『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』
ジェーン・スー/文藝春秋
定価1,650円(税込)購入はこちら > 世の中に成功者の記録は数あれど、やはり女性の成功者についての本というのは少ないと感じます。それは女性が社会進出できるようになったのがそもそも最近であるということや、成功している女性が少ないこと(女性の昇進や昇給を阻むガラスの天井がある、という話はあまりにも有名です)、さらに女性の成功者があまりフィーチャーされてこなかったことなどに原因があるのではないかと思うのですが、無いなら私が書きましょうというのがやはり我らのジェーン・スー!
コツコツと腐らずに努力を積み重ねて、(男性で健常者で異性愛者で、というのが前提になっている)社会の中で自らの居場所を作り出した女性たちの伝記、記録を記してくれていて、とても面白かったです。また、面白かっただけではなくとてもためになりました。女性であるというだけでさまざまな制約が課されるこの社会の中で、どうやって彼女たちは今の彼女たちになったのか。若いころに経験した悔しい思いや、絶対に成し遂げるのだという決意、他人に対する寛容さなど、読むととてもためになる貴重な先人たちの軌跡が記されていて、とても力を与えてくれます。
(お茶の水女子大学/M)