23.大人になっても読みたい絵本



 幼いころから絵本がすきでしたが、絵本は大人になって読んでも楽しいものです。気持ちがどんよりしてしまった日や、のんびり休息をとりたい日には、心安らぐ絵本を読むのがぴったり。寒い冬の日には、あたたかいお部屋でブランケットにぐるぐるくるまって絵本を読めば、心はほんわりあたたかくなるはずです。
 
 

あたたかくなったらピクニックに

工藤直子=文、いけずみひろこ=絵
『こぶたはなこさんのおべんとう』
童話屋 定価1265円(税込) 購入はこちら >

 お天気のいい日にお散歩をするのって、とても楽しいものですよね。寒い冬はすこし難しいですが、春になりあたたかくなったら、お弁当を持ってピクニックに行くのも良さそうです。ピクニックには何を持っていきましょうか。サンドイッチにおにぎりに……お弁当の内容を考えるだけでも、わくわくしてきます。
こぶたはなこさんのおべんとう』(くどうなおこ/童話屋)は、わたしが子どものころからだいすきな絵本です。「こぶたはなこ」さんと「こりすすみえ」さんは、ふたりでピクニックに行くことを計画します。おいしいお弁当を食べたり、花々をスケッチしたりするのだそうです。ふたりはサンドイッチにクッキーに、キャンディにジュースに……たくさんのお弁当を準備します。そのどれもがとてもおいしそう! けれどふたりは目的地にたどり着く前にたくさん寄り道をしてしまい、お弁当をほとんど食べきってしまうのです(ついでにスケッチブックもすべて埋めてしまうのです)。うっかりさんなふたり、なんて可愛いのでしょう。
 わたしも春になったらふたりのように、たっぷりのお弁当とスケッチブックを持って、お花がきれいな場所にピクニックに行きたいです。そのときはうっかり寄り道をしてしまわないように、気を付けなければいけませんね。
 

 

魔女になりたくて

マルカム・バード〈岡部史=訳〉
『魔女図鑑
 魔女になるための11のレッスン』

金の星社 定価2486円(税込) 購入はこちら >

 わたしは子どものころ、魔女に憧れていました。箒にのって優雅に空を飛ぶ姿や、魔法を使ってささっと問題を解決する様子がとても素敵で、わたしもそのようになりたいと思っていました。けれど、魔女のなり方は誰も教えてくれなかったのです。魔女になる方法がわからないまま、わたしは大人になってしまいました。そしてある日、一冊の絵本に出会ったのです。
魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン』(マルカム・バード/金の星社)には、魔女の家やハロウィンの楽しみ方、魔女のレシピなど、魔女になりたい人必見の内容が描かれていました。ちなみに『魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン』で取り上げられている魔女は、きらきらの魔法少女ではなく、とんがり帽子をかぶってどんよりとした家に暮らしイッヒッヒと大鍋をかきまぜているような魔女です。まさにわたしが求めていたものではありませんか!
 いますぐには無理でも、いつかわたしもこの絵本で描かれているような魔女になりたいと思います。世界のどこかで大鍋をイッヒッヒとかきまぜている怪しいとんがり帽子の人間がいたら、それはわたしかもしれません。
 

 

素敵なお店を訪ねて

高柳佐知子
『エルフさんの店』
亜紀書房 定価1650円(税込)購入はこちら >

 ちいさなお店がすきです。ほんの数人しか入ることができない喫茶店や、可愛い小物を置いている雑貨店、ささやかなパン屋さん……。ちいさな空間に魅力がぎゅっと詰まっている感じがして、とても愛おしい気持ちになるのです。
エルフさんの店』(高柳佐知子/亜紀書房)には、素敵なちいさなお店がたくさん登場します。「きまぐれ屋 エルフさんの店」をはじめ、「ハート屋 クリームさんの店」や「リボン屋 シルバーライニングさんの店」などなど。
 わたしのお気に入りは「ゆめ屋 エアリーさんの店」です。エアリーさんに「見たい夢」の絵を描いてもらって、その絵を眠るときに頭の上に貼っておくと、その夢を見ることができるそうです。ゆめ屋のエアリーさんに会うことができたら、どんな夢の絵を描いてもらいましょうか。見たい夢を見ることができるなんて、想像するだけでわくわくします。
 今日はエアリーさんの絵のかわりに『エルフさんの店』を枕元に置いて、眠ってみましょうか。そうすれば夢の中で、この絵本に登場する素敵なお店を訪ねることができるかもしれません。
 
執筆者紹介
門脇みなみ(かどわき・みなみ)
いずみ卒業生。絵本は幼少期からだいすきでした。実家にはいまでもたくさんの絵本があります。

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