CASE 9

電子コンテンツを使った授業を開始!
苦手意識を持たずに「楽しく」をモットーに!

宮城大学
大塚 眞理子教授

大塚 眞理子教授


 

 

聞き手:大学生協東京事業連合 森川佳則
 

──大学生協の電子書籍システムを採用しようと思ったきっかけは?
大塚:
昨年2017年度から1年生にパソコンを必携にするということになりました。ですから、パソコンを使って電子書籍を入れて授業するということを始めました。


──受講されている学生数、採用されている講義数について教えてください。
大塚:
看護学群は1年生約90人おります。2年生、3年生と老年看護の講義を続けていきますので、今3科目ですね、この電子書籍を使って授業しております。


──複数の先生でご利用いただいているのですが、多くの先生が取り組むうえでのポイントとかご苦労された点がありましたら教えてください。
大塚:
老年看護学の一連の授業の中で使っておりますので、使っているのは今老年看護学を担当している教員たちでございます。学生の様子・使い方等を共有しながらみんなで相談しながらやっているところです。もっと外に・・といいますか他の科目にも広げたいところなんですけども、ちょっとそれが課題かなと思っています。


──宮城大学では、老年看護の複数の方にご利用を頂いているのですが、多くの教員で取り組むときのポイントとかご苦労されている点、ありましたら教えてください。
大塚:
やはり学生の反応が大事かなと思いますので、学生の反応を教員同士で共有しながら、また学生がこんな工夫をしているということも伝えて、教員でも工夫するようにしています。


──大塚先生が1年生の最初の授業じゃないですか?大変かとは思うのですが、とりわけ最初の授業の担当として気をつけている点、苦労している点ありましたら教えてください。
大塚:
初めて使うものですので苦手意識を持たない様にしたいなと思っています。なので『楽しく』ということを常に心がけています。


──『楽しく』のためになにか特徴的に機能を使う工夫をされていることはありますか?
大塚:
アンケート機能が面白いなというふうに思っていまして、アンケート機能を使って、ちょっと砕けた質問をしたりとか、あるいはミニテストの中に砕けた回答を入れたりということで楽しさを醸し出すようにしています。


──また、楽しいだけではなく、検索であるとかそういうところも結構取り組まれていましたよね。
大塚:
はい。検索機能はとてもいい機能だなというふうに思っています。ひとつの言葉が教科書の中でたくさんあちこちに出てきますので、どんなところでどんなふうに使われているのか・・それがこの科目の中でとても大事だということを学生に印象付けることができますし、あとWeb検索もとても面白いかなと思います。その知識をもっと広げてたたくさんの知識を得るということに使えるかなと思います。


──少し質問をふくらませます。今日、授業の前に講義資料配信をしたら17人のひとが先に動画を見ていてというのがあったじゃないですか。先にログを見ていると、非常に学生さんがやってほしいことをやっているのがわかるのは、先生としても張りが出ますよね。
大塚:
今回の電子書籍をいれてとてもよかったなと思うのは、事前学習、事後学習ということにこちらが力を入れられるということです。授業の前にこういうことの準備をしてから来てくださいね。それ自己責任ですよ。ということも強調しました。ペーパーレスということもありますし、学生さんはしっかり守ってやってきてくれているなと思います。


──学生の姿で変化があったポイントとか成果だなと思われることがありましたらお教えください。
大塚:
90分の授業が大変短く感じられる・・。まあ私だけではなく学生もそうかなと思います。と申しますのは、非常に集中して授業に参加しているという様子がうかがえます。自分でいろいろな勉強の仕方を工夫しているというのもうかがえまして、これは電子書籍を入れたひとつの成果かなとも思っています。


──看護という学術野でICT機器を活用した学習について今後どのようなことが起こるか、どのようなことを期待されるかお教えください。
大塚:
世の中がもうICT,AIの時代ということで大きく動いています。看護もそれに遅れないで対応できる人材育成が必要だなというふうに思っておりますので、こういう授業がもっともっと増えて学生が苦手意識を持たずに普通のこととして取り組めるようになることが大事かなと思っています。


──今回、大学生協(本部)と宮城大学生協(お店)と先生とでタッグを組んでやらせていただいたのですが、このようなことを大学生協がやっていく中で、実際一緒にやっていく中で期待することとか、評価とかありましたらお教えください。
大塚:
私も含めて教員がまだまだICTに不慣れなところもあるのですけど、そこをよくサポートしていただいていると思います。学生のサポートにもたいへんご協力を頂いていますので是非これからもその関係を強化していただきたいなと思っています。  

 
大塚 眞理子(おおつか まりこ)

学歴
1981年3月 千葉大学看護学部卒業
1998年3月 千葉大学大学院看護学研究科博士前期課程修了
2001年3月 千葉大学大学院看護学研究科博士後期課程修了

主な職歴
1981年4月 王子生協病院 看護師
1984年4月 埼玉県立衛生短期大学看護学科 助手
1990年4月 埼玉県立衛生短期大学 講師
1998年4月 埼玉県立衛生短期大学 助教授
1999年4月 埼玉県立大学保健医療福祉学部 助教授
2005年4月 埼玉県立大学保健医療福祉学部 教授
2009年4月 埼玉県立大学大学院 教授(兼務)
2014年10月千葉大学大学院看護学研究科 特任教授
2016年4月 宮城大学看護学部 教授

本学における担当科目
ライフステージ看護学概論Ⅰ、老年看護学実習、総合実習、卒業研究、老年健康看護学特論・演習、老年健康看護援助論Ⅰ・Ⅱ・演習、老年健康看護学実習、老年健康看護学課題研究、看護学特別研究、生涯健康支援看護学研究方法特論、生涯健康支援看護学特論・特別研究、成熟期健康支援看護学演習

専門分野
老年看護学、老年看護学教育、認知症ケア、家族支援、地域包括ケア、専門職連携実践(IPW)、専門職連携教育(IPE)

所属学会・社会活動等
日本老年看護学会、日本認知症ケア学会、千葉看護学会、日本看護学教育学会、日本保健医療福祉連携教育学会、日本看護科学学会、日本プライマリ・ケア連合学会

主な著書・論文
<著書>「食べること」を支えるケアと専門職連携実践(2012)
<著書>カラー写真で学ぶ 高齢者の看護技術(2012)
<著書>認知症の人の家族支援 介護者支援に携わる人へ(2015)
<著書>認知症ケアガイドブック(2016)
<著書>はじめて学ぶケーススタディ(2016)
<論文>専門職連携のための中堅職員研修プログラムの作成(2014)
<論文>地域包括支援センターが把握した地域で暮らす高齢者の孤立死の類型化 看護職への調査から(2016)
<論文>IPWコンピテンシー自己評価尺度の開発(第一報)-病院に勤務する中堅の専門職種への調査から(2016)

研究内容
    1.認知症高齢者の長期療養を専門職連携実践で支える研修プログラムの開発
    2.地域高齢者と専門職及び学生の連携協働による支えあい地域づくり
    3.都市型診療所の看護師のコンピテンシーとその構造
    4.地域中小規模病院の看護師のための老年看護研修プログラムの開発
 
 

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