大学生協でつながる

2024年11月25日(月) | 《特別TOPICS》 

夏合宿で引き継ぐ“想い”、組織づくりの基本は“対話”
愛知教育大学生協学生委員会

 
愛知教育大学生協学生委員会は、現在85名で積極的に活動しています。多彩な企画を大人数で一からつくり上げて成功に導くコツは“対話”。組合員に寄り添い、仲間同士熱く語り合って企画を進める彼らの意識の根底には、夏合宿で引き継いだ先輩からの“想い”がありました。今年度の方針は『thInkinG!』、考え続けることを信条に活動する正副学生委員長3人のお話をお聞きしました。
 
【参加者】
愛知教育大学生協学生委員会

岡田 健吾さん(2年 学生委員長)BO∬“ぼす”
柴田 紗英さん(2年 副学生委員長)∫→“まりあべくとる”
田畑 優菜さん(2年 副学生委員長)“フルール”

【聞き手】
全国大学生協連 学生委員会

加藤 有希(学生委員長/司会進行)
髙須 啓太(学生委員)
小沼 桜輔(立命館アジア太平洋大学/九州ブロック学生事務局委員長)
 
 

CONTENTS

 




*画像は愛知教育大学生協
学生委員会のHPやX、
全国大学生協連のHPより引用。

1. 自己紹介と生協学生委員会に入ったきっかけ
2. 1年を通じて行われる多彩な企画 3. 夏合宿で新執行代のスタートを切る 4. 今後取り組みたいこと 5. 全国の仲間へのメッセージ
 (以下、敬称を省略させていただきます)
 

1. 自己紹介と生協学生委員会に入ったきっかけ

加藤有希
全国大学生協連 学生委員長
加藤 有希

加藤:全国大学生協連 学生委員会で委員長を務めております加藤有希と申します。福山市立大学生協、中国・四国ブロック学生事務局で学生委員長を務めておりました。本日はよろしくお願いします。
 

髙須啓太
全国大学生協連 学生委員
髙須 啓太

髙須:同じく全国大学生協連 学生委員会の髙須啓太です。岐阜大学生協で学生委員長として活動していました。昨年度は東海ブロック学生事務局として愛知教育大学生協を担当しましたが、自分が関わらせていただいた生協にこのような形でインタビューできて大変嬉しく思っております。
 

小沼桜輔
立命館アジア太平洋大学/
九州ブロック学生事務局
委員長 小沼 桜輔

小沼:同じく全国大学生協連 学生委員会の小沼桜輔です。立命館生協(APU-COOP)学生委員会で活動していました。現在は九州ブロック学生事務局に所属しています。
 
加藤:全国学生委員会では各地の正副学生委員長をはじめとする学生委員会の皆さんにインタビューし、その頑張りを全国に向けて発信しています。今回のテーマは「引き継ぎ」です。愛知教育大学(以下、愛教大)生協学生委員会では、夏合宿で先輩から後輩に “想い”はもとより企画の作り方など手法的なものまで伝え、新しい代は目標・課題意識を話し合って組織づくりをしている様子を拝見しております。皆さんには、日頃より活動を通して思っていることを率直にお話しいただければと思います。
それではお名前と学部学年、学生委員会(GI)に入ったきっかけを教えてください。
 

岡田 健吾さん
2年 学生委員長
岡田 健吾さん

岡田:教育学部 学校教員養成課程 義務教育専攻 教科指導系 算数・数学専修2年の岡田健吾です。長い専攻名ですが、要するに小中の数学算数教師を育てる学科です。高校時代に愛教大のオープンキャンパスでお世話になったGIが中学校の先輩で、僕も興味を持ったので入部しました。GI ネームは“ぼす”といいます。よろしくお願いします。
 

柴田 紗英さん
2年 副学生委員長
柴田 紗英さん

柴田:同じく教育学部 学校教員養成課程 義務教育専攻 教科指導系 算数・数学専修2年の柴田紗英です。1年の時に新歓企画に参加し、先輩たちが楽しそうに活動しているのを見て、自分も楽しく活動したいなと思ってGI に入りました。GI ネームは“まりあべくとる(まりべく)”です。
 

田畑 優菜さん
2年 副学生委員長
田畑 優菜さん

田畑:教育学部 学校教員養成課程 義務教育専攻 学校教育科学専修2年の田畑優菜です。GIネームは“フルール”といいます。GI に入ったきっかけは、高校3年の時オープンキャンパスに参加し、キャンパスツアーで出会った GI の先輩に憧れたことです。
 
 

2. 1年を通じて行われる多彩な企画

現在進行中の企画



加藤:皆さんが今、学生委員会の中で頑張っていることをお聞きしたいと思います。今進行中の取り組みを教えてください。

岡田:大きく分けると2つになります。1つは生協のお祭り「生協フェスタin Winter」が12月最初の週に開催されるので、そこに向けて各班で企画を練り上げているところです。もう1つが新歓企画の準備で、愛教博覧会(愛博)とSTART☆DASH(スタートダッシュ)とCampus Life Session(CLS)の3つがあります。さらにPCセットアップ講座などもあり、担当者が頑張っています。ほかにはMeet&Greet(ミートアンドグリート/みとぐり)がありますが、これは担当者のフルールから説明します。
生協フェスタは年2回実施しており、「生協フェスタ in Summer」と「生協フェスタ in Winter」があります。

田畑:「みとぐり」は、教員採用試験や公務員試験に合格された4年の先輩のお話を1~3年生が聞き、お祝いする会です。GI企画の中で唯一1~4年生の交流会となり、今12月の頭に行われるこの企画に向けて準備しているところです。

加藤:盛り沢山な企画ですね。そのような企画に、皆さん方正副二役はどういう関わり方をしているのですか。

岡田:うちは各企画に担当者を置いています。生協フェスタ企画、新歓企画、みとぐりも、それぞれの担当者が主にまとめています。1年限りではなく、一度担当すると執行代を終えるまでずっと同じ企画を担当するのですね。今の二役は何かしら担当を持っていて、例えば僕は「生協フェスタ in Summer」の担当者ですし、まりべくは CLS 、フルールは「みとぐり」やCLS を担当しています。
 
 
 

やりがいを感じる瞬間



加藤:活動している中で、一番楽しいと思う瞬間、学生委員会ならではのやりがいを感じることは何でしょうか。

柴田:人数が多いので、準備期間にそれぞれの意見をまとめたり聞き出したりするのは結構大変なこともありますが、当日組合員が楽しそうに参加しているのを見ると準備して良かったなと思い、やりがいを感じます。

岡田:僕は生協フェスタを担当していますが、生協フェスタはみんなが主役。それこそ12 班くらいに分かれてそれぞれで企画を作ります。今年の「生協フェスタ in Summer」は2週間開催しました。生協施設の中で組合員に楽しんでもらって生協の周知に努めるのが目的ですが、大きな企画をいくつもやるのでそれぞれの班で必要な物品は都度変わってくるし、それを全部まとめて大学との交渉や職員さん方との連携を密に取らないといけないので、担当者としては大変でした。当日、「大勢の参加がありました」「参加者が楽しんでくれました」と聞くと、ああ報われたなと感じます。

加藤:大きな取り組みがたくさんありますが、その中でも特に「愛教といえばこれ!」と自慢できるのは何ですか。

岡田:4月に行う愛博は、入学式前に同学科の子と仲良くなれる企画です。3月下旬のSTART☆DASHは別学科の子と仲良くなれる企画ですが、愛博は特に同学科同士の仲を深めるのを意識していて、新入生が愛教大生の一日や1年の流れ、大学の周辺施設などについて知ることができる機会となります。アイスブレイクをしたり学食体験をしたりと盛りだくさんの内容で、何より参加者数が10割近いので、その日にLINEグループができたりするくらい。もう学校行事と言えるほどで、 GI の企画としては非常に大きい規模となります。

加藤:ほぼ全員参加しているのは素晴らしいですね。やはり新入生のつながりづくりはすごく大事だと感じました。半面、大きな取り組みがたくさんある中で、それを次世代に引き継いでいくのは非常に大変だと思います。僕自身も委員長として引き継ぎの一番の責任者になったので、そのしんどさや難しさは共感できます。
 

  • (2023年度)
 
 

3. 夏合宿で新執行代のスタートを切る

SEQの活用



小沼:愛教大は夏合宿で特徴的な引き継ぎをしていますが、詳しく教えてください。

岡田:夏合宿は夏休み期間中の3日間に行います。1日目は地域のコミュニティセンターで、2、3日目は旅館に泊まるという流れです。具体的にはSEQも活用して、自分が今どの立ち位置にいるのか、2、3年生は以前受けた SEQ と比べて自分がどう変わったのか、と自分を見つめ直します。
GI の活動に直接関わることでは、企画の作り方があります。現状を見つめて目標を立て、企画のスケジューリングをして企画作りの流れをおさらいするという感じです。
あとはレクリエーション的な催しで、バンドや踊りをしたり、みんなでじゃんけんしたり。最後に引退する3年生が伝えることを全部伝え切って、一人ずつ引退のスピーチ「隠居宣言」をするという別れの儀式でもあります。
SEQ(Student Emotional Intelligence Quotient)は、EQ理論提唱者の監修を受けて開発された日本で唯一の大学生向けEQ行動特性検査です。

髙須: SEQ を活用する中で、気付いたことがあったら教えてください。

岡田: SEQは強み発見という言葉通り、自分がどの位置に適しているのかが分かるものだと思っています。例えば「人の話を聞けるのが自分のいいところだ」と気付けたり、「ゼロから一にアイデア出しできるアイデアパーソンだ」と発見したり。自分が何に適しているかが分かるツールなので、この強みをもっと生かしていきたいという再発見の機会にもなります。先輩方も夏合宿の冊子を使ってデータ化し可視化してくれたので、 GIにとってもそういう場は大切だったのではないかと思います。

髙須: SEQの受診結果を行動スタイル分析して冊子で共有し、「誰々は〇〇型だよね」と確認したのですね。自分がどういうタイプなのか分かったら組織の中での役割を自覚し、夏合宿を通して目標宣言されたと思います。リーダーの皆さん自身が組織をこうしていこうと宣言されたことがあったらお聞かせください。

田畑:私は聞く側に回る力が1年生の時に比べたら随分上がりました。やはり二役になったからには人の意見を聞くのは大事です。誰にも言えない悩みを持っている子ももちろんいるし、それを出せない子もいます。そういう子に日常でも積極的に話しかけて話を聞いてみることで、SEQ の結果を受けて行動を変えていくことができたと思います。

柴田:私個人の話ではありませんが、夏合宿の SEQ の結果を見たグループが似た者同士がたまたま集まっていて、「先頭に立って引っ張ってくというわけでもないし、周りを見るタイプでもない」という結果が出て、「周りを見ながら自分がどういう立ち位置になれば全体がうまくいくかを考えて、その時々に応じて自分の立場を変えられる人たちだね」というところをみんなで意識していこうと話し合っていました。

岡田:僕は感情的温かさ、人間的に話しやすいところが高かったので、それこそ委員長が自分の意見だけで突っ走ると組織として成り立たなくなるので、積極的に人の意見を聞けるという特長を生かしていこう、そういう委員長になろうと、その時改めて思った次第です。

髙須:自分だけではなく周りの人の行動特性も考えた上で、自分はどうしていきたいのかを考え、その共通認識を培う機会が夏合宿であるということで、新しい執行代のいいスタートが切れているのを感じました。
 
 

先輩から後輩へ託す“想い”



小沼:皆さんは今年2年生で引き継がれる側でしたが、夏合宿で特に印象的なことがあればお聞きしたいです。

岡田:前の代は二役が5人いましたが、僕は委員長という立場で、その中でも特にお二方の言葉を重く受け止めました。「何をしても委員長がしたことと捉えられるので、日常生活でもGI の活動の中でもそこは意識していくんだよ」「委員長が一番GIのこと知らないといけないよ」です。
また、担当者がいろいろな企画を回していく際に、やはりついていけないメンバーが出てきます。「そういう子のフォローをちゃんとできる二役、委員長でなきゃダメだよ」と何度も言われたので、肝に銘じて頑張っています。

柴田:夏合宿の2日目に、先輩がテーマごとにパワポを使って意識していたことを話してくれる時間があるのですが、私がその中で特に印象に残った言葉は、「上に立つ人は信頼がないと、何を言ってもついてきてくれないよ」。2年生になってからも結構意識して頑張ろうと思っています。

田畑:私は2人のように直接声をかけられたことはあまりありません。でも最後に、とにかくたくさんいいところを褒めてもらいました。「人の話をよく聞くことができるね」、「誰よりも裏で頑張ってるね」との言葉は、特に近くにいた先輩や同じ担当者だった先輩からいただきました。
中でもずっと言われてきたのは、「無理しすぎちゃダメだよ」ということです。上に立つからこそ他の人たちよりも GI のことをたくさん考えて行動していかなければならない。だけど無理してやる必要はないし、「自分たちが楽しくないとGIも楽しい雰囲気でできないよ」と言われたのもとても印象的でした。

小沼:先輩たちの想いを受け継げる場として、すごく素敵な合宿だったことが伝わってきました。その後、自分自身でもほかのメンバーでも構いませんが、ここが変わったという部分があったら教えてください。

柴田:直接的に変わったかどうかは分かりませんが、その引退スピーチの時に多くの先輩から「考え続けることってすごく大事だよ」というワードをもらい、実際にそれは今の GI のフォースにもつながっていることの一つかなとは思います。

小沼:九州ブロックの方針でも考え続けることはすごく大事にしているので、とても共感できますね。
 
 
 

活動方針は『thInkinG!』



髙須:夏合宿で代替わりして新しい執行代となることに向けて、二役の皆さん中心に自分たちの代の方針をたくさん議論されてこられたと思います。その過程で、こういう課題意識があったから変えていきたいと思うことはありましたか。

田畑:上の立場の者がこういうGIにしたいと考えるのはもちろんですが、 愛教大 GI は、みんなで考えようということを常に大切にしています。GI 全体を巻き込んで考えて、そこで決まった方針が「シンキング(『thInkinG!』)」です。考え続けることをみんなも大事にしているからこそ、この方針が生まれました。
愛教大GIの今年度の方針は『thInkinG!』。GIのG と I がより目立つように。そして大きい団体だからこそ、離れているGとIがより多くの人と幅広くかかわって活動していこうという意味合いが込められています。

岡田:僕たちの代から愛媛大生協学生委員会のフォームを参考にした「GI意見フォーム」を作りました。例えば、人数が多い分やることも多くて、部会の時間が延びると早く帰りたい子もいる中で、連絡の時間が結構長くなってしまいます。だから、これは GI で話すべきこと、これは GI として時間を割いてまで伝える必要がないことというように、仕分けをしたら効率的に部会が進むというように、部会運営上での提案やGIの雰囲気に対する意見を集める常設フォームを設置したのです。課題発見のツールとして適していると思います。

髙須:愛媛大学生協も愛教大生協と同じく、学生委員会の人数も規模も大きくて、運営において似たような課題があるからこそ、お互いに相談し合える関係はすごく大事ですね。どういうきっかけで愛媛大生協の学生委員会につながったのですか。

岡田:zoomで行われた全国学生委員長セミナーで、愛媛大の方が意見フォームの紹介をされていました。人数が多い分、誰に頼ることもできない悩みは結構あると思います。学年単位でも言えないことがあるし、一人で意見を言うと外れ者の扱いを受けてしまうかもと考える中で、でもそれを伝えないとその状態を変えられない。それは二役が直接聞くだけではフォローできない問題でもある、と考えた時に、意見フォームを作ったらいいのではないかと思い、愛媛大学生協の方に相談して作ってみました。

髙須:組織としてみんなが本当に考えていること、言い出しにくいことを拾い上げていくという姿勢で委員会活動をされているのは、とても素晴らしいと思います。

小沼:引き継ぎというと、一般的には先輩から後輩に教える場だと考えていたのですが、愛教大の皆さんは、こういうふうにしようと対話することを重視しています。そうすることで良かったと思うことを教えてください。

岡田:人数が多いとなかなか関われないメンバーも出てきますが、愛教大の夏合宿はそういう人と同じ班になって「この子こういうこと思っていたんだな」と気付ける場でもあります。先輩と僕のマンツーマンで引き継ぎをするよりも、いろいろな人と一緒に「こういう考え方もあるよね」「こういうGIだよね」と話し合いができるので、大規模なGIだからこそ、みんなでやるメリットは大きいのかなと思います。

小沼:大規模だからこそ、多くのメンバーと関わるのが難しいというデメリットではなく、関われるというメリットとして捉えているのはすごく素敵ですね。
 
 

4. 今後取り組みたいこと

組合員の現状を意識した企画を



髙須:新学期に向けて組合員を巻き込んでこんな活動してみたいというところで、今後の学生委員会活動で取り組みたいことを改めてお聞きします。

岡田:学生委員会ってそもそも組合員の現状を基に企画を立てないといけないと思います。ただ、現状それが強く意識できているかと言ったら、そうではない側面も見え始めてきていて。そうするとやはりGIよがりな自己満足な企画作りになっていきます。

では、その組合員の現状を見つめるということをより意識するにはどうすればいいか、と探っていたときに専務理事が「生協の公式LINEを活用したらどう?」と言われました。LINEは学生委員会活動だけでなく、生協運営にもさまざまに活用できます。例えば食堂でケーキを提供するときに「どのケーキがいいですか?」というアンケートをLINEで取ったり、学生委員会の防災企画では「どれだけ備蓄していますか?」と、企画を立てる上で知っておきたい組合員の現状を聞いたりできる仕組みです。

これはもし実現できなくても、少なくともその企画をする上で大前提としてみんなに持っていてほしい意識でもあるので、何らかの形で意識を高めたいなと思っています。大きな団体だからこそ活動の幅が広がると思うので、より組合員に寄り添って求められているものを考え、「 GI があって良かったね」と言われるような企画ができるように試行錯誤していかなければと思っています。

髙須:大きな学生委員会だからこそいろいろな声が集まると思いますが、改めてみんなで組合員の現状や声としっかり向き合って活動しているのを感じました。
 
 

自己満足の企画で終わらせないために



髙須:先ほど企画作りがGIの自己満足になってしまうかもしれないと感じられるというお話がありました。そういうふうに感じられたきっかけがあったらお聞きしたいと思います。

岡田:生協フェスタ担当者としてお話しします。生協フェスタって生協施設の中で、いろいろな人にも声をかけてケーキ投票とか肌年齢とかさまざまな企画をするのですが、参加率が一番目に見えて分かるのが、そこのシフトに入っているメンバーです。その子たちが「あれ? 参加者が全然来てくれない」「めちゃめちゃ頑張って作った企画なのに、思ったより興味を持ってもらえない」と、街中のポケットティッシュ配りみたいな気持ちにさせてしまうのはなぜか。僕は1年生の時から担当者で、去年の生協フェスタの時にもそれを感じていたし、今年は参加人数が増えたとはいえ、そういった側面もあって今年の1年生にもちょっと苦しい思いをさせてしまっているという意見も聞いています。

お菓子を配ったりして参加人数を集めるのもいいけれど、それは結局需要に見合っていない活動だったんじゃないか、といろいろなことを考えました。組合員が求めているものをやれば、自ずと参加者数は伸びてくるはずです。じゃあより参加人数が増えて、かつ僕らが達成感を感じられる企画ってどうやって作ったらいいんだろう、と考えたら、その参加対象の組合員の声を聞けばいいんじゃないかというところに至ったわけです。

髙須:その気付きが組合員の生活がより良くなることにつながったという点で、今後の企画にも取り入れて頑張ってほしいと思います。

加藤:お話から、学生委員の中でも誰一人取り残さない取り組みができていて、それを組合員にまで広げていこうとしている皆さんの気持ちがすごく伝わってきて、ああ、いい学生委員会だな、やっぱり学生委員会っていいなと思うことができました。

 
   

5. 全国の仲間へのメッセージ

加藤:今日、九州ブロックの小沼君をこのインタビューに呼んだのは、現在学生事務局で九州ブロックの次の代のことも考えながら引き継ぎを頑張っていると感じたからです。北海道から沖縄まで全国に大学生協がある中で、一つ一つの学生委員会が引き継ぎやそれ以外でもいろいろな課題を持っています。そんな全国の仲間にメッセージをお願いします。

柴田:CLSの担当者として、全体を見ながらたくさんの課題を考えるのは結構大変できつかったりすることが多いのですけれど、今頑張ったらきっと自分のためにも組合員のためにもなる活動ができると思って私も頑張っています。一緒に頑張りましょう。

田畑:私は活動を取り仕切っている役に就いています。みんなが関わって企画を作ったり掲示板を作ったりする、みんなの意見でできている活動なので、とにかくその意見が無駄にならないように気を配っています。前回の部会ではその実態調査として本音をぶちまけてもらったり、普段の活動の中でも困っているところにアドバイスしたりという感じでサポート側に回っています。

組合員が求めている活動とGIがしたい活動に差が生まれてしまうこともあると思います。そういう中で自分たちがやりたいと思った活動をどうしたら実現させてあげられるかということを考えながら活動しています。難しい部分もたくさんありますが、やはり私はGI の仲間に支えられて活動できているので、 GI のみんなを大切にしよう、こうやって集まって活動できていることが当たり前じゃないんだぞという思いで臨んでいます。一緒に頑張っていければ嬉しいです。

岡田:僕はセミナーにたくさん参加していています。その中で気付けたのは、同じ困難に取り組んでいるのは愛教大 GI だけじゃなく、必ず東海にも全国にもいるということです。そこで困ったことはなんでも仲間に相談しようという意識が、セミナーを通して生まれました。
だから全国の仲間には、困ったことがあったら、それはきっと全国のどこかの大学のどこかの学生委員が同じように悩んでいることだし、セミナーで得られた他大学とのつながり、GI ではよく「連帯」という言葉を使いますが、その連帯はもっと進めていくべきだと思っています。

東海では各大学生協の学生委員長のグループがあり、そこで自生協で困っていることや聞きたいことを話したり、催し事の宣伝などをしたりして密に連帯をとっているので、委員長だけではなくもっと連帯を広げていけたらいいのにと思います。特に委員長や二役に向けては、「二役」というだけで周りからの見方が変わってしまいます。苦しい思いをすることもあるかと思いますが、そうした時に一人よがり、二役よがりにならないで、もっとみんなと話をしようよと言いたいです。話をする中で気付けることもあるだろうし、僕ら二役が思っていることをみんなに伝える機会にもなると思うので、対話をやめずにみんな一緒に頑張っていきましょう。

加藤:本日は長い間お話をお聞かせいただいてありがとうございました。来年の夏合宿は皆さんが後輩に伝えていく番となりますので、より一層旺盛な活動をされることを期待しております。頑張ってくださいね。
 
2024年11月11日 リモートインタビューにて

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