卒業生のひとりごと
17.あるかもしれない魔法



 「魔法があったらいいな」「一度でいいから魔法を使ってみたいな」そんな風に思ったことはありませんか。わたしはあります。ほうきで空を自由に飛びまわったり、謎の薬草を使って魔法薬を作ったり、呪文を唱えて不思議なことを起こしたり……。
 今回は素敵な魔法が登場する作品をご紹介したいと思います。ようこそ、魔法の世界へ。あなたも魔法が使えるようになりますように。
 
 

『ふらいんぐうぃっち』

石塚千尋
『ふらいんぐうぃっち 1〜11』
講談社少年マガジンKC/定価495〜528円(税込) 購入はこちら >

ふらいんぐうぃっち』(石塚千尋/講談社少年マガジンKC)は、魔女の少女が一人前になるために、青森で魔女修行をする物語。魔女修行といってもドラゴンを討伐したりするのではなく(?)、ほうきで空を飛んだり、青森の豊かな自然に触れたり、畑を作って野菜を育てたり、魔女のローブを手作りしたり……といった、実に平和なものです。『ふらいんぐうぃっち』に登場する魔女たちは日常にさりげなく溶け込んでおり、本作を読んでいると「もしかしたら、身近なところにも魔女がいたりするのでは……?」と思わせられます。

 また魔女である少女の成長を見守りながら、さりげなく青森の生活や文化に触れることができるのも、『ふらいんぐうぃっち』の面白いポイントと言えます。青森のお祭りや「もつ」、作中に登場する喫茶店「喫茶コンクルシオ」の舞台になった藤田記念庭園内にある大正浪漫喫茶室など。本書を読むと、きっと青森に遊びに行ってみたくなるはずです。ほうきで飛ぶことができれば、気軽に行くことができるのですけれどね。
 

 

『魔法使いのハーブティー』

有間カオル
『魔法使いのハーブティー』
メディアワークス文庫/定価759円(税込) 購入はこちら >

 本を開くとふんわりハーブティの良い香りがしてきそうな『魔法使いのハーブティー』(有間カオル/メディアワークス文庫)は、「魔法使いのハーブカフェ」にて、ハーブやアロマを用いて人々をほんのすこし幸福に導く魔法使いが登場する物語です。本作には、ほうきで空を飛んだり、呪文を唱えて杖から火を出したりするタイプの魔法使いは登場しません。

「魔法使いのハーブカフェ」のマスターは、気持ちが穏やかになるハーブティを提供するだけでなく、たまにおちゃめな魔法を使います。そのひとつが、マロウブルー&ラベンダーのブレンドティの色を変化させるというもの。実はこの魔法は、誰でも簡単に使うことができます。この魔法に必要なアイテムは、マロウブルーのハーブティ(ラベンダーはなくてOK)と、数滴のレモン汁です。マロウブルーのハーブを入手された際には、一度試してみてはいかがでしょうか。その瞬間、あなたは魔法使いになっていることでしょう。
 

 

『魔女の薬草箱』

西村佑子
『魔女の薬草箱』
ヤマケイ文庫/定価880円(税込)購入はこちら >

 魔女というと、なんだかよくわからない謎の薬草を大釜でイッヒッヒと煮詰めている……そのようなイメージがありますよね。実際、魔女と薬草は切っても切れない関係にあります。

魔女の薬草箱』(西村佑子/ヤマケイ文庫)は、魔女と関係性が深い薬草について紹介・解説されている本。魔法薬のレシピも掲載されています。かつて存在していた「賢い女」こと魔女たちが、一体どのような薬草を用いて薬などを作っていたのか、気になる方は一度、本書を開いてみてください。ただし、再現不可能な魔法薬のレシピや、うっかり再現してしまったらお縄を頂戴する羽目になりそうなレシピなどもありますので、魔法の参考にされる場合には、くれぐれもお気を付けください。
 

 

『魔女の12ヵ月』

飯島都陽子
『魔女の12ヵ月』
山と渓谷社
  定価1,430円(税込)
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 魔女のように、豊かな自然とお友達であるかのように暮らしてみたいと思ったことはありませんか。昔の魔女のように……は難しくても、そのエッセンスをほんのり受け継ぐことは、現代においても可能かもしれません。

  『魔女の12ヵ月』(飯島都陽子/山と溪谷社)は、12ヵ月の魔女の暮らしを「季のことば」「祭り」「とっておきのハーブ」「魔女の手仕事」「おいしい魔女のレシピ」「魔女のお茶時間」のキーワードとともに紹介する本。本書に描かれていることを実践すれば、現代の魔女になることができるかもしれません。仮に魔女にはならないとしても、各季節の「魔女のレシピ」や「魔女のお茶時間」などを、ほんのすこし普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと、季節や自然と共に過ごす日々が、愛おしく感じられるようになるはず。そしてそんな生活を続けていたら……いつのまにかあなたも、立派な魔女になっているかもしれませんよ。
 
P r o f i l e
門脇みなみ(かどわき・みなみ)
いずみ卒業生。幼いころの将来の夢は魔女でした。大人になったいまでも魔女になりたいです。

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