未来 リナ 氏インタビュー “Romanticize your life.” ~あなたの人生をポジティブでハッピーにするために~

SNS発信に至るまで

ライフスタイルクリエイターとしての活動

未来さんのライフスタイルクリエイターとしての活動について教えてください。

大学生の方も自分が何をしたいのか分からないというお話がありましたが、私自身も同じような時期がありました。私が人生を通してやっていきたいことって何だろうと考えていたのです。
そんなとき私は「ソウルノート」という、自分の心の中の本音を書き出すノートを開きます。ノートに向き合っていく中で、形は何であれ、私は人に対してポジティブなインスピレーションを与えられる人間でありたいと思いました。誰かの元気や勇気につながるモチベーションとなるようなことを発信できる立場の人間でありたいと。そして私たちみんなに共通するホームは地球で、人間に限らず動物も植物も全てがこの星で暮らしているので、自分を大切にするのと同じように地球も大切にしていきたいと考えました。

それを私自身が1人の人間として意識して生活するだけではなくて、もっと多くの人に発信していきたいと思ったのですね。発信するには、いろいろなやり方があります。歌声や曲で届ける人、絵を描いて届ける人、女優、保育士……。私の場合はクリエイティビティが大好きで、やりたいことがすごくたくさんありました。アートも好きですし、歌やダンスなど自分の体を使って表現することも好きです。本も書きたいし、ノートも作りたいし、YouTubeで動画を作ったり、インスタで言葉を発信したりすることも。好きなことがあまりにもありすぎて、一つの言葉で表しきれませんでした。それらで共通しているのは誰かのライフスタイルに影響を与えることだと思ったので、ライフスタイルクリエイターという肩書きを作りました。

未来さんの、こんなにたくさんのことをやりたいと思う原動力は何ですか。

ライフスタイルクリエイターという肩書を持って活動してはいますが、それでも結局自分は何なのだろうと思うことはたくさんあります。大事なことは、形よりも自分は何を大切にしたいかだと思うんですよね。何をするかよりも何でありたいか、どうありたいか。私が自分に向き合っていく中で、変わらなかったのが「愛」と「希望」です。全ての始まりは「愛」だと思っています。愛があるから音楽が作られるし、食べ物を供給してくれる畑の人たちがいる。きっとそこには愛があるから、誰かに届けたいものが生まれると思うのですよね。

次に、届けるツールは何がいいんだろうと自分と対話してみると、大好きなのは絵を描くこと、踊ること、歌うこと……。大人になるとプレッシャーでやらなくてはいけないことばかりだけど、それを一回全部取り払って子どもの頃の心に返ったつもりで考えてみると、自分って意外と好きなことが多いし、実は得意だったりするということに気付きました。

SNSとヴィーガンが私を救った

未来さん自身、摂食障害や鬱であったというつらい過去を乗り越えて今現在活動をされています。公表されるのはすごく勇気がいることだったと思いますが、それを発信しようと思った経緯をお聞かせください。

摂食障害について公表し、発信したきっかけは二つあります。一つ目は、同じように摂食障害や鬱で戦っている海外の同世代の女の子たちが、InstagramやYouTubeで自分たちが毎日どんなチャレンジを積み重ねているかを発信していたことです。私は毎日、その子たちの日記を読んでいました。本当は食べられないのに食べて乗り越えたとか、そういう投稿を見ると、目には見えないエネルギーが背中を押してくれると感じ、自分は1人じゃないんだと思えて、本当に日々頑張れました。

摂食障害とか鬱って、経験した人にしか分からない苦労があります。本当に毎日自分との戦いだったのですが、それを私が克服していくにつれて、同じように悩んでいる子たちがこんなにもたくさんいることを初めて知りました。特に日本の女の子たちに向けて、彼女たちに勇気、モチベーション、メッセージを伝えるために発進をしたいなと思ったことがまず一つありました。

二つ目は、私が摂食障害を克服すると決心したことの一つに「ヴィーガン」というライフスタイルがありました。畜産業はじめさまざまな産業の背景をドキュメンタリーにしたものを初めて見て、私たちが食べているものの現実を知ったときに、これを見て見ぬふりをしては今後生きていけないと思いました。
私は動物も自然も大好きで、それは地球への愛に通じます。人間のせいでこの星の寿命を狭めてしまうと、子どもたちや動物・植物の未来をなくしてしまう。それはあまりにも悲しすぎるから、自分が1人の人間として地球のためにできることをもっと増やしたい。その意識を軸に人生を生きていきたいなと思ったんです。

それを自分だけでなく周りにも発信していきたいと思ったときに、当時私は鬱と摂食障害で体重が減少し、見た目も健康的ではありませんでした。メンタルはもっと不健康だったので、これでは私がどんなに地球を大切にしよう、未来を残そうと言ったところで、説得力などないと思いました。だから、まずはメッセージを伝えるために説得力を付けたいと思ったことが、自分を愛し病を克服することや発信することにつながりました。

「セルフケア」、「セルフラブ」

自分と向き合って自分を大切にしていくために、何かされていることや大切にしているマインドがあれば教えてください。

自分が愛で満ちていなかったら、自分の心に余裕がなかったら、人にも優しくできないし、余裕をもって人と接することもできません。ひいては地球にも意識を向けて、もっと大切にしようという気持ちにはなれないと思うのですね。だから、まずは自分を大切にすること。自分の心と身体の健康を優先してスケジュールを組み立てるというライフスタイルを確立するということが基本だと思います。

その上で、私が日々欠かさないようにしているのは、セルフケアです。私たちの体も心も毎日変化しています。だから、必ずしも毎日ポジティブでいないといけないとか、もうハッピーで、“everything is fine.”でいないといけないというわけではありません。毎日変化する自分の心と身体の声をよく聞いて向き合って、その時自分に必要なことを考える。もしかしたら今日はいつもより長くお風呂に入ったほうがいいかもしれない。ちょっと音楽をつけてキャンドルをたいてみようとか、今日はアロマをたいてみようとか、今日はいつもと違うスペシャルな料理を作ってみようとか、その時必要なものって変わってくると思うのです。

「セルフケア」、「セルフラブ」という言葉をSNSでよく見かけますが、“to do list”みたいに、これとこれをやったらセルフケアになる、そういう発信とは私は少し考えが違います。やはり心も身体も変化しているものだと思うので、その時に自分が必要だと思うものを取り入れて、必要じゃないと思うものはデトックスして、というのを日々繰り返すことを大切にしています。

現在の大学生はいろいろなことに追われて、自らを顧みる余裕がないのかもしれません。1日の最後に少しでも自分と向き合う時間を作ることで、自分に今何が必要か、逆に何が足りないのかが分かるかなと思いました。