リレーエッセイ
力武 麗子(読者スタッフ・早稲田大学)
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P r o f i l e
力武 麗子(りきたけ・れいこ)
早稲田大学4年生。1年のころからゆるく参加している読者スタッフです。書店でのアルバイトをしながら美術館に行ったり舞台に行ったり楽しい!な日々を集めています。中学時代にやっていたクラリネットに再挑戦して友人とセッションするのが今年の目標です。
最近は進路と本棚ばかり見つめる日々だったので、本についてぼんやり考えていることをこの機会に言語化して書けたらと思います。
私は本が好き!と周囲にも言いふらし書店でアルバイトもしていますが、おそらく他の人より圧倒的に読書量が少ないです。いわゆる名作文学も通っていないものが多く、長年後ろめたさを感じていました。こんなに読んでいないのに本好きを名乗ってもいいものか、そもそも私ほんとうに本が好きなのか?と思い悩むことも多々ありました。「本好き」と言うよりは「本が好き」と言う方がマニア度が下がって堂々と言える気がする……などとくよくよと悩むうちに、私は「文学」というよりも「本」という存在そのものが圧倒的に好きなのではと気がつきました。もちろん、物語を読むことも大好きです。本をひらいて、文字をおって、ページをめくるたびに本の世界へと足をふみだし、いつの間にか別の世界へとはいりこんでいる、そんな体験に何度救われてきたかわかりません。救われた、とまで大げさでないときも、気持ちの切り替えがうまくいかないときに、さっと心の空気を入れ替えてくれる物語が、文章が、大好きです。そんな好き、という気持ちがありつつも、たくさん本を積んでしまったり、その消化がなかなか進まなかったりするとどうしても読書好き、と胸を張って言う自信はなかなか持てませんでした。でも、そんな読書がはかどらない日々が続いても「本」という存在が好き、という気持ちははっきりと主張できる自分を見つけました。大好きな装丁、帯も好き、明日はどの本をかばんに入れようか、この本あの子にすすめたいな、これを買ったのは初めて訪れたあのお店だな、こんなところに付箋つけて悩んでたんだよなあの時……本屋にいるときも自室の棚の前で膝を抱えているときもいつだって本が大好きだし、もはや友だちのような存在だと思っているのかもしれません。
考えをまとめるつもりで始めたエッセイですが、つらつらと書いているとかえって思考の収拾がつかないものですね。きっとこれからもぼんやり考え続けるでしょうが、この作文を通して、最近本が読めていなくても本好きを名乗っていいじゃない!という前向きな開き直りができました。
自己紹介になっているかわかりませんが、結局のところ私は本が好きなようだということが伝わればうれしいです。また、ぐるぐると考え込んでしまう感じも私っぽいかなと思います。この夏はいろんな人と本についての話をするためにも、共通言語として読む量も増やしていきたいです。
次回執筆のご指名:山原 和葉さん
今年大学入学後に、読者スタッフにご応募いただいた山原さん。意気込みから本への愛が伝わってきてとてもお会いたしてみたくなりました。読者スタッフ着任早々恐縮ですが、さっそく自己紹介をお願いします。(編集部)
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