全国大学生活協同組合連合会
※データの無断転載はお断りいたします。
2023年3月1日
概要報告内表記について
本調査は2023年1月31日に速報版を公開している。
https://www.univcoop.or.jp/press/life/report58_01.html
この報告と合わせてご覧いただきたい。速報版では、調査の自由記入欄に寄せられた学生の様々な声も掲載しており、実態が伝わってくる。
学生はコロナ禍にかなり適応しつつある。しかし、サークル所属・加入率はコロナ禍前には戻らず、SNSや学外団体等のコミュニティの比重が高まっている可能性がある。
「アルバイト収入」はコロナ禍前の水準にほぼ回復
行動制約緩和に伴い「教養娯楽費」「交通費」「食費」の支出が増え、「貯金・繰越金」が減少
「仕送り」減で「収入合計」減少
「教養娯楽費」「交通費」の支出が増え、「貯金・繰越金」が減少
奨学金受給者は30.8%
「給付型」奨学金の受給者は約1割
「貸与型」奨学金受給者の71.6%が返還に不安を感じている
就労率は回復しているがコロナ禍前に届かず/1年生の就労率がやや減少
「旅行・レジャー」が増え、「サークル費」が減少するなど使途に変化
特別費支出の内訳にコロナ禍での行動や価値観の変化が見られる
月々の収支変化による短期的な暮らし向きの評価が悪化
主な家計支持者の収入が「減少した」は10.7%(前年14.0%)と家計の困難は続いている。
※暮らし向き:「楽な方」は「大変楽な方」+「楽な方」、「苦しい方」は「苦しい方」+「大変苦しい方」
※今後の見通し:「よくなりそう」は「かなりよくなりそう」+「少しはよくなりそう」、「苦しくなりそう」は「少し苦しくなりそう」+「かなり苦しくなりそう」
登校日数はコロナ禍前(19年)の9割まで回復するも、大学毎の格差が一部残っている
対面授業が拡大/「同じ日に対面とオンラインの授業がある」ことへの不満の声
学内での長時間滞在は大幅に減少
「学生生活の充実度」は回復傾向/とりわけ1年生の「充実度」は過去最高値
低学年を中心に授業形態の変化への適応が見られる
サークル所属・加入率の回復は鈍く、大学生活の重点に変化の傾向も
コロナ禍直後の20年に就職への不安は一気に上がり、
21年にやや落ち着いたが、この10年間では増加傾向
特に2年生・3年生は不安が大きい
22年7月参議院選挙に「投票をした」は51.8%
自宅外生の投票しなかった理由は「今の住所に選挙権がない」が過半数
コロナ禍3年目となり、当初増幅した不安は落ち着きを見せつつある
相対的に経済的な不安が増加、今後も増加の傾向か
「時間がない」と感じる大学生がコロナ禍で増加
「対人関係」「心身の不調」は大学生活の充実度による格差が大きい
学生生活が「充実している」人と「充実していない」人とでは、気にかかっていることに大きな違いがある。とりわけ対人関係や健康関連における格差が大きい。大学入学後にできた友だちの数にも大きな開きがある。
※「充実している」は学生生活が「充実している」+「まあ充実している」
「充実していない」は学生生活が「あまり充実していない」+「充実していない」
依然少なくない大学生が消費者トラブルに遭遇
とりわけ一人暮らしの学生に多い傾向
成年年齢引き下げによる消費者トラブルの拡大傾向は見られない
「大学入学後に遭遇したトラブル」(複数回答)のうち、いわゆる消費者トラブルが、30大学回答者9,126人で4.5%・412件発生しており、かなりの件数となっている。
※消費者トラブル
「訪問販売契約」「キャッチセールス」「ネット上での詐欺的金銭トラブル」「振り込め詐欺」「マルチ商法」
朝食摂取率は大幅に回復/対面講義復活による生活習慣の変化か
飲食回数が増加の傾向
飲食した人の1回の飲食代は、朝食257円(前年+48円・19年+48円)、昼食534円(同+3円・+57円)、夕食890円(同+35円・+127円)と前年や19年より50~100円高くなった。
※食事時間帯 朝食(~9時)・朝昼兼用食(9~11時)・昼食(11~14時)・中間食(14~17時)・夕食(17~21時)・深夜食(21時以降)
50%以上の学生がSNS利用時間「3時間以上」
有料動画配信サービスも半分以上が利用
1日の読書時間は微増
1日の勉強時間はコロナ前よりも増加傾向