CASE 3

学内にある生協とともに取り組む
「新しい授業」

新潟青陵大学 福祉心理学部
南雲 秀雄教授

南雲 秀雄教授


 

 

聞き手:大学生協東京事業連合 森川佳則
 

──電子教科書を使用しようと思ったきっかけについて教えてください。
南雲:
本学では以前から軽量なコンピュータを学生に配っているのですが、せっかく軽いものですから、ここに電子教科書が入っていれば学生が重たい教科書を持ってくる必要もがないということは一つですね。
これから第四次産業革命に対応する学生を育成していかなければならないということがあります。第四次産業革命が終わった段階では、紙の書籍をめくっているイメージはあまりないわけですよね。そうしますと電子教科書を使っていかなければいけないんだろうというふうに思っています。


──先生がこだわっていらしたのは、採用の際にもいただいた電子教科書が卒業後も使えるということですよね。
南雲:
他社さんでは卒業した後は電子教科書が使え無くなってしまうというところがありましたので、大学生協のビューアでは卒業後もずっと使えるというのは非常に重要ですよね。


──実際にビューワーを授業で使っていただいた率直な感想を教えてください。
南雲:
最初はちょっと動きが悪くて、マーカーを引くのもちょっと厳しかったという印象でしたが、途中でアップデートがありましたよね。その後はかなりよくなったかなという感じがします。


──アップデートの後は、スムーズに授業には進んでいますか?
南雲:
アップデートのあとは大分使い勝手が良くなって、学生も使い勝手がいいと言ってたかと思います。


──実際の授業の進め方を教えてください。
南雲:
本学ではMoodleというLMSを使っていますので、それと組み合わせて使っています。
授業の最初にMoodleで前回の復習や予習内容を確認する質問をしておいて、そのあとで電子教科書を使って授業を進めます、電子教科書の具体的な活用方法としては、例えば、まず学生に自分が重要だと思う箇所にマーカーを引かせ、その上で私が引いたマーカーを共有しどこが重要なのかということが分かるような仕組みを作っています。


──ご苦労をかけた点で私が思っているのは、2つのクラスのために端末2つを使われていたというふうに記憶をしているのですが。
南雲:
受け持ちのクラスが2つありましたのでクラス毎に別々の端末を用意する必要がありました。こっちの授業の時はこっちのコンピュータ、こっちの授業の時はこっちのコンピュータと言う形で持っていきましたね。


──ラインマーカーを引かせるのにクラスごとにコンピュータを分けて使っていたということですよね。
南雲:
そうですね。そこはちょっと苦労しましたね。


──LMSと電子教科書を2つ並べて表示させたりだとか電子教科書を読みながらLMSに解答させたりとか、そのあたり何かご苦労などはありましたか?
南雲:
別々の仕組みを使いますので、画面の表示は苦労します。出来れば電子教科書の方だけで何か色々なことが出来ればアクティブな授業がもっと出来るのではないかという気はするんですけどもね。学生さんもいろいろ工夫をされていて、スマートホンとパソコンだったり二画面で表示されていたり、といろいろ工夫されていましたよね。
ただ本当はスマートホンはあまり使ってほしくはなかったんですよね。うちのMoodleにスマートホンで入ってしまうとちょっと遅くなってしまうというのがありましたので、
電子教科書だけをこちらで見るのは私もちょっとよく分からないんですけども。


──実際の学生さんの反応はどうでしたか。
南雲:
前に比べるとずっと良くて前は紙の方が良いというようなことを言う学生がいたんですけども、今年生協さんのものを使った分はそんな不平不満はあまりなく、普通に使っていたような気がします。
特にこちらの方がいいとかそういうこともなかったんですけども自然に使っていたのではないかというふうに思います。


 ・本年度より生協のビューワーに切り替えていただきましたが、実際にご使用いただき評価いただけたということでしょうか?
南雲:
そのとおりだと思います。


──今回色々やっていく中で、生協のお店の関わりはいかがでしたでしょうか。
南雲:
そこが本当は一番大変なところで、一番最初に学生が電子教科書に登録をして支払いを行うところですね。これが電子教科書の最初のネックだったと思うんですが、そこがすごく難しかったんですが、生協さんの場合にはいつも学生が行っている生協に行ってそこで手続きを行うということで、授業の中でお金を集めるとか大変なことはしなくてよくなりましたので、そこのところは非常によかったかなというふうに思っています。


──学内でものを扱うプロフェッショナルの生協と一緒にやることで、先生は負担が減ったということでしょうか。
南雲:
そのとおりだと思います。


 ・今後に向けての抱負を教えてください。
南雲:
今後は電子教科書をより他の先生方に広めていき、せっかくある端末と組み合わせてあまり紙の教科書を使わなくてもいいような、そういうことにしていければなと思っています。  

 
南雲 秀雄(なぐも ひでお)
新潟青陵大学 福祉心理学部 臨床心理学科 
テキサスA&M大学工学部電気工学科博士課程修了 
1982年 1月 青年海外協力隊員としてケニア国の中学校で理数科を教える(〜1984.4) 
2004年 4月 新潟青陵大学教授 
2005年 4月 国際コミュニケーションセンター長