調査項目
A
①村上春樹
『海辺のカフカ』(新潮文庫) 購入はこちら >抽象的な部分も多く、一度読んだだけではわからない部分もあり、もう一度読みたい、だれかと読書体験を共有したい、と思ったためベストに選びました。各場面に自分のあこがれが投影されていて夢中になって読み進めました。
②サイモン・シン〈青木薫=訳〉
『フェルマーの最終定理』(新潮文庫) 購入はこちら >数学はあまり得意ではないのですが、注意書きが丁寧で、数学的な考えについても学ぶことができます。また、古くからの数学に魅せられた研究者たちの歴史について知ることができ、とても面白かったです。
③ミシェル・オバマ〈山田文=訳〉
『心に、光を。 不確実な時代を生き抜く』(KADOKAWA)購入はこちら >言葉のひとつひとつに力があり、読んだ後とても前向きな気持ちになることができました。
B 5冊/ C 塩野七生
A
①筒井康隆
『家族八景』(新潮文庫)購入はこちら > 主人公がテレパシーで周囲の人の心を全部読み取り、家族に関わる奇想天外なストーリーで進んでいく話です。人間の心理がどんどん暴露され可視化されていくのがスリリングでもあり、人は一人ひとり違う思考の枠組みで生きているのだと実感しました。
②トルストイ〈望月哲男=訳〉
『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』(光文社古典新訳文庫)購入はこちら >とっつきにくいイメージがあったトルストイですが、多くの示唆に富んでおり、充実した読書体験ができました。個人・社会に対する洞察がとても鋭く、時代を超えて説得力を感じました。
③池澤夏樹
『スティル・ライフ』(中公文庫)購入はこちら > 静謐な世界観が好きです。
B 55冊/ C 上橋菜穂子
A
①吉本ばなな
『キッチン』(新潮文庫)購入はこちら > 同じ大学生の話で主人公たちの気持ちに共感しながら読んだ。優しくて心が洗われる気分になった。
②黒柳徹子
『続 窓ぎわのトットちゃん』(講談社)購入はこちら >黒柳徹子さんは徹子の部屋での印象でしか今まで知らなかったが、どういう人生を送られて今に至っているかを本を読んで少し知れたのが面白かった。戦争の時代について、子どもの目線でのお話を今まで聞いたことがほとんどなかったので読めて良かった。
③万城目学
『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)購入はこちら >同じ大学生の話なので共感を持って読んだ。面白い世界に入ることが出来る。
B 10冊/ C ──
A
①青崎有吾
『地雷グリコ』(KADOKAWA) 購入はこちら > 2024年初めに読んでなお、一番の座を譲らなかった猛者です。特に3話目の「不文律じゃんけん」は、グーチョキパー以外の一手を加えるという内容でここまで面白くできるのは凄まじいと思います。塗辺くんが好きです。
②斜線堂有紀
『さよならに取られた傷だらけ』(河出文庫)購入はこちら >1頁の「私」と「先輩」の物語が250編載っています。1頁という短さで起承転結、SFや不条理、二人の歪な関係性を堪能できます。作者のXで連載されているので、気になった方はまずそちらを読んでみてください!
③長野まゆみ
『野ばら』(河出文庫)購入はこちら > 「銀色」と「黒砂糖」という名の二人の少年のファンタジー作品です。ゆっくり頭の中で情景を想像しながら読むのがおすすめです。詩的で儚げな夜の追体験をしましょう。
B 30冊/ C 谷崎潤一郎
A
①杉井光
『世界でいちばん透きとおった物語』(新潮文庫nex)購入はこちら > 題名の意味がわかった時の衝撃度が第1位でした! ネタバレをしたくないので多く語れませんが、電子書籍が普及するこの時代に紙の本を売るために書かれたと考えると、読了後、半年以上経った今でも思い出して鳥肌が立ちます。
②多崎礼
『レーエンデ国物語 月と太陽』(講談社)購入はこちら > ファンタジーが好きで読み始めた「レーエンデ国物語」シリーズの第2作です。周囲の人間や国を巻き込んで、信念を貫き通すテッサの姿に胸が熱くなりました。レーエンデはどうなるのか? 最終巻を心待ちにしています。
③田内学
『きみのお金は誰のため』(東洋経済新報社)購入はこちら >経済に疎い私にとって、このような「小説」の形で解説してくれる本は親しみやすかったです。お金の本質を知ることができるので、今後なぜお金を稼いでいるのか? わからなくなったときは、この本に戻ってこようと思いました。
B 20冊/ C 益田ミリ
A
①ブルーノ・ムナーリ〈萱野有美=訳〉
『ファンタジア』(みすず書房)購入はこちら > 創造力とはなんだろう?想像力との違いは? 本の中のムナーリ先生はこれらの質問に対して豊富な実例を交えながら答えてくれる。ぼくの中の閉じかけていたファンタジアの蕾が再び花開いたような気がする。
②松本大洋
『東京ヒゴロ』(小学館ビッグコミックススペシャル)購入はこちら > 高山のはずれにある『閃き堂』という喫茶の店主は「漫画ソムリエ」なることもしていて、客の好みに合う漫画を壁一面の蔵書のなかからピタリと当ててくれる。薦められたこの漫画を読んでから街を歩くと、なんでもない日常が輝いてみえる。
③村上春樹
『やがて哀しき外国語』(講談社文庫)購入はこちら > 去年の夏、ヨーロッパを一人旅したときに持っていった本。ヴェローナ発ミュンヘン行きの長距離列車で相席したイタリア人ナイスガイ三人組のひとりが向かいの席で“Norwegian Wood”を読んでいた記憶と共に思い出深い一冊。
B 20冊/ C 武田泰淳
A
①平野啓一郎
『マチネの終わりに』(文春文庫)購入はこちら > 音楽家の蒔野とジャーナリストの洋子の出会いから始まる物語。甘くはないのに美しく、感情の昂ぶりすぎない文章なのに心が揺さぶられる。登場人物たちの変化が魅力的で、忘れられない1冊になった。
②島本理生
『2020年の恋人たち』(中公文庫) 購入はこちら > 母親からワインバーを引き継いだ葵が主人公。題からわかるように恋愛小説というジャンルになるが、出会いよりも繊細で複雑な「さよなら」を丁寧に描いていて、自分らしく生きようとする葵に自然と感情移入できる。
③島田潤一郎
『あしたから出版社』(ちくま文庫)購入はこちら > 「ひとり出版社」のさきがけになった夏葉社の島田潤一郎さんによるエッセイ。彼が出版をはじめるまでや、働くこと、本への愛を誠実さがにじむ文体で綴る。『いずみ』で「座・対談」をお願いするきっかけになった。
B 53冊/ C 阿部智里
A
①万城目学
『八月の御所グラウンド』(文藝春秋) 購入はこちら > 1位に選んだのは、笑って泣けて、登場人物まで好きになれたからです。真夏の朝6時から野球をやるストーリーは、それだけでもインパクトがあります。遠藤君や山下君を思うと、ちゃんと生きて今を楽しもうと思えます。
②C. ダグラス・ラミス
『[増補]憲法は、政府に対する命令である。』(平凡社)購入はこちら > 選挙が話題となった頃、この本を手に取りました。憲法が想像以上に自分の生活や活動に浸透していることを知りました。憲法改正も話題になる中、その改正によって何が変わり為政者は何がしたいのか、考えるきっかけになりました。
③青山美智子
『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)購入はこちら > 各章の登場人物が1冊の本との出会いを通して、前向きに変化していく様子に共感しました。いずみ委員として、こんな活動ができていたらいいなと思い、印象的な作品でした。読書をきっかけに、少し行動を起こそうと思います。
B 30冊/ C 万城目学
A
①川崎莉音、江森百花
『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』(光文社新書)購入はこちら > 高校時代、周りの女子の間に漂っていた「とりあえず医学部」の風潮。その疑問を忘れかけていた頃に取ったこの本は当時のことを思い出させた。女子なら資格を取って。女子なら地元に残って。本当にそれは、私たちにとって正解だったのだろうか。
②井上荒野
『静子の日常』(中公文庫)購入はこちら > 「キャベツ炒めに捧ぐ」でハマった井上さんのもう一つのお気に入り。息子の浮気をユーモラスに成敗したりと、どんなトラブルも自由にふわりと解決させる静子だが、亡くなった夫のことを思い出したり、どこか寂しそうな影がちらつく。一見切ないが、なぜか感傷的にはならないのは井上さんのなす技か。
③加藤周一
『羊の歌 ーわが回想ー』(岩波新書) 購入はこちら > 5年生まで何周も読んでいたが、6年生になってからまともに読めていない。去年の3月に渋谷で聖地巡礼をした時のことを思い出し、無性にまた読みたくなった。国試が終わったら研究センターの京都にも行ってみようか。
B 10冊/ C 井上荒野
A
①宮島未奈
『「成瀬」シリーズ(成瀬は天下を取りにいく・成瀬は信じた道をいく)』(新潮社)購入はこちら > 我が道を行く主人公・成瀬あかりがとにかく魅力的。様々なことに挑戦し、奮闘する一生懸命な姿が爽やかで頼もしい。マイペースな成瀬に巻き込まれるうちに(!?)、周囲の人たちもいつの間にか彼女のファンになってしまうのだ!
②くどうれいん
『うたうおばけ』(講談社文庫)購入はこちら > くどうれいんさんの日常を綴ったエッセイ集。日々の何気ないけど、愛おしくて、くすっと笑えて、じんとくる……そんな瞬間や言葉を大切にしたいと感じた。通学時に少しずつ読み進め、毎朝元気をもらったお気に入りの一冊。
③山極寿一、鈴木俊貴
『動物たちは何をしゃべっているのか?』(集英社)購入はこちら > ゴリラ研究の第一人者である山極先生と、鳥類の行動研究を専門とする鈴木先生の対談本。動物の認知やコミュニケーションに関する研究の最前線からヒトの本質にまで迫る。学びを得るワクワクと驚きを存分に味わえる一冊。
B 64冊/ C 千早茜
A
①綾辻行人
『十角館の殺人』(講談社文庫) 購入はこちら > 有名すぎる作品だし、帯の文句も煽ってくるので、ひねくれものの私はそこまでじゃないだろうと思いながら読んだのですが、完璧に騙されてひっくり返りました。2024年一番の衝撃! 長い間人気なのには相応の理由があるんだなと感じました。
②ファン・ボルム〈牧野美加=訳〉
『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(集英社)購入はこちら > 本が大好きな私にはとてもしみる本でした。普段、私が本を読むときは、続きが読みたいからどんどん読み飛ばしたりするのですが、この本はじっくり、一つ一つの言葉をかみしめながら読みました。この本との出会いを一生大切にしようと思います。
③セス・グレアム=スミス〈入間眞=訳〉
『ホラー映画で殺されない方法』(竹書房) 購入はこちら > 怖い話が苦手すぎる私にとってこの世で最も怖いこと。それはホラー映画の中に入り込んでしまうことです。人生きっといろいろあるでしょうからうっかりホラー映画に入り込んでしまうこともあるでしょう。そういう時この本があれば安心です。
B 117冊/ C …………凪良ゆう
A
①カズオ・イシグロ〈土屋政雄=訳〉
『わたしを離さないで』(ハヤカワepi文庫) 購入はこちら >普段海外文学を読まない自分にとって、そのおもしろさに衝撃を受けた。彼ら彼女らは何を思ったか、どう生きるかふとした時に考えてしまうほど、一番爪痕を残されたと感じた一冊。
②原田マハ
『楽園のカンヴァス』(新潮文庫)購入はこちら > アートへの圧倒的な情熱、執念が全身にぶつかってきてなんだかとても心地よかった。震えるほど何かを好きだと思う感情を直に感じ、ひたすらに物語にのめり込んだ。
③恒川光太郎
『100分間で楽しむ名作小説 夜市』(角川文庫) 購入はこちら > 久しぶりに心の底から物語に没入できたと感じた。おもしろい、かなしい、たのしい、そういう感情を感じる前に夜市の世界に入り込んでいた、そんな物語。
B 42冊/ C 原田マハ
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