2025年度全国院生生活実態調査 調査結果

文責:全国大学生活協同組合
 全国院生委員会
※データの無断転載はお断りします
 

1. はじめに

2025年度全国院生生活実態調査の実施にご協力いただきました皆様に、感謝申し上げます。調査結果をご報告いたします。実施から報告までに大幅に時間が経過してしまい申し訳ございませんでした。
 

2. 調査概要

2025年7月7日(月)から8月17日(日)に、全国院生委員会主催で実施した。(当初の開催期間は〜8月8日(金)であったが、十分な回答数が得られていなかったため期間を延長した。)全国学生委員会や広報調査部を経由して、各大学生協の専務や学生委員長に調査への協力を依頼した。
 

3. 調査結果

3.1. 回答数

全国での回答数は356件であった。回答者の所属する大学生協の数は45であり、全国で幅広く回答を集めることができた。ブロック別の回答数は下表の通りである。
   

3.2. 回答者属性

回答者の約8割が修士学生であり、男女比はおよそ2:1であり、住まいは一人暮らしが約70%・実家暮らしが約25%である。回答者のうち、社会人修士・博士は合計で20件、留学生は13件の回答があった。回答者の所属する専攻は下表の通りであり、工学が最も多く、ついで、理学や人文科学、情報、農学、社会科学からの回答が多かった。
 
 

3.3. 院生組合員の生活について

3.3.1. 研究スタイル(研究に充てる時間)について
研究に充てる時間の学年別および専攻別の平均値を下表に示す。学年が上がるにつれて研究時間が長くなる傾向にある。特に博士学生は修士学生に比べて著しく長い。専攻ごとに大きく偏りがあり、芸術、理学、保健が長い傾向にある。
 
3.3.2. 1日の睡眠時間
1日の睡眠時間(平日・土日)の学年別および専攻別の平均値を下表に示す。睡眠時間は学年・専攻による差異が、研究に充てる時間よりも小さい。また、研究に充てる時間と睡眠時間の相関係数を計算したところ、平日で-0.11、土日で0.22と、両者間の相関は弱い。
   
3.3.3. 大学への登校日数および学内滞在時間
大学への1週間の登校日数の学年別、住まい別および専攻別の平均値を示す。学年による差異は小さいものの、住まいによる差異が大きく現れ、一人暮らしの院生の登校日数が多い。また、専攻による差異も大きく、保健や理学では5日を超える値を示した。また、登校日数が多い専攻は1日の学内滞在時間も長い傾向にある。

学内滞在時間から研究に充てる時間を引いた値の平均値を示す。この値は学内滞在中に研究以外のことに割いている時間を示す。修士1年がこの値が特に大きく、就活の影響ではないかと考えられる。
 
3.3.4. 食事回数
1日の平均食事回数の学年別、住まい別および専攻別の平均値を示す。平均値ではいずれの属性でも1日あたり2.5回以上食事を摂っている。住まいによる差異がやや見られ、一人暮らしの院生は食事回数が少ない傾向にある。全356件の回答のうち、1回と回答したのは5件のみであり、うち4件は一人暮らしである。
 
 
3.3.5. 現在の暮らし向き
住まい別の現在の暮らし向きの学年別、住まい別および専攻別の平均値を示す。1が「苦しい」、5が「ゆとりがある」を意味する。住まいによる差異が大きく、実家に比べて一人暮らしの院生の方が、生活が苦しいと感じている人が多い。
 
具体記述欄では、以下のような記述が多く見られた。
<苦しい・やや苦しいと回答された方々>
  • 物価高で食費負担が増えて生活が苦しくなった。
  • 研究室のコアタイムや就活などによって、アルバイトの時間が確保できず収入が不安定である。
  • 奨学金は生活を支える一方、将来の返済への不安も大きく、自由気ままに使えるというわけではない。
  • 研究費や学会参加費を自己負担することもあり、生活を圧迫している。
 
<ゆとりがある・ややゆとりがあると回答された方々>
  • 実家暮らし、もしくは実家から十分な仕送りをもらっている。
  • 給付型奨学金や日本学術振興会(学振)の奨励費などを受け取っている。
 
3.3.6 院生生活で最も悩んだこと/悩んでいること
研究や進路についての悩みが多く記述されていた。
研究に関する悩みでよくみられたフレーズとして、以下3点が挙げられる。
  • 就活やバイトとの両立が難しく、時間が足りない。
  • 研究が思ったようにうまく進まない。
  • 教授や他の学生などとの、人間関係に悩んでいる。
 
進路に関する悩みでよくみられたフレーズとして、以下3点が挙げられる。
  • 研究との両立が難しい。
  • そもそも就職できるか不安。
  • 博士進学するか悩んでいる。
 

3.4. 院生組合員の生協利用について

3.4.1. 食堂や購買の利用頻度
生協の食堂や購買の1週間あたりの利用回数の学年別、住まい別および専攻別の平均値を示す。学年別で比較すると食堂・購買ともに修士の利用頻度が高い。住まい別で比較すると、一人暮らしの方が昼食・夕食での食堂利用頻度が著しく高い。専攻別で比較すると、工学が食堂・購買ともに利用頻度が高い。
 
 
3.4.2. 生協の電子マネーとCO・OP学生総合共済
生協の電子マネー、CO・OP学生総合共済のそれぞれの認知・利用率を示す。生協の電子マネーの認知率は 97.3%、利用率は 75.3%、共済の認知率は 73.2%、加入率は 64.7%である。いずれも高い値を示しており、特に電子マネーはほとんどの院生に認知されていると言える。
   
3.4.3. 生協があってよかったこと・生協に期待することなど
以下のような意見が多かった。

<良い点>
  • 学内で食事や買い物が完結でき、忙しい学生生活を支えている。
  • 比較的安価で栄養バランスの取れた食事やミールプランが利用できる。
  • 書籍割引や共済など、生活全般を支える制度が充実している。
 
<改善を期待する点>
  • 学食・購買の価格を、より学生目線の手頃な水準に見直してほしい。
  • 営業時間の延長(夜間・朝・テスト期間)や24時間対応の拡充を検討してほしい。
  • メニューの種類の増加やヘルシー・高コスパ商品の充実、電子決済導入。
 

4. 調査結果の解析

3.3節および3.4節で示した回答結果のそれぞれの値の相関を算出した結果を示す。表中の値は相関係数を意味しており、正に大きいほど、正の相関が強いということができる。本表では相関係数が0.2よりも大きい値を赤く強調している。また、表中の「*」は有意確率p値を示しており、対応は以下の通りである。「*」が多いほど偶然で出た可能性が低い=統計的に確からしいことを意味する。
 
p<0.05→ *, p<0.01→**,
p<0.001→***
 
下表の結果から、以下のことが分かった。
  1. 睡眠時間は平日でも土日でも、長時間寝る人、短時間寝る人の傾向は逆転しない。
  2. 研究に充てる時間が長いほど登校頻度が高く学内滞在時間は長い。
    →この傾向はコアタイムの影響があると考えられる。
  3. ②に該当する院生、昼食時の食堂利用頻度が高い。
  4. 朝昼食での購買利用頻度が高い人は、夕食で食堂もしくは購買を利用する頻度が高い。
  5. 間食での購買利用頻度が高い人は、昼食で食堂もしくは購買を利用する頻度が高い。