、研究室での環境が大きく作用する
1日の時間軸は学部生より後ろ倒し。「読書」の概念は広いものの、読書時間「0分」も35.6%