読んで一言

アンケートから、読者の感動したり影響を受けた本をご紹介
 

『容疑者Xの献身』
東野圭吾/文春文庫
定価770円(税込)購入はこちら > 見事な伏線回収と練られた計画に感銘を受けた。そして何よりも悲しすぎる純愛。誰も幸福にならなかったが、どこかで満たされたようにも感じる。読み進める手が止まらなかった。

(電気通信大学/かなで


『赤毛の文化史』
ジャッキー・コリス・ハーヴィー
〈北田絵里子=訳〉/原書房
定価2,970円(税込)購入はこちら >『赤毛のアン』のアン・シャーリー、『ハリー・ポッターシリーズ』のウィーズリー一家をはじめとして、欧米の小説・ドラマ・映画には赤毛の印象的なキャ ラクターが多く登場します。しかし、時に彼らがその髪色にコンプレックスを抱えたり、逆にそれが他にはない魅力として描かれたりする理由を、私たち日本人が実感することは難しいのではないでしょうか。この本では、キリスト教、ジェンダー、科学、美術史、文学といった様々な領域を横断しながら、欧米における「赤毛」の特別なイメージがどのように形成されていったのかという歴史を解き明かしています。知的好奇心を刺激される本です。

(千葉大学/kirin

 

『地球星人』
村田沙耶香/新潮文庫
定価693円(税込)購入はこちら > 私にも自分が人間なのではなくて、他の惑星から来た宇宙人ではないかと感じることがある。普通の人のようにしゃべることができない、きびきび動けない、友達や恋人を作れない。そんな出来損ないの自分に、社会は「人間」として生きるよう強要してくる。そして人間として生きられないことがわかると「人間ではないもの」というレッテルを貼られ、社会から排斥される。そんな息苦しい世界でこの本に出会い救われた。ああ、カタルシスってこういうことを言うのだと読了後に感じることができた。

(横浜国立大学/ CITY


『おそろし 三島屋変調百物語事始』
宮部みゆき/角川文庫
定価792円(税込)購入はこちら > 江戸時代、心に傷を負う少女が、様々な人から奇怪な物語を聞くことで成長していく連作短編集です。収録されている「曼殊沙華」「邪恋」は生きている人が一番怖いと思わせてくれる背筋が凍るようなお話です。

(新潟大学/しろろ

 

『みとりねこ』
有川ひろ/講談社
定価1,705円(税込)購入はこちら >『旅猫リポート』の外伝を含む短編集。有川ひろワールドが炸裂。私のお気に入りは「シュレーディンガーの猫」。新米夫婦+ねこ+赤ん坊の日常が愛おしい。

(奈良女子大学/えんぴつ


『望み』
雫井脩介/角川文庫
定価748円(税込)購入はこちら > この本は、愛する息子が殺人犯なのか被害者なのかという極限状況を、父親と母親を中心とした残された家族の視点から描いた作品です。本書は法務省協力のもと映画化もされています。私は、いずれ自分が父親になったら息子のことをどう思うのか、また自分は両親からどのように思われているのかを、この本を通して考えました。そして、この映画を観た母と「お互いにどのような気持ちを抱いたか」について話したことで、親子の視点の違いを垣間見えた気がしました。ぜひ、皆さんもご自身でお読みになるのはもちろん、可能であれば親子で話してみるとこの作品のまた違った良さがわかるかもしれません。

(金沢大学/笠原 拓人)

 

『すばらしい新世界』
オルダス・ハクスリー〈大森望=訳〉/ハヤカワepi文庫
定価880円(税込)購入はこちら > 最近急にディストピア小説を読みたくなり、『一九八四年』に続けて読んだ。遺伝子の選別と、胎児の工場生産によって作り上げられた超合理的階級制度に、手軽に健康を害することなく多幸感を得られる快楽薬の配給。誰も人生に不満を抱くことがない(できない)世界の恐ろしさを体感できた。世界統制官の一人のムスタファ・モンドには、『カラマーゾフの兄弟』の大審問官のような悲哀を感じた。

(京都工芸繊維大学大学院/やもり


『さきちゃんたちの夜』
よしもとばなな/新潮文庫
定価572円(税込)購入はこちら > この本に収録されている、五編の物語の主人公の名前は、みんな「さきちゃん」である。同じ名前でも、彼女たちはそれぞれの人生を力強く歩んでいる。家族との何気ない会話一つ一つが、さきちゃんたちを前に向かせたり、時には惑わせたりして、彼女らの心の中で色濃く存在しているようだった。
最後に、私のお気に入りの言葉で、兄を亡くした「崎」が、姪っ子である「さき」と一緒に帰っているときに心の中で発した言葉を紹介したい。
「いつも同じ服着てるね、いつも同じような音楽聴いてるね、わりとパターンにはまった毎日を送ってるね、そんなふうに言われる私だが、ブルドーザーのように粘り強く力強く毎日を乗り越えていく」

(東京経済大学/bell

 

『現代病「集中できない」を知力に
変える読む力 最新スキル大全』

佐々木俊尚/東洋経済新報社
定価1,760円(税込)購入はこちら > 私が最近面白いと思った本。著者の佐々木俊尚さんは、現代のさまざまなツールを駆使して情報を集め、発信している作家兼ジャーナリストだ。佐々木さんは、集中力がないことを認めて、散漫力を上手く使えばいいとこの本で言っている。現代は便利なツールがたくさんあり集中力が分散しがちで、集中するためにはそのツールから断食する(子供なら中学生になるまでスマホを持たせないとかいうアレ)ことばかりが対策として挙げられるが、この本ではそれらのツールを使いこなして集中しなくても情報を得られるノウハウが詰まっている。「ついついスマホを見てしまう」「調べた情報が正しいのか信じられない」「集中力が欲しい」と思っている方にはぜひおすすめできる一冊だ。

(岡山大学/トト神


『旅屋おかえり』
原田マハ/集英社文庫
定価748円(税込)購入はこちら > この本を読むと、すぐに旅に出たくなる。現地の人の温もりや文化に触れ、美味しい郷土料理を食べて、温泉に入って寝る。そんな日が待ち遠しい。旅に出る目的は人それぞれだけど、「いってらっしゃい」と「おかえり」って言葉があれば、どこへでも行ける気がしてくる。

(電気通信大学/なぞなぞ

 

『病は気から、死は薬から』
塔山 郁/宝島社文庫
定価836円(税込)購入はこちら > 薬剤師が活躍する小説です。読みやすい上に豆知識も身につく。まさに一石二鳥では? ドラッグストアに行ってもどれがいいのかよくわかんないなぁ、と感じる方に読んでもらいたいです。

(金城学院大学/かもめーる


『阪急電車』
有川浩/幻冬舎文庫
定価649円(税込)購入はこちら >阪急電車に乗った様々な人のドラマです。自分にとって阪急電車はとても身近なもので、親近感が湧くと同時にほっこりさせられるような物語が多く、時間を忘れて一気に読んでしまいました。

(関西学院大学/るかや

 
※斜体の投稿者名は、ペンネームです。

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