
朝でもお昼でも夜でも。どの時間帯であっても、読書は楽しいものです。今回は、時間帯別におすすめの本をご紹介します。
朝に読みたい本
読書猿
『独学大全』
ダイヤモンド社/定価3,080円(税込)
朝は最も頭が冴えている時間だと、聞いたことがあります。そのため、朝は、何かを学ぶには最適の時間帯であると言えそうです。たまには頑張ってすこし早起きをして、勉強のための時間をとってみるのも良いかもしれませんね。
『
独学大全―― 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』(読書猿/ダイヤモンド社)は、独学をしたい人のための一冊。別名「勉強法の百科事典」であるこの本は、本の読み方から勉強のための時間の作り方まで、独学に必要なことが網羅されています。頁数が多めの本なので、最初から最後まで一気に読破するのはもちろん、独学をしていて何か困ったことが生じたときにヒントを探すために活用するのもおすすめです。手元に置いておくと、非常に心強い一冊。勉強のお供にいかがでしょうか。
昼下がりに読みたい本
嶽本野ばら
『カフェー小品集』
小学館文庫/定価524円(税込)
昼下がりには、お気に入りのカフェでおいしい珈琲や紅茶などをいただきながら、のんびり読書を楽しむのはいかがでしょうか。
『
カフェー小品集』(嶽本野ばら/小学館文庫)は、実在するカフェ(現在は閉店してしまっているお店もあります)を舞台にした短編集です。美しい文章で紡がれる作品の数々は、まるで繊細な砂糖菓子のよう。実在するカフェに思いをはせながら、一篇一篇ゆっくりと読んでみてください。また、こちらの本を片手に、カフェめぐりを楽しむのも良さそうです。
夕方に読みたい本
三浦しをん
『マナーはいらない
小説の書きかた講座』
集英社/定価1,760円(税込)
楽しく読書をしていると、自分でも小説などを書いてみたくなってくるものです。わたしだけでしょうか。いえ、きっとわたしだけではないはず。自分でちいさな物語を紡ぐことができたら、それは新しい世界をひとつ作り出すことなので、とても素敵なことです。
『
マナーはいらない 小説の書きかた講座』(三浦しをん/集英社)は、これから小説を書いてみたい方におすすめの一冊です。「マナーはいらない」というタイトルの通り、堅苦しいことは書かれていません。自由に小説を書いていくためのお手伝いをしてくれるような作品で、読むと「書きたい!」気持ちが湧いてきます。
夕方には、のんびり執筆に時間を割いてみてはいかがでしょうか。思うままに筆を走らせて物語を紡ぐ時間は、きっと夕日に照らされた窓硝子のように、きらきら輝くものになるはずです。
夜に読みたい本
キュルZ
『夜は猫といっしょ』(全4巻)
KADOKAWA/
定価(各)1,210円(税込)
夜はゆっくりまったりとした時間をすごしたいものです。ベッドに入りふわふわの毛布にくるまって、ほんのり幸福になれるような本をのんびり楽しみましょう。
『
夜は猫といっしょ』(キュルZ/KADOKAWA)は、猫のキュルガとの生活を描いた猫コミックです。猫のキュルガがとにかく可愛くて、最高に癒されます。わたしも猫ちゃんと一緒に暮らしたい。かなしいかな、わたしの家はペット禁止なので、ふわふわの毛布を猫ちゃんに見立てて撫でまわすことで我慢しようと思います。
眠れない深夜に読みたい本
星新一
『ようこそ地球さん』
新潮文庫/定価825円(税込)
なかなか寝付けない日というのは、生きていればときどきあるものです。どうしても眠れないときには、きっぱり眠るのをあきらめて、なにか本を読んでみてはいかがでしょうか。
『
ようこそ地球さん』(星新一/新潮文庫)は、「ちょっとだけ小説が読みたい」というときにぴったりの、ショートショート集です。眠れない深夜に、すこしだけ読んでみるのも良いのではないでしょうか。
『ようこそ地球さん』に収録されている42編の中でわたしが特に気に入っている作品は、「殉教」です。死者と通信できる機械を発明した男性が亡くなった妻と会話をした直後に自ら命を絶ち、それを見ていた人々も次々に命を絶っていく……というストーリーです。もしも自分の前に死者と通信できる機械があったとしたら。そして死者が「死後の世界はいいものだ」と言ってきたら。死への恐怖がなくなったとしたら。そのときは、いったいどのような行動をとるのでしょうね。読んだ後色々なことを考えてしまう作品で、より一層眠れなくなること間違いなしです(?)
執筆者紹介
門脇みなみ(かどわき・みなみ)
いずみ卒業生。猫ちゃんと暮らしたい今日この頃です。にゃー。
「卒業生のひとりごと」記事一覧