時の音楽教室

特集「時間ものがたり」記事一覧

母里 真奈美

 音楽は時間と戦うスポーツです。いきなりすみません。普段サークルで、マンドリンを弾いております、母里真奈美と申します。マンドリンって何?って聞く人がだいたい8割ぐらいですね。勝手に予想しちゃいましたが、そう考えた読者の方は多いのではないでしょうか。ついでにいうと、なんで「時間」の企画なのにマンドリン?と考える人もきっといますね。そこで私の出番です。東北学院大学きっての音楽マニアの私が、頭に疑問符を浮かべている皆様に音楽と時間の深いつながり、もとい私が普段マンドリンを弾いていてどれぐらい時間と戦っているかをレッスンいたしましょう。
 くどいと思ってめくらないでくださいね。ページはそのままですよ。
 

母里真奈美 Profile

Lesson1 時間との勝負

 楽器弾くのって難しそう……そう考える人が多く、楽器は敷居が高いとみられがちなようです。なんとなく自分には向いていない、そんな先入観をお持ちのそこのあなた! 楽器は誰にでも楽しく弾くことができます。いいですか、楽しく弾くようになるために必要なことはただひとつ、根気です。ひたすらただマンドリンと向き合い練習あるのみです!なんだか熱血漢な発言ですが、これさえできれば、誰にでも楽しく弾けるようになると断言できます。結局どれぐらいマンドリンと向き合う時間が取れるかが重要なのです。弾き始めて最初の頃、マンドリンの練習が嫌でした。丸いボディは膝の上で安定してくれないし、1日5時間以上弾いていたら指先は痛くなるしで、適当な理由をつけてさぼりたくて仕方なかったです。いくら練習してもし足りない、不思議な感覚も芽生えますしね。楽器は練習時間をとれた者勝ち、これに尽きます。マンドリン歴3年になった私は丸いボディが愛らしくてしょうがないです。あ、マンドリンの姿がぱっと頭に浮かばない人は、ぜひ検索を(笑)。私がただのマンドリン馬鹿ではないことがわかりますよ。

 

Lesson2 ガクガクのお披露目

 マンドリンサークルに所属している以上、演奏を披露する機会が多くあります。年に一度の定期演奏会や春ごろ他の団体と協力して行うジョイントコンサート、たまにお声がかかるお祭りや施設で演奏させていただく依頼演奏などなど、わりと幅広く色々な場面で演奏を披露しています。そうなると、普段の練習以上に熱と時間をかけて準備しなくては……!! 気合いに駆られた練習を何回も経て、いざ本番。すると、あれ? 手が動かないぞ、あれ? そこで音間違える? 手汗ひどすぎない? おかしいな。自分の予想を越える緊張ぶりに、自分自身が戸惑ってしまいます。まさしく今年の5月の演奏会の出来事です。ちょっと格好つけて言うと、ステージの上には魔物がいますね。本番は一度きり。だからこそ焦ってしまうのですが、音楽はその場の空気・メンバー・気持ち、様々なものに左右されて完成します。本番で100%の演奏をするためには120%の演奏ができなくてはいけない。そこで生まれた“奏”と全く同じものはもう二度と再現できない。それこそが、音楽が時間芸術と呼ばれる所以だと私は思います。

 

Lesson3 あなたの身近なマンドリン

 同じ演奏を二度と再現することはできない。なんてカッコつけちゃいましたけど、実はちょっと違うのです。全く一緒のものを演奏することはできませんが、楽器を弾かない人でも、普段演奏会と縁がない人でも誰でも聴くことはできます。そう! CDのことですね。最近ではCD以外でも聴く手段はたくさんありますが、一瞬しか再現できないはずの演奏を何回も聴く方法は録っておくことが重要です。ここで私が言いたいことは、誰にでもどこでもマンドリンの音色を聴くことができますよということです。いままでの私の話のなかで、実際のマンドリンの音に興味がでた人はぜひYouTubeなどの動画サイトで「マンドリン」と検索してみてください。マンドリンを見たことがない人でも音を聴ける、なんて便利な時代。どうせなら自分の知っている曲が聴きたいという人は「マンドリン J-POP」で検索すると良いですよ。マンドリンで最近の曲を弾くことも意外と多くて、うちのサークルはつい最近「ムーンライト伝説」を演奏しましたよ。次はB’zの「ウルトラソウル」で、楽しみですね(笑)。私情が入りましたが、もう少し最近の曲なら、去年話題になった「前前前世」や星野源の「恋」ですね。意外とマンドリンに合うので聴いてみてください。
 

 さて、Lessonと名付けて3つ説明してきましたが、これであなたも音楽通ですね。しかも音楽が時間と関わっているということがわかっている、玄人です。素晴らしい、『izumi』 を通じて音楽を理解できるなんて。あ、ばれちゃいました? 音楽と時間とのかかわりを本筋にするつもりが私のエッセイみたいになってしまったことに。まあまあ、誰でも時間と音楽の関わりを考える瞬間を挙げて終わりにしましょう。よく音楽を聴いていたら思っていた以上に時間が経っていた、なんてことありませんか? では、本日はここまで。

 
P r o f i l e
母里真奈美(もり・まなみ)
1限の朝は必ずウォークマン片手に通学。朝早くに本を読むとついついまぶたが下りてきてしまうので。ちなみに聴く音楽はB’z、 GLAY、 ラルク アン シエルなど、目覚まし代わりにしている。マンドリンだけでなくロックも大好き。

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