第23話 食べることってなんだ?①

こんにちは、管理栄養士のタニグチです。
いよいよこのコラムも最後になりました。最後のテーマは、「食べることってなんだ?」とさせていただきました。ざっくりしていますね。最後なので、この連載コラムのタイトルである、ひとりごと感を存分に発揮し、人にとって「食べること」って何なんだろうなということを、ゆるゆるとお話できたらと思います。多分答えは一つじゃないと思います。ぜひ一緒に考えていけたらうれしいです。
この連載の中で、幾度となく「バランスよく食べましょう」と言ってきました。そんなこと言われても、ちょっととっかかりにくいというか、よくわかりませんよね。じゃあどうするの?っていう。
昔から、バー状やゼリー状の、栄養補給を目的とした食品ってありますよね。近年では「カロパ(摂取カロリー当たりの栄養バランスのこと)凄い」と謳ったカレーやラーメンなども販売されています(これに関しては、私が大学の時に授業で作った完全栄養食品なるものは、到底食べられるものではなかったので、科学技術の進歩ってすげーと思いつつ)。これでバランスよく食べられるなら、すごい楽ちんですよね。
たまにはいいと思います。すごく忙しくてゆっくりご飯を食べられない日とか。でも、このような食事が続くと、なんだか、心がしゅんと、さみしくなりませんか?

「食べること」って、ただ単に栄養を補給するだけじゃなく、いろんな香りを楽しんで、色を見て、食感を楽しんで、五感をフル活動させて行うことだと思うのです。夏はキンキンに冷やした真っ赤なスイカがおいしいなとか、冬はみんなでわいわい鍋を囲むと楽しいねとか。
バランスよくって、難しく考えず、毎回の食事を楽しんで、ご飯とおかずをベースに、いろいろな食材を摂ってみてほしいなと思います。食べたことない野菜にチャレンジしてみたり、たまには季節の果物を食べてみたり。そうすると、いろんな栄養素が摂れるのはもちろんうれしいことなのですが、やっぱり心が豊かになると思うんです。ぜひ、心のため、体のため、少しだけでいいので、いろんな食べ物を食べるようにしてみてください。

