岡田 隆(バズーカ岡田)氏 身体づくりには「人生を変える力」がある!~心地よい空間から半歩でも踏み出して、みんな 成長しよう~

アドバイスをお願いします!

学生委員会の活動

昨年大学生協でウオーキングチャレンジという、みんなで歩いてポイントを貯めるような企画を行いました。ただ歩くだけではなくて、もっと運動するのが楽しくなるようなアドバイスをお願いいたします。

私らは歩きたくて歩いているわけですから外からのモチベーションはいりませんが、多くの人は歩くことによってほかに得られるものがあるとより頑張るじゃないですか。例えば、体脂肪減少率コンテストなどというように競技性をもたせる。優勝したらプロテインあげますよとか、どうでしょう(笑)。

ありがとうございます。もう一つ、共済事業のマスコットキャラクター、タヌローを使ってタヌロー体操を作り、オンラインセミナーの休憩で流して、リフレッシュに取り入れたりしています。もっと違った要素を入れられれば、お聞きしたいです。

「タヌロー体操おうちでストレッチ」だから、ストレッチですよね。「タヌロー体操おうちで筋トレ」版を作ったらどうでしょう(笑)。「ストレッチ版」は少々ぬるいので、もっと追い込む「鬼のタヌロー」を出したら?タヌローは、色的には完全にビルダーですよね。おなかの黄色い所にシックスパックを描いたら、バキバキに仕上がってきますよ。息抜きをしていると、そのタヌローが筋トレで追い込んでくる、みたいな。

笑笑

いいですね!もし鬼タヌロー版を作るとしたら、ぜひご協力をお願いします。

もちろん監修します。一緒に出演もしますよ(笑)。

「まだ若いから」という慢心

いつも友達と「運動しなきゃねえ、もう若くないんだから」と言っていますが、大学生になると運動をする機会があまりなく、「まだ若いじゃん」と行動に移していません。岡田さんの専門的な視点から、筋トレをする重要性・必要性を大学生に喚起するようなことがあれば教えてください。

それ多分、中年になるまで友達とそういう話をしていると思いますよ(笑)。2点伝えたいと思います。私の父親は今70歳代中盤ですが、足腰が弱くなってきたので筋トレしてほしいのになかなかやってくれないのですよ。最近ようやく少しずつやり始めてくれたのですが、筋トレをずっとやってなかった人がやるというのはすごくハードルが高いです。
一方で、何歳になっても筋力は強くなるというデータは山ほどあって、100歳を超えても筋力はつくので、何歳になってもやればいいだけなのです。若いうちからやっていれば、年を取ってからでも腕に覚えがあり、取り掛かりやすくなるから絶対にやったほうがいい。そうすると自分の身体もずっと健康で、退職後に旅行だって楽しめるでしょう?

もう一つ皆さんに言いたいことは、20~30代で徐々に体脂肪が蓄積して、中年になると、この体脂肪を何とかしてくれって私たちの所に来るわけですよ。それを何とかするのが私たちの仕事ですが、たまりにたまると時間がかかって大変です。それこそジムに行くお金もかかるし、時間も努力も莫大です。だから体脂肪は付けないのが結局一番楽。若いときが一番体脂肪は少ないはずですから、今始めるのが一番コスパがいいということを理解していただきたいですね。
食事とウオーキングだけでも変わりますよ。私のYouTubeで食事の動画がすごく人気なのは、みんなやっぱり筋トレには大変なイメージがあってやりたくないのだろうと思います。いい食生活の習慣をつくって、ちょっと歩くとか運動を入れるだけでも全然違います。そこから始めてみてください。

ありがとうございます。岡田さんは先ほど「食事を3食決まった時間に食べるという概念を壊す」と言われましたが、それは食事を3食とらなくてもいいということですか。

3食とるのが当たり前になっていますが、そもそも3食とることを誰が決めたのか。3食がいいと言う人は、本当にいい身体をしているのか。そんなこともないのですよね。だいたい身体づくりを成功させている人は、1日に4~6回に分けて食べています。ポイントは、今まで3食で食べていた量を6回分に振り分けること。そうすると朝昼晩の典型的な3食から逸脱していくので、周りに合わせて食べる必要もなくなり、みんなとだらだら食べるよりも自分に必要なものを短時間で食べて、休んだりしたほうがいいですよね。だから食事は1日3食という考えを壊すのは、メリットが多いと思います。

成長した自分は楽しい

最後に、読者の大多数を占める大学生世代に向けて元気が出るようなメッセージをお願いします。

まず、「身体づくりには人生を変える力がある」ということ。高齢者から若い人までそれぞれに合った身体づくりがあり、その人の人生を変えると思っています。別にボディビルダーでなくても、少しの取り組みだけで、人生が好転していく。1日のサイクルが好転すると翌日が良くなり、土日の休み方を考えれば、1週間が良くなるというサイクルが始まります。ですので、ぜひコロナを機会に筋トレやウオーキングや有酸素運動をやってみて、少しでも身体の変化を感じる。それが自分の勉強や仕事にポジティブにつながっていくのを体感してもらいたいと思います。

その根底にあるものは、“No pain, No gain” 、痛みなくして成長なし。痛みの程度ばかり追い求めるのは賢くはないですが、適切な痛みによって必ず強くなります。自分が楽だと思っている世界から半歩でも踏み出してみること。これが自分に成長を与えてくれます。心地いい所に留まらず、自分の可能性をどんどん広げていってほしいと思います。

私自身もいつも心地悪いことにトライしているんですよ。今回の4年ぶりのボディビル出場もそうですし、海外の研究者の先生と共同研究もそう。楽しいですけど、やはりpainはある。自分がやりやすい「以上」のことをやっていこうと心掛けています。そうすると成長ができるから。成長した自分は楽しいし、毎日挑戦できると、すごく一日が充実するんですよね。自分自身がこの人生の主人公である事をいつも感じることができます。今だったら、ボディビルの大会に出るために毎日、重量を2.5キロでも上げる、1回でも多く挙げる挑戦です。キッツイですけど、こんなに充実した生活はありません。全て自分の心次第ですから、皆さんもぜひ挑戦して充実した日々を過ごしてほしいと思います。

貴重なお話をありがとうございました。

2022年7月1日 リモートインタビュー

PROFILE

岡田 隆(おかだ たかし)

1980年愛知県に生まれ、東京で育つ。日本体育大学大学院体育科学研究科博士前期課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。日本体育大学教授、博士(体育科学)、日本オリンピック委員会科学サポート部門員、日本ボディビル・フィットネス連盟ジュニア委員会委員長、理学療法士、ボディビルダー。『ホンマでっか⁉TV』などメディアには骨格筋評論家「バズーカ岡田」として登場。「トレーニングは心と身体を鍛えるもの」をポリシーに、トップアスリートから一般層までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導する。公式YouTubeチャンネル『バズーカ岡田の筋トレラボ』は登録者約25万人。『除脂肪メソッド』など著書多数。

【大学教員】日本体育大学および同大学院教授。専門はトレーニング科学、スポーツ整形外科学。同大学ボディビル部顧問。【スポーツトレーナー】日本オリンピック委員会強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長(2012~2021)、2016年リオ五輪で史上初男子全階級メダル制覇、2021年東京五輪で史上最多5個の金メダル獲得などに貢献。2018年文部科学省スポーツ功労者顕彰、2020年日本オリンピック委員会奨励賞受賞等。【ボディビルダー】2014年東京オープンボディビル選手権大会70kg以下級優勝。2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝等。

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