読んで一言

アンケートから、読者の感動したり影響を受けた本・映画をご紹介
 

『アメリカン・ブッダ』
柴田勝家/ハヤカワ文庫JA
定価946円(税込)購入はこちら > SF好きな友達からおすすめされて読んでみたら、超ハマりました。民俗学とSFがコラボし、全く新しい独自の世界が展開されていたので、思わず時間を忘れて読みふけってしまいました。この本は短編集ですが、私が一番面白いと思った作品は、「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」です。まるでこのような部族が本当に実在するかのような詳細な説明に魅了されました。実際にいてほしいとも思いました。SFの可能性を教えてくれた一冊です。

(横浜国立大学 CITY)


『太陽と毒ぐも』
角田光代/文春文庫
定価858円(税込)購入はこちら > 付き合い始めた頃は見えなかった、恋人たちのちょっとしたずれが許せないほど大きかったらどうするのか、について向き合った短編集です。11組の恋人たちはどうするのでしょうか。別れを選ぶ者もいれば、うまく折り合いをつけていく者……それぞれの選択と思いが丁寧に描かれた一冊です。自分の恋愛と重ね合わせてみて結構刺さる部分がある一冊でした。今年の七月に新装版が出て、装丁と解説文が新しくなったので新旧どちらもチェックしてみたいです。

(東京都立大学 おさとう)

 

『滅びの前のシャングリラ』
凪良ゆう/中央公論新社
定価1,705円(税込)購入はこちら > あと一ヶ月後に死ぬとしたらあなたは何をしますか? 好きな子のそばにいる、忘れられない人に会いに行く、大切な人を守る、やりたい事をやる……登場人物一人一人が複雑な思いを抱え、最後の日を迎えるその時まで真剣に生に向き合う姿が見どころです。とても面白い作品なのでぜひ読んでみてください。

(立命館大学 りっちゃん)


『ブランク−−空白に棲むもの』
倉阪鬼一郎/理論社
定価1,650円(税込)購入はこちら > まさに「奇妙なホラーミステリー」です。重々しい内容でありながら、話の切り上げ時が判らず読み進めてしまう不思議な魅力が込められています。あらゆる違和感も肯定的に楽しめる方におすすめです。

(岐阜大学 かさご)

 

『流』
東山彰良/講談社文庫
定価968円(税込)購入はこちら > 台北を舞台に祖父の死の謎を追う、17歳の葉秋生(イエチョウシェン)の破天荒な人生が描かれています。シリアスな内容のようで、その実作者のたぐいまれなるユーモアが炸裂した文章が詰まっていて読者を飽きさせません。初めて読み終えた後、夏の終わりのような悲しみと何とも言えない名残惜しさを覚えました。「他者の痛みを理解する」ことの難しさを痛感させられた傑作青春小説です。

(早稲田大学 Bab)


『わたしたちの猫』
文月悠光/ナナロク社
定価1,540円(税込)購入はこちら > 恋したい人、恋に奥手な人、恋に疲れた人、恋が何か分からなくなってしまった人、恋愛に悩む全ての男女に読んでほしい詩集です。ゆっくりと心に染み渡っていきます。

(静岡大学 ランゲル)

 

『レイクサイド』
東野圭吾/文春文庫
定価715円(税込)購入はこちら > 殺人ミステリー。主人公のハラハラする気持ちが伝わってきて、自分もバクバクしながらなんとも言えない気分になります。最後まで先が読めず、飽きることなく楽しめます!

(津田塾大学 まめ)


『桜のような僕の恋人』
宇山佳佑/集英社文庫
定価660円(税込)購入はこちら > 難病に邪魔される2人の物語がとても切なく、幸せだった頃の2人を思い出せばだすほど結末がよりいっそう可哀想で涙が止まりません。しかし、難病に負けじと想い合う2人はとても儚く美しかったです。

(大阪大学 はじめくん)

 

『断片的なものの社会学』
岸政彦/朝日出版社
定価1,716円(税込)購入はこちら > 社会学者の岸先生が出会った、「解釈できない」断片的な出来事について書かれた本です。文体が柔らかく、人文学に馴染みのない人にも読みやすいと思います。世の中の出来事について評価や主張をするのではなく、ただこういうものだと考える姿勢が心地よく感じます。一度図書館で借りて読んだのですが、折に触れて読み返したくなり購入しました。

(東京大学 ぴぴこ)


『満願』
米澤穂信/新潮文庫
定価781円(税込)購入はこちら > 中学生の時に読んで感動した本です。人生で一番好きと言っても過言ではありません。特に「柘榴」という話のラスト1行で、鳥肌がたったことを覚えています。

(新潟大学 星月よる)

 

『薔薇のなかの蛇』
恩田陸/講談社
定価1,870円(税込)購入はこちら > 恩田陸さんの、いわゆる「理瀬シリーズ」の最新作。中学生の時に出会ったので、かれこれ10年近く出版されるのを待っていた本です。一気読みするのがもったいなくて、できるだけ少しずつ読みました。ゴシック系のミステリや恩田陸さん独特の綺麗な世界観が好きならはまるシリーズだと思います。

(京都工芸繊維大学大学院 やもり)


『異人館画廊 透明な絵と堕天使の誘惑』
谷瑞恵/集英社オレンジ文庫
定価660円(税込)購入はこちら > シリーズの最新刊ですが、今まで謎だった千景の過去が明らかになります。誘拐されたときに何があったのか、カゲロウは何者なのか。千景と透磨の関係はどうなるのか。
異人館画廊シリーズは絵画にまつわるミステリーであり、絵に描かれているモチーフの意味を利用して、そして、潜入調査などもして事件を解決していく、今までにないジャンルのミステリーです。「キューブ」のメンバーひとりひとりも個性的で魅力的です。

(名古屋大学 かたつむり)

 

 映画 
『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』
(2021年 日本)
私は長野オリンピックが開催されたときはまだ生まれていなかったのですが、テストジャンパーの方々の物語という裏方の人たちの様々な思いや葛藤を描きながらも、思わず笑ってしまうようなシーンもあり、非常に興味深い作品でした。

(清泉女学院短期大学 ポリポリ)



『きみはポラリス』
三浦しをん/新潮文庫
定価737円(税込)購入はこちら > 短編恋愛小説になっていてどの話も好きだが、「骨片」が特に気に入っている。主人公と似た境遇にある祖母との比較を通し、今後も似た道を辿っていくのかを、亡くなった人への愛情を交えて描かれている。胸がきゅんきゅんする恋愛小説に出会えたと思っていたら、人間としての信念の一貫性について改めて考える機会になった。

(長崎大学 ぽんぽこ)

 
※斜体の投稿者名は、ペンネームです。

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