2014 アメリカ大学食堂視察 報告書

(4)視察のまとめ

9. 食堂職員の教育について

 

 

ミシガン州立大学、エグゼクティブシェフのカークさんによれば、学内の各食堂では多くの学生アルバイトを採用しており、教育訓練では衛生関連やポリシーなどを Web トレーニングにより行っているとの事でした。

いずれの大学も出食口、調理場、洗い場に多数の大学生アルバイトやパート労働者が働いていました。しかも出食口の多くはツーオーダーの注文を受け最終調理をこなす業務を担っていました。日本の大学生協の様に労働分配率に非常にこだわっているようには見えませんでしたが、毎年一定の入れ替わりがあるアルバイト、パート労働者の教育をどうするかは、日米問わず大きな課題であると思われます。翻って日本の大学生協では衛生に関する基本的知識からアピアランス、調理工程に至るまでほぼ全ての教育は各会員の現場が担っており、アルバイトがアルバイトを、パートがパートを教える事も多くなっています。各会員がその大学にフードサービス通じてどう貢献するか等の具体的ポリシーに関する部分はさておいたとしても大学生協が掲げる基本的使命に始まり、手洗いや食中毒に関する基本的な衛生に関する知識や、望ましい髪型、制服の着こなし方等のアピアランス、気持ち良い接客の基本等は共通の教育方法の検討が必要に思われます。

例えば、教育コンテンツを全国共同で作成し web 上にアップし、学生総合共済の募集人資格 web 講座のような簡易的テストを実施する事で全国どこの大学生協で働いていてもフードサービスの基礎的知識が得られるようにしていくような検討が必要です。全国規模で見ればこの事により店長層の教育にかける時間コストの削減、標準化レベルの引き上げが見込まれます。