読んで一言

アンケートから、読者の感動したり影響を受けたりした本や映画をご紹介
 

『屍人荘の殺人』
今村昌弘/創元推理文庫
定価814円(税込)購入はこちら > 探偵もの、クローズドサークルなど定番のミステリー要素がたくさん登場し、ミステリー好きならワクワクする作品だと思う。定番のものでありながら、ミステリーとホラーを組み合わせたストーリーが斬新で面白い。シリーズもので続きが楽しみな作品。

(広島大学/おずまる


『島はぼくらと』
辻村深月/講談社文庫
定価847円(税込)購入はこちら > 島で生まれた人たち、Iターン組、ふらっと訪れた観光客。いろんな人たちの島との関わり方があった。地元の人たちと外から来た人たちはぴったり同じ目線には立てないけれど、接し方次第で、お互いを受け入れることができるのだと感じた。自分を受け入れてくれる場所があること。それが、前に進む原動力になるのではないだろうか。

(慶應義塾大学/みどりのいえ

 

『アルケミスト』
パウロ・コエーリョ〈山川紘矢、山川亜希子=訳〉/角川文庫
定価616円(税込)購入はこちら > 大学生に読んで欲しい本。夢を諦めたり挫折したり駄目だと思う時にこそ読んで欲しい。信じること旅を続けることを教えてくれる。

(静岡文化芸術大学/くらげ


『変な家』
雨穴/飛鳥新社(文庫)
定価770円(税込)購入はこちら > 奇妙な間取りから謎を紐解いていくミステリー作品。全四章で構成されており、内第一章は雨穴氏のYouTubeチャンネルで公開されている。ヒューマンホラーな作品だがそこには閉塞的な土着信仰との関わりもあり、単に現代の人間心理で片付かない奇妙なミステリー作品である。間取りを先に見て考察しながら読むこともでき、自分で推理をするのが好きな方にも楽しんでいただける。雨穴氏独自の世界観が堪能できる一冊。

(愛知県立大学/〇〇〇

 

『かがみの孤城 上・下』
辻村深月/ポプラ文庫
定価(各)858円(税込)購入はこちら > 数年ぶりに読むのがやめられずに日をまたいでしまった本。登場人物への共感、すべてがつながった快感からくる興奮でなかなか寝付けないと思ったのは杞憂で、すっきりした読後感からかすっと眠りにつくことはできた。(寝不足にはなってしまったけれど)登場人物の個性と心情描写、物語の進むテンポ、総じて作品としての完成度が非常に高い。間違いなく私の短い読書歴の中でトップレベルに惹き込まれた物語です。

(電気通信大学/かなで


『ビリー・ジョーの大地』
カレン・ヘス〈伊藤比呂美=訳〉理論社
定価1,650円(税込)購入はこちら > オクラホマで生きる少女を日記形式で描いた作品です。大平原の中、日照りと土嵐に殺されそうになりながらも、日記からは少女の強くドライな様子が伝わってきます。そんな彼女が弾くピアノはどのようなものなのかぜひ読んでみてください。『izumi』で小川哲さんが紹介していた『怒りの葡萄』と合わせて読んでほしいです。

(東京学芸大学/がりぞー

 

『檸檬先生』
珠川こおり/講談社文庫
定価770円(税込)購入はこちら > 最初は表紙に惹かれて読み始めましたが、今では「読んでよかった」「私の人生に影響を与えた」と思える作品です。マイノリティに属している人を理解し、受け入れることの大切さそして難しさを教えてもらえました。

(岡山大学/富屋七海


『神話の心理学』
河合隼雄、河合俊雄/岩波現代文庫
定価1,100円(税込)購入はこちら > 心理学者河合隼雄さんは、存命中、ユング派心理学を日本で初めて紹介し、心の問題で悩む現代の人間に新たな光を投げかけてきました。本書では、著者独自の視点で、古代オリエントやアメリカ先住民の神話の登場人物やプロットを読み解いていきます。男女や親子の関係性、世界の始まりなど根源的なテーマから書かれるものの、描かれる心・社会のありようは複雑化したように思える現代にも通底しています。心の動きを知る上で神話がこんなに最適なテキストだったなんて……! 語り継がれ受け入れられてきたのは理由があるな、と感じました。河合隼雄先生のコレクションシリーズの中では非常に読みやすく、神話と人間、心理学に関心がある人の入門書としておすすめです。

(東京大学/ムーチョ

 

『痛みと感情のイギリス史』
伊東剛史、後藤はる美/東京外国語大学出版会
定価2,860円(税込)購入はこちら > 大学で後藤先生の授業を受け、その中で触れられた感情史に興味を惹かれたので読みました。感情は身体反応で、嬉しい、楽しい、幸せといったポジティブな感情の多くは同じ表情が表れるため同じ身体反応といえ、人間があとから感情の名前を決めているに過ぎないということを考えました。感情は身体の反応という意味で普遍的であるとは言えそうだし、一方で結局いま私たちが捉えている感情は後から人間が言語化したにすぎず、ポジティブな感情というグラデーションがあるものに勝手に仕切りを入れて「嬉しい」「楽しい」などと言語化しているに過ぎないという意味では、普遍的な感情など存在しないとも言えそうだと思いました。これまで感情を自分のものだと思っていましたが、私たちが何に対して喜び、悲しむのかは社会的、歴史的に定められている側面が大きいと思って、感情は一体だれのものなのだろうと不思議に思いました。

(東京大学/れっさー


『それは誠』
乗代雄介/文藝春秋
定価1,870円(税込)購入はこちら > 修学旅行中に始まった、高校生たちの小さな冒険を描いた作品。他人にとってはなんでもないようなことが、自分の人生を大きく変えるかもしれない。そんな小さくも明るい可能性に満ちた物語です。

(千葉大学/ゆでひじき

 

『海外ノマド入門 
 ここではない場所で生きていく』

ルイス前田/扶桑社
定価1,760円(税込)購入はこちら > 私自身、現在就活の身ですが、どこかの会社に必ず入らなければいけないという固定観念のもと、無駄に肩の力を入れていました。しかし、この本を読んでフリーランスで働きながら海外を転々とする方々のことを知り、必ずしも会社という場所にいることが全てではないのだと、肩の力が抜けたように感じました。インタビュー形式で書かれていて、海外ノマドの方々に親近感を持って読むことができるので、本が苦手な人や、時間のない方にもおすすめです。

(富山大学/もちもち


『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』
ジェーン・スー/文藝春秋
定価1,650円(税込)購入はこちら > 世の中に成功者の記録は数あれど、やはり女性の成功者についての本というのは少ないと感じます。それは女性が社会進出できるようになったのがそもそも最近であるということや、成功している女性が少ないこと(女性の昇進や昇給を阻むガラスの天井がある、という話はあまりにも有名です)、さらに女性の成功者があまりフィーチャーされてこなかったことなどに原因があるのではないかと思うのですが、無いなら私が書きましょうというのがやはり我らのジェーン・スー!
 コツコツと腐らずに努力を積み重ねて、(男性で健常者で異性愛者で、というのが前提になっている)社会の中で自らの居場所を作り出した女性たちの伝記、記録を記してくれていて、とても面白かったです。また、面白かっただけではなくとてもためになりました。女性であるというだけでさまざまな制約が課されるこの社会の中で、どうやって彼女たちは今の彼女たちになったのか。若いころに経験した悔しい思いや、絶対に成し遂げるのだという決意、他人に対する寛容さなど、読むととてもためになる貴重な先人たちの軌跡が記されていて、とても力を与えてくれます。

(お茶の水女子大学/M

 

『13歳から鍛える具体と抽象』
細谷功/東洋経済新報社
定価1,650円(税込)購入はこちら > すべての悩み解決本。数学を学ぶ意味や知識を広げるイメージなど、学びの根幹を教えてくれる。もっと早く読んでおけばと思った。

(岡山大学/田中 文


『よくわかるイギリス文学史』
浦野郁・奥村沙矢香=編/ミネルヴァ書房
定価2,750円(税込)購入はこちら > 本書はミネルヴァ書房の「やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ」という叢書の一冊。いかにも入門書然とした「やわらか」タイトルだが、侮るなかれ。本書の特色は、作家・作品紹介の各項目に収められている、原文の抜粋とその邦訳である。注や文献紹介も詳しい。しかも、英文学者による英語の特別寄稿付き。なかなか本格派なのである。もともと教科書として書かれているので、隅々まで繰り返し読めば、イギリス文学の基礎知識を満遍なく習得できるようになっている。文学を専攻していない私にも楽しく読めた。

(名古屋市立大学/タカピヨ

 

 映画 
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
(2023年 日本)
 舞台は戦後の日本。閉ざされた村で、村の有力者が亡くなったことをきっかけに様々な恐ろしいことが起こっていきます。特に横溝正史や京極夏彦が好きな人は大好きな世界観だと思います(私がそうでした)! 人間の汚いところを見せつけられる大人向けの映画です。PG12の作品ですが、大学生の皆さんなら楽しめるはず。

(東京農工大学/トヨチ


 映画 
『レザボア・ドッグス』
(1992年 アメリカ)
 私はクエンティン・タランティーノ監督の作品が大好きで、その中でもレザボアドックスは、タランティーノ監督の良さがググッと詰め込まれていると思います。独特なセリフ、まず結論の場面に移動して過去を遡り、何度も場面が切り替わる手法、下品な会話から始まる物語、でもグッと引き込まれるそんな作品です。
「ライク・ア・ヴァージンという曲は、巨根とやりたい女の歌だ、歌全部が巨根の暗示だ」

(慶應義塾大学/やさあめ

 
※斜体の投稿者名表記は、ペンネームです。

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