埼玉大学では、地元で役に立ちたいと願う人材を多く輩出しています。また、すべての学部が同じキャンパスに集まっており、進学後に進路を選択しやすいのも大きな特徴です。今回は、受験生の保護者様と現役の埼玉大生にお集まりいただき、埼玉大学の入試や受験対策について、また部活と勉強の両立についてなどをお話していただきました。
埼玉大学生協 理事長 藤原 隆司先生
藤原 隆司先生(以下、藤原先生):
それではここからは、皆さんのご質問にお答えしたいと思います。
まず初めに、保護者の方から、自己紹介をお願いできますでしょうか。
木田 陽子さん
木田 陽子さん(以下、木田さん):
木田陽子と申します。長男が高校1年生です。ついこの間まで受験生だったので、また受験かという感じですが、早い方がいいのかなと思いましてお話を聞きにきました。どうぞよろしくお願いします。
川下 弘子さん
川下 弘子さん(以下、川下さん):
川下弘子と申します。長男が高校2年です。私は長男を埼玉大学に入れたいと思っております。先日、本人がオープンキャンパスに行きまして、いろいろ考えたことがあるようです。よろしくお願いいたします。
荒井 雅子さん
荒井 雅子さん(以下、荒井さん):
荒井雅子です。次男が高校1年生です。2学年上の女の子もおりまして、ちょうど今年受験です。ちなみに、長男はこの間大学を卒業して就職しました。ですので、長男の時に受験は経験しているのですけれども、6年も空いてしまうとだいぶ受験の事情が変わってしまうこともあるかと思いまして、今回参加しました。よろしくお願いします。
中島 恵さん(以下、中島さん):
中島恵です。長男が今年高校に入学したばかりです。部活動と勉強の両立を皆さんがどのようにされているのか伺いたいです。子どもは部活に重きを置いているようで、進学には今のところあまり興味がなさそうなので、ちょっと不安です。よろしくお願いします。
曲渕 修さん
曲渕 修さん(以下、曲渕さん):
曲渕修と申します。次男が高校1年生です。理系・文系、どちらを選ぶか悩んでいた中、一応、理系を選択しましたが、親のかじ取りでそちらに行ってしまったような気がしています。できれば、自分の進路については自分で選択してほしいと思っていますが、ついつい口を出してしまう日々です。
藤原先生:
ありがとうございます。では、質問をお願いします。
木田さん:
やはり理系は、大学院へ行くのが当たり前と考えるものなのでしょうか。
藤原先生:
埼玉大学の理学部は大学院への進学が比較的多いです。ただ、修士課程に2年行って、その後、博士課程に3年行くと、年齢的には27、28歳になってしまいますので、そこから就職するのはなかなか大変です。本人は研究所や大学の先生になりたいという気持ちが強くても、なかなか門が狭くなっていきますので、その辺りは親御さんも覚悟して送り出してあげないといけないと私は思います。
博士課程を出てすぐは大学に就職できないので、いったん海外で2、3年修行して戻ってくるなど、そういうことをしないと難しい状況というのが正直なところですね。埼玉大学では50人の定員で、30人ぐらいが修士課程に進学しています。
一方で、工学部はそうでもありません。工学部はどちらかというと実学なので、すぐに役立ちます。電気回路系や機械系などは密接に産業界とリンクしているので、働くイメージが湧きやすいのかもしれません。その点、理学部の6割ぐらいは修士に進学する傾向にあります。
木田さん:
埼玉大学の理系学部は、理学部と工学部とがありますよね。まだ理学部にするか工学部にするかわからないという段階では、理工学部のように一つになった大学を考えた方がいいのか、それとも各学部の研究内容を見たうえで、理学部か、工学部かを決めた方がいいのか、アドバイスをいただけますか。
藤原先生:
研究内容から判断するのは、高校生にはなかなか難しいですよね。また、理学部の先生でも工学部出身であったり、工学部の先生でも理学部出身であったり、ということもあります。
木田さん:
1、2年生の間は基本的に両方とも学ぶのですか。
藤原先生:
学部では基礎的なこともやりますが、やっぱり工学部だったら工学部の勉強を中心に学びますね。
ただ、大学によっては理工学部のようなところもあるので、そのような大学は学科が細かく分かれていて、理学部っぽい学科と、工学部っぽい学科があるようです。でも、学部としては混ざっているから、理学部の先生と工学部の先生がいます。
木田さん:
高校1年生の時に理系と文系の選択をしますが、息子はそこでもやっぱりなかなか決めかねているので、大学に入る前に学部まで決めてしまうのは不安ではないかと思います。
藤原先生:
学生の中には進学してから、転部する学生もいます。理学部に入ったけれど、やっぱり文系に行きたいと埼玉大学教養学部に転部するような形です。私が思うに、それはもしかしたら受験の時の指導で、先生に言われてしまって決めてしまったのかもしれないかもと感じています。でもやっぱり転学したいと思う学生も一定数いるようです。理学部から工学部へ転部する子はあまりいないような気がしますけれども、文系に行く学生が時たまいますね。文系から理系はちょっと大変ですが、理系の教科を受けていたら、文系の学科は何とかなります。例えば経済学部では数学をやりますから。
最近は、文部科学省で学部や学科を再編しているので、かなり分離の境目が曖昧になっている気がします。理学部でも、コンピューターでシミュレーションするような研究をテーマにする先生もいて、そこの研究生はいわゆるIT系のところに就職したりもします。ですから、インターネットなどで学部の情報を見てピンと来るところを選ぶといいと思います。例えば、生物で何か研究がやりたいなと思っていたら、そういう研究室があるような大学を探されて行くと良いと思います。ただ、インターネットで調べて面白そうだなと来てみたら、先生が定年で辞めてしまったりする場合もあるので、そこは注意をされてください。
曲渕さん:
令和7年度から、埼玉県内の教員志望人数が少ないので、地元で教員になることを想定した地域枠を設定すると聞きました。教育学部ではどのぐらいの地域枠を設ける予定でいるのでしょうか。
藤原先生:
学科によって違いがあるかもしれませんね。教育学部1年生の長尾さん、いかがですか。
長尾 みずきさん(以下、長尾さん):
教育学部は、小学校コース、中学校コース、それから、乳幼児教育、特別支援教育と、あと養護教員というのに分かれていて、小学校・中学校コースはさらに教科ごとに専修が分かれています。その専修によっても、全体の募集人数や推薦と一般を合わせた人数も結構違っています。例えば、私が今、所属している中学校コースの社会専修は、定員が一般の先生を合わせて10人で、推薦が2人、残りの8人が一般です。
藤原先生:
ありがとうございました。