受験生の保護者座談会
@埼玉大学(2023年開催)
現役大学生からのメッセージ

  • 伊藤 瑞起さん(東洋大学 理工学部機械工学科1年 推薦入試)
  • 政重 彰吾さん(食環境科学部食環境科学科フードサイエンス専攻1年 一般入試)

現役大学生からのメッセージ①

理工学部機械工学科1年 伊藤 瑞起さん(推薦入試)

進学の少ない高校から大学へ


伊藤 瑞起さん

自分の高校はちょっと特殊で、高校から機械の勉強していました。カリキュラム的にも、古文や漢文は習ったことがありません。数学も、数Ⅱをちょっとかじったくらい。逆に専門分野をずっとやっていて、実習などもたくさんありました。

スポーツ高校だったこともあって、週7で、本当に朝から野球をやっていました。夜10時までとかそういう感じです。それで勉強に力を入れてなかったです。うちの高校は、就職する人、公務員、大学だと、就職の割合が多いです。1年生から2年生に上がるときに一回、コースを選ぶのですが、大学は全然自信もなくて、行けないなと思いました。就職よりは安定しているからと、公務員を選んだのですけど、でも何か違うなと思って、2年生から3年生で最後にコースを選ぶときに就職に行きました。

自分の母親も大学に行っていなかったので、大学に行ってほしいとずっと言われていました。あるとき、YouTubeのコメント欄を見たら、「大学に行ってみたい人生だった」って書いているコメント欄を見て、何かすごく考えさせられたんです。自分のやりたいことって何だろうって思ったときに、自分は秋田県出身なんですが、秋田県は高齢化率と人口減少率、全国トップなんです。自分の町内でも、子どもは自分しかいないんですよ。

秋田は雪が降るので、高齢者の人たちが雪かきをしている途中に事故が起きたりもします。それで、自分がやりたいことは何かなと考えたとき、健康寿命を延ばしたいなと思いました。それは大学でしかできないなと思って、大学に行きたいなと思ったのが3年生のときです。でも、勉強も全然、できていませんでした。最初は、工業高校からも受けられる秋田県の国公立のAO入試を受けましたが、それは駄目でした。でも、自分たちの高校は推薦入試が最後の砦。一般入試は、先生から、絶対話に出ないんですよ。それで自分はなぜ東洋大を選んだかというと、ロボットで健康寿命を延ばしたかったんです。医療とロボットを研究する研究室があったので、ここに決めました。

保護者の方からの質問

鈴木先生:
推薦よく間に合ったね。

伊藤さん:
機械工学科と医用工学科、生体工学科という学科がありまして、先生からあなたのやりたいことは生体工学科だと言われていたのですが、自分は国公立のAOを受けてしまったので、生体工学科は指定校専願の人に枠が回っていました。それで機械工学にしたんです。
一人暮らしの準備については、自分はずっと実家で暮らすものだと思っていたので、本当にばたばたで、何をすればいいのかわかりませんでした。

鈴木先生:
アパート探しはいつからしたの?指定校推薦で年内には一応、合格は決まったんだよね。

伊藤さん:
1月の、ちょうど共通テストの前で合格が決まりました。でも、共通テストは必ず受けろと言われていたので、それが終わった後に家を探しました。推薦は一般受験の人より時期が早いじゃないですか。でも、合格が決まったその日に電話したら、もう予約キャンセル待ち10人とか。みんな合格前から家探しなどの準備はしているんだなと思いました。最初はアパートじゃなくて学生寮が良かったんですが、そこは全部埋まっているという状態でした。
急に上京するということになったんですけど、東洋大学にしてすごくよかったなと、今でも毎日思うんですね。

道髙さん:
何がよかったですか。

伊藤さん:
さっき鈴木先生が、高校でできなかったことを大学でできるとお話していました。自分は野球をやっていてできなかったのですが、ずっとボランティアをしたいという気持ちがありました。東洋大学はすごくボランティア活動が充実していて、今もボランティアやSDGsの活動をしています。アンバサダーをやらしていただいています。

鈴木先生:
東洋大学はもともと社会貢献を大事にしていて、社会貢献センターというのがあります。今SDGsを推進しているじゃないですか。学生の側でいろんな活動をやっているので、SDGsアンバサダーというかたちで任命して、大学もサポートするからどんどんやってくださいといっています。

伊藤さん:
その関連で、ヴィーガンについて考えたりしています。
川越は全体で4000人ぐらいの学生がいるのですが、白山キャンパスの学生が多いんです。やっぱりそういう活動をやっていると、白山キャンパスの知り合いの人が自然と増えてきて、いろんな学部、学科の人と知り合えます。それは秋田県にいたら絶対に出会えない人たちだったと思います。
あと、テスト期間中、1人で勉強できるかすごく不安だったときに、アンバサダーで経済学部4年生の人が、勉強会をオンラインでやろうと言って、LINEでつないで、タイムキーパーをしてくれたりと、本当に充実しているなと思いました。

道髙さん:
うちの娘もオンラインでつないでやっていますね。みんなとやると頑張れるんだよね。

鈴木先生:
将来、戻ろうという気持ちはまだありますか。

伊藤さん:
親から戻ってきてねというふうに言われていたのですが、自分の親もこちらに来て、1週間一緒に暮らしてみたときに、こっちの環境を見て、無理に戻ってこいと言えなくなったと。自分もこっちは魅力的なことが多いなと感じています。

現役大学生からのメッセージ②

食環境科学部食環境科学科フードサイエンス専攻1年 政重 彰吾さん(一般入試)

オンライン上の情報が受験の励みに


政重 彰吾さん

僕は高校に入った直後は、大学のことは全然考えていませんでした。高校受験が終わったみたいな感じで、部活をやったり、遊んだりしていました。ただ、やっぱり両親から、「大学はどこにしようか決めたの」と言われたんですね。

高校生になってから、みんなそうかはわかりませんが、何か哲学的なことを考えることが多くなりました。自分にできることって何だろうか、みたいな。池上彰さんが『君たちはどう生きるか』という本を紹介されていて、その本を読んだりしました。

高校から配信をやりたいと思って、スマホを使ってしたりしていました。そんななか、高校を卒業してから就職した方とか、中卒で生きている方とか、そういう方のお話をいろいろ聞いたりして、本当に何か哲学的な話になってしまうんですけれど、生きる理由って、死んだ瞬間に決まるものなんだよな、という感じのことを思うようになりました。

自分が興味あることって何だろうなって思っていたときに、先ほどお話しましたが、母親がサプリを飲み始めて、口内炎ならビタミンBを取らないと、といった話をしていて、だんだんそのことに興味を持ち始めたんです。

うちの高校はタブレット支給制だったのですが、それでAOについての調べものをして、そこからインターネット小説でAO関係の話を投稿したりしているうちに、大学でもこういうのを学びたいなと思い始めました。それで一番近くにあったのが、東洋大学でした。

東洋大学に決めた瞬間から、英検の2級は絶対に取ろうと思って頑張っていたのですが、英検に関しては、僕は失敗したなと思うことがあります。2回ぐらい2級を落としてしまったんです。これは普通に英語を受けた方がいいという選択肢もあったにもかかわらず、高3の冬まで英検をずっとやり続けていた。他にも選択肢あったかもしれないのに、狭めてしまったなという後悔は、今もありますね。

あと、お子さまの質問に、内部生、外部生についてあったと思います。LINEのオープンチャットってあると思うんですが、そこに東洋大学の学生さんのためのオープンチャットがあります。そこで、こういう悩みがある、今こういう勉強で悩んでいるみたいな話をすると、それに東洋生が返してくれたりして、それも励みになりました。自分で調べるより、現役の人がしっかり教えてくれるので、それがモチベーションにもつながって、頑張って受かったという感じですかね。

保護者の方からの質問

鈴木先生:
共通テストは受けたのですか。

政重さん:
共通テストを落としてしまったので、僕は3月の一般後期で受かりました。
他の大学はすべて補欠合格扱いになってしまって、この後どうすればいいのか、待つべきなのか、他の大学に行くべきなのか。金銭の都合もあるので、結局、東洋大学のフードサイエンスだけ受けておこうという感じになって、それが合格しました。

鈴木先生:
なるほど。でも共通テストを受けたということは、高校時代に食環境科学部のフードサイエンス専攻で、理系学部だけど、国語も社会も受験に使ったということですね。

政重さん:
そうですね。僕の場合は3科目受験、英、国、社です。全然、理系とは関係ないのですが、英語は英検でやり続けたので、その経験を元に、赤本を読んで勉強していました。国語はほとんど勉強をしていなかったのですが、共通テストの模擬試験のようなもので90点台も取れたので、国語は置いておいて、苦手な社会をやろうと思って、苦手な方に完全に絞ってやるスタンスで勉強していました。

鈴木先生:
社会化の勉強法は、うちの子どもにも参考にするので教えていただきたいです。

政重さん:
時系列でやるといいというふうにYouTubeのチャンネルなどでも言っていたので、その通りにやりました。あとは、親からスケジュールの話を結構されていたので、1週間前にスケジュールを更新して、あとは1カ月でどの参考書を終わらせるかというような目標も立てていました。
あとは自分で、今週はちょっと部活が大変だから勉強時間は少なくなる、みたいな感じの予定をつくってやっていましたね。
受験日までにどの参考書をどの程度までやれば安心できるかというのを目安にして決めていました。あと大事にしていたのは、1週間の最後の日曜日は、月、火、水、木、金、土でやろうとしていた目標に達しなかったなというのを終わらせる日と決めていました。あとは、さっきお話しましたが、親にその日学んだことについて教えるということをやっていました。教える楽しさを知ることも大事なのかなと思います。
僕自身が、高校1年生のときは本当に何もせずにいたので、あまり自分が何かをする、自分のために何かをするというのが、あまりよくわかっていませんでした。その分、誰かわからない人のために教えるということなら、モチベーションも絶対上がると思ってやり始めたという感じですね。

中越さん:
国語が好きだったから、高校は文系だったのでしょうか。それでも理系を受けたということですか。

政重さん:
最初は文系の学科を探していたんですけれども、消防士とか、漫画家とか、そういったものが収録されている本を父親が買ってくれて、その中に食関係の仕事がありました。それがずっと心に残っていたというか、やりたいと思ったので。でも、2年生に上がるとき、何も考えずに文系にしてしまっていました。

道髙さん:
でも結局、やっぱり学んでいく過程で、やりたいものが変わってきますよね。

政重さん:
高校のときは公務員でいいやって、本当にそういうふうに思っていましたね。

道髙さん:
うちもまだ、理系苦手だから文系にしよう、で、世界史は広すぎるから日本史にしようという感じです。

政重さん:
そうですね。小学校のときから、総合の授業で夢について語りましょうというのがあって、そのときもころころ変わっていたから、どうしようかな、どうしようかな、どうせ変わるんだろうなと思っていました。

木村さん:
文系から理系に行くのは大変ですか。

政重さん:
本当に大変ですけれど、やっぱり自分がなりたいもののために大学に行かないと、途中でやめてしまうだろうなと思います。

受験生の保護者座談会


全国の新入生応援サイトを見つける