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第3話 学生を狙う寄附トラブル 知っておきたい 不当寄附勧誘防止法

学生を狙う寄附トラブル
知っておきたい 不当寄附勧誘防止法
大学生を狙った寄附勧誘や霊感商法のトラブルが問題になっています。ここでは、天才犬コテツの解説で「不当寄附勧誘防止法」と学生が気をつけたいポイントを紹介します。
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- 主人公:ハル

- ハルの先輩:ナオ
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- 天才犬:コテツ
0.はじめに 大学生が狙われやすい理由

コテツ- 新入生や一人暮らしを始めた学生は、人間関係や将来の不安につけ込まれて偽装サークルなどの怪しい団体から勧誘を受けることがあります。そのような困ったことがあったときに頼りになる法律の一つが「不当寄附勧誘防止法」です。
1.不当寄附勧誘防止法とは?

コテツ- これは、寄附を集める団体が人の不安や人間関係を利用して寄附を強く求めることを防ぐための法律です。2022年に成立しました。寄附の勧誘そのものは禁止ではありませんが、不当な方法で寄附を求めることは禁止されています。

ハル- 寄附の勧誘自体がダメなわけじゃないんだね。

ナオ- 問題なのは“やり方”ってことか。
2.法律で禁止されている7つの勧誘行為

コテツ- この法律では、次のような7つの勧誘行為が禁止されています。
①お願いしても退去せずに勧誘

コテツ- 帰ってほしいと言っているのに、その場に居続けて寄附を求める行為です。

ハル- 断っているのに帰らないのは怖いよね。
②寄附を断り退去するのを妨害

コテツ- 寄附を断った人がその場を離れようとしたのに、帰らせないようにする行為のことです。

ナオ- 心理的にもかなり追い詰められそう。
③勧誘とは告げず、退去困難な場所へ同行し、勧誘

コテツ- 勧誘だと知らせないまま、帰りにくい場所へ連れて行き、そこで寄附を求める行為のことです。
例えば、
「ちょっとドライブに行こう」などと言われ、人里離れた施設などに連れて行かれ、そこで寄附の話をされるような場合です。

ハル- 最初は普通の旅行みたいに誘われることもありそう…。
④威迫する言動を交えて外部への相談や連絡を妨害

コテツ- 怖い言葉や態度を使って、家族や友人、外部機関に相談したり連絡したりすることを妨げる行為です。
例えば、
「もう大人なんだから親に頼らず一人で決めろよ」「警察や消費生活センターに言ったらどうなるか分かってるだろうな」などと言って、誰にも相談できないようにするケースです。

ナオ- 相談させないようにするのは、かなり危ない勧誘だね。
⑤寄附しないと恋愛感情などの関係が壊れると告げる

コテツ- 恋愛関係や人間関係を利用して寄附を迫る行為です。

ハル- それって完全に人の気持ちを利用しているよね。
⑥霊感などを使って不安をあおり、寄附が必要と告げる

コテツ- 「寄附しないと悪霊により家族全員不幸になる」などと言って不安をあおり、寄附を求める行為です。

ナオ- 典型的な霊感の悪用だね。
⑦借入れなどによる資金調達を要求

コテツ- 借金をしてでも寄附をするように求める行為です。

ハル- 寄附なのに借金っておかしいよね。

コテツ- これらの行為があった場合、寄附の取消しや損害賠償を求めることができる場合があります。
3.法律の対象にならない場合でも救済されることがある

コテツ- 注意したいのは、この法律に当てはまらないケースでも救済される可能性があることです。
例えば、- 教祖の本
- 壺やお守り
- 開運グッズ
こうした場合は、- 消費者契約法
- 民法
- 特定商取引法

ナオ- つまり、“寄附じゃなくて商品購入”でも助けてもらえる場合があるってこと?

コテツ- その通りです。「もう寄附しちゃった、買っちゃったから仕方ない」と思い込まず、消費生活センターなどに相談することが大切です。困ったときは、消費者ホットライン「188(いやや)」に電話しましょう。

ハル- 困ったときは一人で抱え込まないことが大事なんだね。

コテツ- はい。少しでも不安を感じたら、周りの人や相談窓口に相談してください。
4.困ったときは一人で抱え込まない

コテツ- もし寄附の勧誘などで困ったときは、一人で抱え込まず、家族や大学、消費生活センターなどに相談することが大切です。

ハル- でも、友だちが困っていたら、自分でなんとか助けたくなる気もする…。

コテツ- その気持ちはとても大切です。しかし、自分だけで解決しようとして相手の団体に直接関わるのは危険な場合もあります。

ナオ- どうして?

コテツ- 過去には、友人がカルト団体に関わり始めたことを心配して、学生が自分で説得しようとして団体に接触し、結果的にその学生自身も取り込まれてしまったという例があると言われています。

ハル- 助けようとして、自分まで巻き込まれてしまうこともあるんだ…。

コテツ- はい。友人を助けたいと思ったときも、大学の相談窓口や専門機関など、専門家に相談することが大切です。
一人で抱え込まず、周囲の力を借りて対応しましょう。
5.学生が気をつけたいポイント

コテツ- 最後に、学生の皆さんにぜひ覚えておいてほしいポイントをまとめます。
- 知らない人からの勧誘には注意
知らない人が親切そうに近づいてきても、安易に話を聞かないことが大切です。「無料のイベント」「人生相談」「就活相談」などをきっかけに勧誘される場合もあります。
しつこく勧誘される場合は、はっきり断る勇気も必要です。
また、最近はSNSを使った勧誘もあります。
誰がどのような目的で投稿しているのか分からない場合は、うかつに返信しないようにしましょう。

ハル- SNSだと気軽に返事しちゃいそうだから気をつけないと…。
- 団体の情報を確認する
知らない団体や個人から勧誘を受けた場合は、
その団体がどのような活動をしているのかをインターネットなどで確認しましょう。
ただし、団体自身が作ったホームページだけで判断せず、
複数の検索結果や第三者の情報も確認することが大切です。

ナオ- 公式サイトだけだと、いいことしか書いてない場合もあるよね。
- 個人情報は簡単に教えない
住所、氏名、連絡先、大学名、家族のことなどの個人情報は安易に伝えないようにしましょう。
また、- 別の場所へ連れて行かれる
- 他の人を紹介するように頼まれる
- 困ったときは相談する
もし、執拗に連絡が来たり、家や大学の近くまで来たりするような場合は、
大学の学生生活窓口などに相談しましょう。
また、- 消費生活センター(消費者ホットライン)
電話番号:188(いやや) - 法テラス(日本司法支援センター)
ウェブサイト:法テラス トップページ
さらに、不当な寄附勧誘と考えられる行為について、
消費者庁に通報することができる窓口法人等による寄附の不当な勧誘と考えられる行為に関する情報提供 | 消費者庁もあります。 - 消費生活センター(消費者ホットライン)

コテツ- 一人で悩まず、早めに相談することが大切です。

ハル- 相談できる場所があるって知っておくだけでも安心だね。

コテツ- 少しでも「おかしいな」「不安だな」と感じたら、その感覚を大切にしてください。早めに相談することが、自分を守ることにつながります。
参考リンク
(消費者庁)【動画】この寄附勧誘、ヤバくない? | 消費者庁
(見開き版)不当寄附勧誘防止法パンフレット「あなたやご家族が寄附の強引な勧誘に困っていませんか?」
(政府広報オンライン)
不当な寄附勧誘行為は禁止! 霊感商法等の悪質な勧誘による寄附や契約は取り消せます | 政府広報オンライン
(全国大学生協連)
日本脱カルト協会 代表理事 西田 公昭 氏 インタビュー|今を⽣きる君たちへ|学生の成長|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)