いずみ委員&読者スタッフ Selection
動物本で、ホッとひと息

いずみ委員&読者スタッフ Selection 動物本で、ホッとひと息


ストレスがたまり易い今日この頃、動物の本でひと息入れませんか。頭も心も元気になる、かも。
 


  • 佐々木倫子
    『動物のお医者さん 
    【愛蔵版】全6巻』

    白泉社 花とゆめコミックススペシャル
    /本体(各)838円+税

     最初の出会いは小学生の時。近所の歯医者さんの待合室で、本棚にあった一巻をなんとなく手に取りました。当時まんが=「ちゃお」だったわたしには新鮮で、なんかおもしろい!と深く記憶に刻まれました。その後15年ぶりに再会。溢れ出る感想はスナネズミのようですが、まず思ったことは「やっぱり最高に面白い!」でした。(徳岡)


  • 荒川弘
    『銀の匙 
    Silver Spoon 全15巻』

    小学館 少年サンデーコミックス
    /本体(各)454円+税

     この作品は、農業高校に通う高校生が、沢山の人や動物と関わり、成長していく物語です。動物と関わる中での苦しみ、喜びが丁寧に描かれています。学生生活を全力で楽しむ姿に笑いと憧れを、全力で悩み、乗り越える姿に涙と勇気をもらいました。農学部進学のきっかけを作ってくれた、わたしにとって人生のバイブルです。(徳岡)


  • ボンボヤージュ
    『よりぬき ちびギャラリー』
    主婦と生活社/本体900円+税

     一言一言が深い! なのに絵は超キュート。そのギャップに中毒になってしまう。かわいい動物たちが放つ言葉は、宝石より、星より、輝いている。しかも半端ない説得力までついてくる。動物好きの人にも、そうじゃない人にも、毎日パワフルな人にも、ちょっと疲れちゃった人にも。全人類におすすめしたい本である。(磯部)


  • 村田沙耶香
    『マウス』
    講談社文庫/本体560円+税

     いびつなファンタジーの中にリアリティがある村田ワールド全開の作品。『コンビニ人間』が好きな私は一気読みしてしまった。表紙の「マウス」な女の子の絵がとっても可愛い。二人の女の子「律」と「瀬里奈」のどっちが本当の「マウス」なのか? 誰もが持っている「マウス」な部分を笑って許せるようになる物語。(木村)


  • アン・グットマン=文
    ゲオルグ・ハレンスレーベン=絵〈石津 ちひろ=訳〉

    『リサのすてきなスカーフ』
    ブロンズ新社/本体1,200円+税

     おませで生意気なリサと優しいガスパール、ふたりは犬でもウサギでもない謎の動物なのです。毎回ブラックな笑いが多くて大人もしっかり楽しめます。話にオチがあって飽きません。仏語版の方がよりシュールでインパクトがあるので、仏語を学んでいる人は是非原書でご一読あれ。(岩田)


  • 安東みきえ
    『頭のうちどころが悪かった
    熊の話』

    新潮文庫/本体550円+税

     私が中学生の時に読んだ、今でも忘れられない本です。熊や蛇といった動物達が主人公の、7つの寓話とかわいい挿絵で構成されています。挿絵に心を奪われ購入したのを覚えています。ストーリーに含まれる少し哲学的なところが魅力です。簡単に読めるものの、読んだ後に残るモヤモヤがたまらないので、是非感じてみてください。(河本)


  • ロンドン〈深町真理子=訳〉
    『白い牙』
    光文社古典新訳文庫/本体980円+税

    「ホワイト・ファング」と名付けられた狼の物語。過酷な自然と生存競争の中で生まれ育ってきた彼は、「神々」——人間に飼われることになる。人に虐げられながらも生きのびる姿は、トラウマとその回復の物語としても興味深い。そして「解説」も必読。「動物」(人間を含めた)を描くことの問題や難しさを考えさせられる。(沼崎)


  • 河合雅雄
    『小さな博物誌』
    小学館文庫/本体838円+税

    「動物の本」と言われて思い出すのは、河合雅雄さんの『小さな博物誌』。国語で文章問題に使われていたのがきっかけで、全部読んでみたくなり手に取った一冊。幼き日の著者のやんちゃ、そして活字の向こうに確かに存在する動物たち。遠出しにくい昨今、この一冊を片手に“活字の動物園”で過ごすのはいかが?(畠中)


  • 中野さとる
    『にっぽんスズメ歳時記』
    カンゼン/本体1,400円+税

     私たちに一番身近な鳥、スズメ。古事記から登場し、日本人の生活の中に溶け込んできたこの鳥、私たちが思っている以上に……かわいいんです。馴染みすぎて気づけなかった奥深いかわいさいっぱいの写真とともに、隣のあの子の生活、ちょっとのぞいてみませんか? 知ったらきっと見えてる世界が変わります。(長田)


  • 渡辺佑基
    『ペンギンが教えてくれた
    物理のはなし』

    河出文庫/本体880円+税

     この本、物理と銘打ってますが数式はほぼでてきません! 赤ちゃんのハイハイの速度で泳ぐサメ、ほとんどはばたくことなく洋上を飛び回るアホウドリなど、動物に記録計を取り付けることで明らかになった、動物たちの効率的な(?)行動に目が離せません。(長田)


  • 宮竹貴久
    『したがるオスと嫌がるメスの
    生物学』

    集英社新書/本体760円+税

     「性」は40億年にわたる生物進化の歴史を大きく前進させた重要なファクターです。昆虫学者である宮竹貴久先生が、実際の研究を例にあげつつわかりやすく解説している良書です。生物学を履修していない方でもわかりやすい読み口なので面白いと思います。(末永)


  • 竹田津 実
    『子ぎつねヘレンがのこしたもの』
    偕成社文庫/本体800円+税

     目が見えず、耳も聞こえない子ぎつねを懸命に介護する獣医さん夫妻の物語。障害を持った動物を育てる意味とは何か、獣医さんはヘレンを安楽死させるべきか否かで揺らぎます。獣医さんの気持ちとは裏腹に、ヘレンは懸命に生きようとするのです。ヘレンの愛らしい写真を見ると余計に泣けます。(岩田)


  • ロバート・A. ハインライン〈福島正実=訳〉
    『夏への扉』
    ハヤカワ文庫SF/本体740円+税

     SFで動物が登場するものといったらこの作品です。登場するのは主人公ダンの愛猫であるピート。ピートは時にはダンを支え、時にはほったらかし、時にはダンのために果敢に戦います。また、知的好奇心をくすぐる機械も数多く登場するので猫好きな人だけでなくSF好きな人にももちろんおすすめの作品です。(光野)


  • マット・サイモン〈松井信彦=訳〉
    『たいへんな生きもの』
    インターシフト/本体1,800円+税

     自然界で生き延びるのは大変だ。そこで世界には想像を絶する進化を遂げた生きものが多数存在する。交尾のために女装するイカ、ナマコの体内に住む魚、コンクリートを食べるカタツムリ……。イラストつきで分かりやすいが、ある意味ぞっとする。他の生きものから見ると、ヒトも十分変な生きものなんだろうな。(北岸)


  • 佐野洋子
    『もぞもぞしてよゴリラ/
    ほんの豚ですが』

    小学館文庫/本体480円+税

     『100万回生きたねこ』の著者による、意外なふたりのラブストーリーとユーモラスな動物図鑑の二本立て。特に「ほんの豚ですが」は、鉛筆で描かれた動物たちが醸し出すちょっといじらしい雰囲気がいい。夫婦喧嘩ばっかりの猿に、チャップリンの真似をするペンギン。誰かと一緒にお気に入りの一編を探したくなる。(任)


  • ヴァージニア・ウルフ〈出淵敬子=訳〉
    『フラッシュ 或る伝記』
    白水社/本体1,600円+税

     主人公は由緒正しき犬種、コッカー・スパニエルの雄犬フラッシュ。生まれは田舎だが、病弱な若い女詩人への贈り物としてロンドンに上京。恋人に夢中で自分をかまってくれない飼い主にもやもやしたり、散歩中に誘拐(!)されたり、犬もいろいろ大変なのです。犬好きにはたまらない、チャーミングでウィットに溢れた作品。(任)


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