専務も全ての把握が難しい200人を超える学生委員会のメンバー。大規模ながらスムーズに代替わりを行い、委員会活動を支えるのは、詳細な過去の活動記録と先輩たちが作成する引き継ぎ書にあるようです。
今回のインタビューでは、茨城大生協 学生委員会の新旧委員長お二人から、活動だけではなく生協の学生委員として想いをつなぐ引き継ぎをテーマにお話を伺いました。
【参加者】
茨城大学生活協同組合 学生委員会
堀越 遥斗さん(教育学部国語選修2年 学生委員長)
本間 都亜さん(人文社会科学部法律経済学科3年 前学生委員長)
専務理事 逸見 恵介
【聞き手】
全国大学生協連 学生委員会
加藤 有希(24年度学生委員長/司会進行)
久野 耕大(24年度学生委員)
吉村 珠李(24年度学生委員)
CONTENTS
(以下、敬称を省略させていただきます)
※記事内の掲載画像は、茨城大学生協学生委員会のInstagramから引用しました。
1. はじめに
自己紹介とインタビューの趣旨

全国大学生協連
24年度学生委員長
加藤 有希
加藤:全国大学生協連の学生委員会で、2024年の学生委員長を務めていました、加藤有希です。
2023年に卒業した広島県にある福山市立大学生協では、学生委員長をしていました。

全国大学生協連
24年度学生委員
久野 耕大
久野:同じく24年度全国大学生協連の学生委員会で活動していました、久野耕大と申します。
埼玉大学生協で学生委員長を務めていました。

全国大学生協連
24年度学生委員
吉村 珠李
吉村:全国大学生協連で同じく 2024年度に学生委員をしていました、吉村珠李と申します。
宮崎大学生協で学生委員として活動していました。
加藤:最初にこのインタビューの概要ですが、全国の学生委員長や副学生委員長、学生委員の皆さんに、いま頑張っていることや学生委員会活動のやりがいを聞いて、それを全国の学生委員に見てもらうことで、全国の学生委員会がより元気になることを願って実施してきました。
2024年度からは、より学生委員会のみんなに元気になってもらいたいと思っていて、今日は新旧の委員長の2人ですが、学生委員会全体にもインタビューを行って、多くの学生委員会に共感を届けたいと思っています。
茨城大学生協の学生委員長の2人に今回お願いした理由は、茨城大学生協の学生委員会は、代替わりの際に先輩から後輩に着実に想いが引き継がれているとお聞きしていることと、コロナ禍でも活動を継続し、いろいろな教訓的な取り組みが連帯の中で紹介されていて、Xでもすごく活気のある様子が感じられたからで、今回はぜひ「引き継ぎ」をテーマにして、話をお聞きしたいと思っています。
インタビューに入る前に、まずは2人の自己紹介をお願いします。

茨城大学生活協同組合
学生委員会 学生委員長
堀越 遥斗さん
堀越:茨城大学生協で現学生委員長を務めています、教育学部国語選修2年の堀越と申します。

茨城大学生活協同組合
学生委員会 前学生委員長
本間 都亜さん
本間:同じく茨城大学の人文社会科学部法律経済学科3年生で、旧学生委員長をしていました本間と申します。
2. 学生委員会活動について
活動のやりがい
加藤:では、最初は学生委員会活動で頑張っていることなどをお聞きしたいので、活動する上で一番のやりがいや楽しいことは何か教えてください。
堀越:委員会の活動では、やはり企画などで目標より多くの組合員さんが参加してくれることや、参加している組合員さんが楽しそうな顔をしてくれること、アンケートで「楽しかった」「こういう企画をやってもらえてありがたい」みたいな声を聞いた時に、企画を考えて良かったなと思うので、そういう組合員さんたちの反応を見ることが自分のやりがいになっています。
加藤:ちゃんと参加者数の目標を立てている感じですか。
堀越:企画毎に一日あたりの参加者から大体の全体の人数を考え、目標の人数がそれぞれ設定してあります。企画ごとに日別の集計をしていて、予想した人数よりも参加者が多い企画も結構ありました。
自慢の取り組み
加藤:最近の取り組みでは、どういうものがありましたか。
堀越:最近は「スイーツパラダイス」という、生協の食堂の中でケーキやモンブランなどのスイーツをテーブルごとにたくさん並べて、自分の好きなものを自由に取って食べる、食べ放題ができる企画をやりました。これも想定していた人数よりも20人くらい多く来てくれて、みんな楽しそうに参加してくれていたので、本当にやってよかったと思いました。

「スイーツパラダイス」企画の告知
加藤:僕も学生委員時代に、ちょうど設立2年目の大学生協だったので、食堂が憩いの場になればと、教職員の理事の皆さんと話し合って、カフェをやろうという話になって、小鉢を出していた冷蔵のケースにタルトとかをいっぱい詰めて販売したことがありました。友達と一緒に来る学生や、先生がゼミ生を引き連れて来てくれたりして、みんなが楽しそうに食堂を利用してくれる様子を見ることができて、やりがいや楽しさを感じたことを思い出しました。
本間:自分自身のやりがいでいうと、堀越君が言ったように、やはり組合員の反応というものは非常に大きいなと感じています。組合員が喜んでいる姿を自分たちで見ることももちろんですが、組合員がお店のパートさんに「この企画が良かった」と結構話しをしてくれていて、後日パートさんから「組合員の人がすごく喜んでいたよ」と声を伝達してさらに聞けるのは、また特に嬉しいなと感じます。
あとは組合員だけではなく、もちろん一緒に活動している学生委員のメンバーが、まずは楽しんでいる姿を見ることができると、やはり委員長としては嬉しいですね。
加藤:一緒にみんなを見守るような体験が聞けて嬉しいです。
ちなみに、本間君はよかった取り組みやお勧めしたい取り組みはありますか。
本間:やはり一大企画だったと思うのは、新学期の新入生交流会ですね。自分が委員長を務めた時の新入生交流会は、新入生の「楽しかった」「友達もそこからできた」という声をXなどで確認もできましたし、逆に自分たち学生委員のメンバーもずっと笑っているような感じでした。本当に最後の企画だったので、僕も泣きそうになるぐらい感動しましたし、それが学生委員時代で一番の思い出になっています。
加藤:確かに新歓は学生委員会からしたら一大イベントだし、つながり作りができるのはすごく素敵なことだよね。
ちなみに本間君が1年生の時は、大学には学生がいましたか。
本間:1年生の時は大体オンラインが6割、対面4割ぐらいの比率で、上級生になると対面が増えているみたいな構図だったので、やはり今と比べると少ない感じでした。企画の参加者数も今はずっと右肩上がりで増えていて、後輩の理事会の報告を見ると感動しますね。
加藤:僕もちょうど2020年が委員長になった時で、新歓などの企画はできない中でも、今新入生が何に困っているのかをみんなで考えたりして、対面ではないことを不安に思いながらやっていました。でもやっぱり、対面で実際に組合員の反応を見ることは、活動の原動力にもなるし、やりがいにもなると思います。さっきの新歓が委員長としての最後の企画って感じかな。
本間:その後にも、新歓企画として募集のところまでは一応やりますが、募集の部分は新しく引き継ぐ次の代と一緒にするので、自分たちが執行してやるのは最後になりますね。
加藤:じゃあ堀越君も、次の新歓で最後になりますか。
堀越:そうですね。自分も、もう少ししたら新しい委員長と交代することになります。数カ月後には下の代を集めて、誰がどの担当になるのか、どの役職になるのかの会議をすることになります。
3. 引き継ぎについて
引き継ぎの課程
久野:次は引き継ぎの話を聞きたいと思うけど、最初に一つ確認したいことがあって、茨大の引き継ぎは夏合宿でされると認識していたけど、それ以外にも引き継ぎに関係すること、総代会の前後で何か行うことがあったりしますか。
本間:引き継ぎ自体は、基本的に新役職が決まるのが4月初旬で、前役職が作成する引き継ぎ書というものを渡して、そこから新旧の役職が一緒に活動して、5月の総代会前まで実際に引き継ぎをしていきます。そこから昨年ベースでは、6月の初旬には完全に新役職に引き継ぎをして、前役職は抜けるといった形になっています。なので、夏合宿では引き継ぎされたものと、それまでに参加しているセミナー、例えばスタートアップ共済などを基に、合宿を作って組み立てていくようなイメージですね。
久野:新しく役職を持った委員長なり、各企画のトップが中心になって合宿は作られていく感じですかね。
本間:新しく2年生が合宿をすべて作るようになっています。ただ一部、毎年先輩枠が1つだけあるので、そこは前委員長が出たりとかはありますね。
久野:さっき話に出た引き継ぎ書も、事前に確認させてもらったけど、すごく丁寧に作られていて、こんなに各役職で分類してまとめられているんだなと思って。引き継ぎ書を作るにあたって、意識したことがあったら、ぜひ教えてほしいなと思います。
本間:引き継ぎ書ができたのは自分たちの1つ前の世代ですけど、その時にももちろん委員長や三役、班長などは全て引き継ぎされていましたが、それ以外の役職が引き継がれていないことが多かったので、そこをなくしていきたいと思い、僕が全役職の引き継ぎ書のフォーマットを作成して、それをだいたい2月下旬頃に全員に配布して、提出の締め切りを決めて引き継ぎをし、後輩たちが苦しまないように気を配りました。
夏合宿での学びの共有
久野:すごく丁寧に引き継ぎがされているよね。
夏合宿での先輩のパートのところではどんなことをしていますか。
本間:後輩から話してほしいことを毎回依頼されるので、話の内容はその都度変わるけど、大体は昨年やっていたこととか、その時に感じていた学生委員の想いとか、そういったところを依頼されて話すことが多いです。
堀越:今年の合宿で話してもらったのは、昨年どういう活動をして、なぜそれらの活動をしたのかという想いと、合宿後の後期の活動をする上で大切にしてほしいことなどを話してもらいました。
久野:ただ先輩がやっていたから、自分たちも継続してやっていこうじゃなくて、その背景に当たる気持ちの部分、想いの部分もきちんと引き継がれているのは、すごくいいなと思いました。やる意味というか、意義というのを後輩たちも理解した上で取り組むことは、本当に大事なことだと思うから。すごい、さすが茨大だね。
それとは別に、新しく執行代になるメンバーが、ほとんどの合宿のコンテンツを担当して、形成していくというところの話で、具体的にはどういうことをその合宿で考えられるようにしているのか、内容を簡単に教えてください。
堀越:今年度の合宿では、前期でセミナーに行った振り返りの学びとか、学生委員会で持ち帰ったセミナーの振り返りの体験だったりとか、あとはそもそもの班員がすごく多いので、それぞれでどういう企画をやっているのかを、他の班の目線から見て改善点を指摘したり、後期の企画を提案するような、そういった各々の企画面のブラッシュアップだったり、あとは後期のスケジュールを考えたりしましたね。
久野:今までの学びをお互いに共有し合い、班を超えて違った目線からもっとできることや磨けることを模索する場を、学生委員会全体で作っているわけね。
セミナーの学びも、基本的には今までセミナーに参加してきた2年生たちで学んだことを共有して、他の学生委員のみんなにも伝えるようにした感じかな。
堀越:そうですね。セミナーに参加した人が、グループワークで活動したことをもう1回やってみようとか、環境や共済のセミナーに参加した持ち帰りの報告の機会はなかなか普段の活動では取れないので、その場を借りて全員に共有する時間を作ったりもしました。
引き継ぎ書の存在
久野:執行代を務めてきて良かったことや、学生委員会として取り組んでいく上で、成長や変化のきっかけになったことがあったら教えてください。
堀越:話に出てきた引き継ぎ書ですけど、本当に今も手元にあって、いつも持ち歩いている自分のお守りみたいな感じになっています。新学期や常時の活動について考えていくための意義や目的を教えてくれるワークシートみたいなものだし、担当や役職ごとに引き継ぎ書を作成してもらったことで、それぞれの担当が率先して動いて企画を作ってくれるので、委員長や副委員長の負担が少なく、自分たちで仕事を分けながら、他のいろいろな活動に手を回せるようになったことがすごく良かったです。オープンキャンパスなどは、ほぼ任せながら成功できたし、余裕を持って活動ができたのではないかと思います。
久野:十分に引き継ぎされていないと、うまく運営するために三役や委員長、副委員長がカバーしたりフォローしたり、引き受けることが多くなるから、引き継ぎ書を細かく作成して受け継ぐことで、大規模の学生委員会でもスムーズに動かしていけるきっかけになったということですね。
加藤:僕は、まず堀越君が引き継ぎ書を持ち歩いていることが、めちゃくちゃ可愛い後輩だなと思いましたね。あとは、各々が主体的に動けるように引き継ぎがされているのが、すごく興味深かったです。班や担当内で引き継いで主体的に動けるようにし、合宿などの全体の場では、みんながきちんと活動内容を共有し合って、各々が意義を理解した上で活動できているのは、すごく組織として素敵な形だなと思いました。
活動の記録と想いを受け継ぐ
吉村:役職を持っていない人たちの引き継ぎについて、執行代に上がるにあたって何かしていることはありますか。
堀越:引き継ぎ書以外でも、それぞれの活動ごとのファイルが委員会室に置いてあって、例えば推薦生交流会だったら、昨年や一昨年の企画やレクリエーションの内容、パンフレットもそれぞれの作成したパンフレットに関連するものが入っていて、あとはそれぞれでどういう会議をしていたのかがノートにまとめてあって、それを見ながら今も進めているし、そういった記録されたファイルも結構ありがたくて、助けになっていたりしますね。
特に会議の内容は、「何月何日にこの会議をして、こういう内容を決めた」というのが、スケジュールみたいな感じで全部載っているので、このノートやファイルも活動の指針みたいな感じです。
本間:堀越君がいま言ってくれたことに加えて、執行代に上がる際に3年生と2年生が一緒にやっていく期間を設けて、そこで2年生が執行代になっていく自覚や責任を持てるようにしています。
執行代が変わる際に仮引退みたいな形になるので、引退式というのを一応設けて、そこで1年間の振り返りとこれからの活動についての先輩からの想いを全体に話していく場があります。昨年は5月31日で、そこで自分たちの想いは伝えられたのかなと感じています。三役はその後も一カ月間は後ろで陰ながら傍観者をしていました。
吉村:情報が蓄積されていることは、すごく後輩にとってはありがたいことだなと思うし、組織としても土台が作られていて、それを受け継いできていることが、すごくいいことだなと思いました。
ちなみに堀越君は聞いてみてどうでしたか。
堀越:照れますよね、やっぱり。本当に想いとかもよく伝わるし、引退式も自分は大号泣しちゃって、すごく思い出に残っています。
久野:引退した後も三役が残って、様子を見る期間に何かあったりした場合は、アドバイスとかもしていたのかな。
本間:そこまでガッツリとは言わないですけど、困っている時に声をかけたりとかはちょくちょく。
それは引き継ぎ期間だけじゃなくて、僕は今も理事なので、そのなかで学生委員会報告を受けて、気づいたアドバイスはしています。それは僕だけじゃなくて、その上の代からも来ているので、茨大としてはそういう関係性が強いと感じています。
4. 今後の活動について
取り組んでいきたいこと
吉村:これまでの話を踏まえて、今後の学生委員会活動で取り組んでいきたいことを聞かせていただけたらと思います。

新入生パンフレット制作中
堀越:いま力を入れているのは新学期活動になりますが、そろそろ推薦生のための交流会と新入生のための交流会が近づいてきているので、新しく組合員になる新入生の方々の学生生活の不安をどれだけ取り除けるか、大学生活での新しいことや分からないことを自分たちの手でどれだけ解決できるかを考えています。
また入学後も新学生委員の獲得に向けて、新歓祭やそれぞれの部会体験などで、自分たちの活動や想いを知ってもらい、多くの学生に入ってもらってもっと盛り上げていけたらと考えています。

推薦生交流会の告知
本間:自分は4年生で学生委員を離れてからかなり経ちますが、これからも学生委員のバックアップはしていきたいと思いますし、それ以外にも自分たちで発足した上級生委員会があるので、そこに新しく入ってくる学生委員と一緒に、今までできなかったこと、例えば上級生向けの企画や、職員や教職員の方向けの企画など、新しく自分がやるべきことに尽力していきたいですね。
吉村:執行代を引き継ぎながら活動する中で、実際本間さんはどんなことをしていたのか、堀越君はどういったことをしていきたいか、お聞きできたらと思います。
堀越:今年度は三役だけじゃなくて、班長や課長も一緒にフェードアウトの期間を一カ月作っていこうと思っています。自分もその期間に後ろで見守られながら助けていただいたことも多かったので、それをもっと他の役職の方にも広げていけたらと考えています。
本間:自分がやっていたこととしては、とにかく見るということですかね。やはり今まで自分がいた立場にいる後輩を、後ろから役職を持っていない学生委員と同じ立場で見ていました。あとは委員長や副委員長とはとにかく話をして現状を聞いていましたし、役職のない学生委員にも現状を常に聞くようにしていましたね。
専務から見た学生委員会
吉村:これまで1年間やってきた先輩たちに客観的に見てもらうこと、また先輩方も見ることで気づくことがたくさんあると思いますし、そのことを通して成長する場面がたくさんあるのではないかと思いました。
よろしければ、逸見専務から見た学生委員会の活動についてお話いただけますか。

茨城大学生活協同組合
逸見 恵介 専務理事
逸見:うちの学生委員会は、人数も多い中で執行部がしっかりまとめて、組織を引っ張っていると思います。堀越君からの話にもありましたが、班が主体的に動いて、それぞれの目的とかやりたいこととかをしっかり捉えながら活動しているのもいいかなと思います。
学生委員が200人ぐらいいるので、把握しきれていない学生も多いけど、僕の立場から言うと、大切にしてほしいのは生協の学生委員会として生協の場で活動していることを意識してほしいし、大切にしたい想いなども全体で共有してほしいと思います。とにかく本間君も堀越君も、勉学が本分である学生でありながら、大人数を引っ張って忙しい中でよく頑張ってくれています。
記録が残っていることもすごく良くて、記録が残っているからやはり次の活動に活きるんですよ。上級生委員会の話ですが、この前ビアホールの企画をした時に、コロナ前の記録が残っているおかげで企画をしっかり実現することができたので、やはり記録を取るというのはすごく大切なことだなと思っています。
私も数十年前に茨大の学生委員長でした。私の頃は 2、30人ぐらいの組織だったので、それに比べると人数も多くて、活動も班制にしたことですごく盛り上がっているので、しっかり引き継ぎしてほしいなと思っています。細かいことをいつもチクチク言っていますが、ある意味そう言えるような関係も作れているかなと思いますし、理事会報告もしっかりされていて、理事会で一番盛り上がるのは学生委員会の報告時間で、先生方からの質問や意見も多いです。理事長先生からは、絶対必達する目標を立てないと次に活きないなど、数字の取り方や広告の仕方を指導していただくなど、理事の方々も、学生委員会の活動に注目してくださっています。僕や職員との関係でも、最近は学生と話し合う時間を持つようにしています。
加藤:僕は専務と委員長の関係性はすごくかけがえのないものだと思っているので、チクチク言いあえる関係性も、専務は普通の企業で考えたら社長のようなものだし、学生委員長も学生の組合員の代表だし、互いに方向性を合わせて大学生協を作っていくことは、すごく面白く、学生にとってはいい経験にもなると思います。
5. 全国の仲間へのメッセージ
加藤:学生委員会に今年度のテーマがありますよね。
堀越:今年のテーマは「知る組合員活動」と「知られる組合員活動」の2つで、「知る組合員活動」はセミナーや他大学との交流で、もっと自分たちの団体や活動についての認識を深めていこうということ、「知られる組合員活動」は自分たちの学生委員会がまだ茨城大学生全員が知る組織に成長できていないので、認知度を上げて企画に参加したことのない人たちに参加してもらうことを考えていく、また関わり合う団体をもっと増やして、いろいろなところに自分たちの活動を知ってもらいたいということで、この2つのテーマを持って活動しています。
加藤:大学生協はもちろん組合員を対象に、組合員の生活をより良くするために活動していますが、同時にそれがすごく大学自体のパワーにもなっていくものだと僕自身は思っていて、若者がより良い生活を目指すこと、一人ひとりがそう思っていける活動をすること、そしてそういう経緯からテーマが生まれたことは、すごく素敵なことだと思います。
最後に、全国の仲間へのメッセージをお願いしたくて。全国で 200近い学生委員会がある中で、たくさんいる学生委員長や仲間に向けて、今後頑張っていけるようなメッセージをお願いします。
本間:自分自身が一番大事にしていたものは、やはり一緒に活動していく同年代や、先輩後輩という仲間です。全国にいる学生委員にも、やはり大事にしていただきたいなと思います。自分が困った時や、自分にはないものを与えてくれる、客観的な意見をくれるのは、やはり周りの存在だと考えています。それは職員さん、逸見専務をはじめ、購買や食堂の職員さんが、本当に何度も何度も自分にアドバイスを与えてくれましたし、先輩や後輩からもかなり意見を聞いたので、そういった仲間をとにかく大切に、身近な存在を大事にしていただければというのがまず一つ。
もう一つは、学生委員は他では経験できないようなことがたくさん経験できるので、いま自分は何がしたいのか、本当にしたいことをせずに諦める事はしないでおこうと自分でも思っています。自分はまだやり残したことがあったので、新しく団体を作りましたし、今やりたいことは存分にやって、仲間と協力して頑張っていただければと思います。
堀越:学生委員会の活動自体が、結構組合員の中で大きなものになってきている実感があるので、その活動に意味や目的を持って取り組むこともそうですが、一番は自分たちがやって良かったと、組合員も参加して良かったと、一緒に思えるような取り組みができるように頑張っていきたいです。
加藤:今日は大学生協のつながりの良さや連帯の良さを皆さんから聞けたので、自分たちのやってきたことは良かったのだと、私たち自身も思えるようなインタビューでした。
本日はありがとうございました。
2025年1月31日 リモートインタビューにて