リレーエッセイ
母里真奈美(読者スタッフ・東北学院大学)

P r o f i l e

母里 真奈美(もり・まなみ)
東北学院大学3年生。
今年から大学までの通学手段をバスに変更したことで、朝のラッシュと戦う毎日を過ごしている。同じ大学の大勢の学生に押されながら通学しつつ、世間の荒波と生きる大変さを日々痛感している。甘味が好きで「No sweets, No life.」が座右の銘。
 

 千葉で生まれ、広島に行き、再び千葉に戻り、次にはるか遠い福岡、そして宮城に引っ越して現在に至る。『izumi』 を読んでいるみなさん、こんにちは! (親の)転勤多めで結局仙台住まいの母里真奈美です。生まれてこのかた国内ジプシーを続け、そこには数々の苦労が……まあ、ここでは置いておきましょう。さて、なにについて書こうかな。飼っているハムスターの可愛さか、大好きなピカチュウか、長年ファンを続けているB'zについてか、それとも写真の私が持っているリュックサックについてか……。あ、この子、ズラーって言います、かわいいでしょ?(笑)
 色々候補は出てきたのですが、せっかくなので私の癒しについて書きます! 私が仙台に10年以上住んでいながら一度も食べたことがなく、つい最近おいしさに気がついた仙台の名産、「ずんだ」について語りましょう。
 「ずんだ」ってなんだろう? そう思った人のために説明します。「ずんだ」とは一言で、枝豆から作ったあんこです。枝豆もしくはそら豆をすりつぶして、だいたいお餅と一緒に食べます。小豆ではなく枝豆からつくった緑の粒あんを想像するとわかりやすいですね。ちょっと黄緑が眩しすぎるせいか、私自身「ずんだ」を避けていたわけで、初めて食べたのはなんと今年の7月です。10年以上仙台住まいなのに。けれど、見た目が鮮やかすぎるという理不尽な理由だけで「ずんだ」を避けていたわけではありません。隠れたもう一つの理由は宮城の人が「ずんだ」を食べないのです。自分の出身地の名産品なのに。
 「『ずんだ』って美味しい?」引っ越してきたばかりの頃、周りの友達に好奇心から聞いてみました。「うーん……」、「私は好きじゃないかな」、「好み分かれるよね(苦笑)」などなど、甘くも苦くもないご意見ばかりでした。「ずんだ」に対する周りの微妙な意見を聞いて、私自身もなんとなく食べる気が起きなかったわけです。過去の私に同情します。そりゃ食べる気起きないよね。ちなみに、宮城の人は牛タンも苦手な人が多いです。そっちは引っ越してきてすぐに食べましたけどね。肉食ですから。
 小豆のあんことは違うおいしさ。これが「ずんだ」の醍醐味です。普通のあんこと違い、原料がそら豆、枝豆、ずんだ豆……のおかげで甘くもありしょっぱくもある味わいです。まるでケーキとおせんべいを一緒に食べているような気持ちになります(笑)。過剰表現ですが。個人的に最近、甘いおやつを食べた後に、塩気のあるものを舌が求め始めて、しかもその欲求に抗えないことに困っています。なので甘い⇔しょっぱいループから逃れるために、「ずんだ」。みなさん、「ずんだ」美味しいですよ。
 

次回執筆のご指名:加藤真央さん

母里さんと同様、読者スタッフ2期目の加藤さん。吹奏楽ではトロンボーンを吹かれるとか。いつも読書日記に登場していただいていますが、とても気になる加藤さんの日常を、ぜひご紹介ください。(編集部)


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