リレーエッセイ
山崎ひかり(読者スタッフ・信州大学大学院)

P r o f i l e

山崎 ひかり(やまざき・ひかり)
信州大学大学院1年生。本から得られる「感動」や「発見」が好きで始めた読書スタッフも、気づけば1年が経過! 大学院では生物の遺伝子の研究をしている。基本的に植物が好き。お笑いも好きで、最近のオススメは若手芸人バラエティ番組『深夜のハチミツ』!。
 
「植物が好きだが、育てるのは下手」という人はいないだろうか? 私はまさにその最たる例だ。大学で植物の研究をしているにもかかわらず、自宅で育てた植物は全て枯らしている。ベランダでプランターに植えたチューリップの球根は沈黙を続け、また安売りされていた寒さに強いとされる謎の植物も枯らした。極め付きは、寄せ植えの多肉植物が次々しぼんだことである。どの植物も、最初は「元気に育ってね!」と楽しみに声をかけているのに、私の育て方が悪いのだろう、全て枯れてゆく。これを繰り返すことで植物に対して「ごめんね……」と非常に気まずくなり、現在は育てるのを中止している。
 今回はそんな同志へ向けて、模索を続けた私の植物の楽しみ方を2つ紹介したい。私の経験と感性が、お役に立てると嬉しい。
  
  

その1. 花屋で切り花を買う。

 必要なのは、花瓶と水、茎を切るためのハサミだけ。花瓶はジュースの瓶などでも代用できるので、わざわざ購入しなくても良い。学生としては少しお高いが、お気に入りの切り花を見つけて飾ろう。組み合わせを考えるのも楽しい。ちなみに私のオススメは「ガーベラ」だ。なぜなら、水の吸い上げが悪くなってきた時、他の花だとしぼんで枯れる(私が悪いのか?)が、ガーベラは茎の先端を少し切れば、しぼんでいた花びらが見事に開いて復活する! この生命力には驚かされる。皆さんに一度は試してもらいたい。
 
 

その2. 外へ出て野草観察する。

 メリットはお金がかからないことだ。そして観察を始めてみると、意外にも野草=雑草の世界は奥が深い。花の構造ひとつが信じられないほど複雑だったり、似たような花の雑草を図鑑で調べてみると、それぞれにきちんと名前がついていたり。背景と化していた雑草たちの美しさに気づくと、歩くことが楽しくなるのも魅力だ。オススメの雑草は山ほどある。冬でも生き延びる黄色のノボロギク、3mmの大きさで青色を強く主張するタチイヌノフグリ、紫のグラデーションが綺麗なスミレ、朱赤色が次々と咲いたマルバルコウ…知らない雑草が、あなたのそばで力強く生きている。ぜひ一度、本物を観察してほしい。
 ここまで植物の楽しみ方を熱弁したが、やはり育てることも諦めたくない。大学生活の残り1年で、再度チャレンジしようと思う。どうぞ皆さんも、植物を楽しんでくださいね!
 

次回執筆のご指名:力武麗子さん

1年生の頃から読者スタッフとしてさまざまな企画に参加してくださり、『読書のいずみ』を支えてくださっているメンバーのおひとりです。次回は力武さんの最近気になっていることを、ぜひご紹介ください。(編集部)

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