
YouTubeにNetflix……と映像コンテンツが溢れる世の中。でも映像を流しながらだと、ちょっとした掃除や洗い物といった、ながら作業が捗らないことはないだろうか。
そんな「手は空いていないけれど耳は空いている」時におすすめしたいのが、音声コンテンツであるポッドキャスト(Podcast)だ。好きなときに聴ける配信ラジオだと思ってほしい。
早速、ポッドキャストを聴く方法を紹介しよう。一番簡単なのがアプリをダウンロードすることだろう。「Apple Podcast」や「Google Podcast」、「Spotify」でも配信されている。
さて、アプリをダウンロードし開いてみると、たくさんの番組が並んでいる。
どの番組を聴こう?
サムネイルもないし1000以上の番組から探すのは至難の業。お気に入りを見つける前に飽きてしまうかもしれない。
ではここで、私がよく聴く番組を紹介させてほしい。その名も「コテンラジオ」と「バイリンガルニュース」だ。
『コテンラジオ』
まず一つ目は
コテンラジオ。
今年の元旦に見つけてからひたすら聴き漁った番組。私の2021年はこの番組からはじまったと言っても過言ではない?!
テーマ |
1エピソードの時間 |
更新日 |
---|
歴史 |
20〜40分 |
毎週月・木曜日 |
これは、「歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEK2人と圧倒的歴史弱者がお届けする歴史インターネットラジオ」というコンセプトの番組だ。1つのテーマにつき10エピソード程度で構成され、現時点で23テーマが公開されている。
歴史GEEK2人とは、株式会社COTEN代表の深井さんと楊さん(通称ヤンヤンさん)であり、メインで歴史を解説してくれる。そして圧倒的歴史弱者とは、MCの樋口さん。この3人が歴史についてトークをしていく。
この番組のおすすめはなんといっても聴きやすく、学びがあることだ。
「聴きやすい」とは音源としても、トークの流れもだ。この番組ではShureのマイク、しかも最近はMV-7を使用して録音されており、ノイズがなくかなり聴きやすい。
次にトーク。歴史GEEKな2人と歴史を知らないMCという組み合わせが、例えば私のような、歴史に関して無知なリスナーをも夢中にさせる。「あれ、この国とこの国の関係って……?」「日本はこの頃何してたんだろう?」そんな疑問をリスナー目線の樋口さんが口にしてくれるので、話題を見失わずに聴くことができる。
各エピソードは大きく3ジャンルに分類できる。各ジャンルのおすすめとともに紹介させてほしい。
- ヤバ偉人列伝(一人について探求する)
シーズン8:独裁者ヒトラー
- システム・社会制度編
シーズン12:お金の歴史
- 出来事編
シーズン9:フランス革命
シーズン22:第一次世界大戦
この並びを見て少しドキッとしないだろうか? 「名前しか知らない……」というテーマがいくつかはあるはず。私ははじめ、テーマを見て、自分の無知さにかなりドキッとしてしまった。そんな人にこそ、このコテンラジオをおすすめしたい。
ちなみに、公式サイト上では参考文献が公開されているので、深堀りしたい歴史GEEKな人は、さらっと聞いてから自分で学んでいくこともできる。
『バイリンガルニュース 』
続いておすすめしたいのは
バイリンガルニュース。これは世界のおもしろいニュースを、マイケルさんとマミさんの二人が独自の「バイリンガル会話形式」で紹介していく番組。「バイリンガル会話形式」とは造語で、マイケルさんが英語でマミさんが日本語で、交互に会話するスタイルのことである。
テーマ |
1エピソードの時間 |
更新日 |
---|
アカデミア的雑学 |
90分程度 |
毎週 木曜日 |
1エピソードでマイケルさんとマミさんがそれぞれ2つずつ、計4つ主にその週のニュースをとりあげて話していく。また、不定期でゲストを招いてのトーク回もある。
このニュースというのが、ゴシップなどではなく海外の論文中心なのもこの番組の特徴だ。最近取り上げられたものだと「ヒトと猿のキメラ」「火星の生命環境」とか。テレビやラジオではあまり触れることのない雑学を仕入れることができる。先ほどのコテンラジオが歴史に特化しているのに比べ、こちらはジャンルが様々なのも魅力的だ。
大抵私たちが知らないニュースばかりなので、昔の放送を聴いても新しく聴けるし、もし知っていたニュースでも、2人のトークが面白く新鮮に聴ける。
「バイリンガル」という日本語と英語が入り混じった会話形式なのも聴いていて飽きない。多少聴き取れなくても会話にはついていけるし、英語での言いかえを学ぶこともできる。相槌など会話に必要だけれどテキストでは学びにくい、生きた言葉を学べるのもバイリンガル会話形式だからこそ。
加えてこの番組から、私は話の展開法を学んでいる。ここで取り上げられるニュースは専門的な内容のことも多々あり、知識がない中で話を広げていく回も多い。だからこそ、「こう質問するといいのか!」とか「こういう接点で別の話題と繋げたらいいのか!」といった、話題を発展させる方法を学べる。
ここまでのおすすめポイントを見返すと、なんだかオカタイ教養番組のように思うかもしれない。でも、実際のトークは「昨日の晩御飯なに食べた?」くらいのテンションで、いたってフランクな話し方がそんな思い込みを取っ払ってくれるだろう。
英語にちょっと興味がある人、面白ネタを仕入れたい人にはうってつけの番組だ。
さて、ここまでポッドキャストの魅力を好きに語ってきた。この文章を読んでもらうことも勿論とんでもなくうれしいが、とりあえず聴いてみてほしい。百聞は一見に如かず、だが今回だけは、百見は一聞に如かず、と言いたい。
知識を身につけたい!という好奇心にも、少し楽しい気分になりたい!という気持ちにもフィットしてくれるポッドキャスト。あなたの日常に、ささやかな楽しみが増えますように。
P r o f i l e

畠中 美雨(はたけなか・みう)
京都大学大学院 理学研究科の修士2年生です。お散歩好きが高じて(?!)、就職活動中は何故か10〜12kmほど毎日歩いていました。現在はもっぱら研究活動に追われる毎日です。心の拠り所は鴨川。
*「気になる!○○」コーナーでは、学生が関心を持っている事柄を取り上げていきます。