横川 楓 氏 インタビュー

経済が学生に与える影響

マイナス金利政策の解除

学生には少し難しい話題にはなりますが、先日「マイナス金利政策を解除」という発表がなされました。おそらく今の学生世代は、物心がついた頃にはもうすでにこの政策の下に社会は動いていたと思います。実際には微々たるものかもしれませんが、若者世代への影響や今後の消費活動にどのような影響が出るのか教えてください。

マイナス金利政策の解除で一番身近というか、誰にでも関係があることは、銀行にお金を預けても今までは金利が低く、利息がもらえなかったのですが、金利が上がることで単純に銀行に預けているともらえるお金が増えるということです。ですから、あとどれくらい金利が上がるかわからないですけど、ただ銀行にお金を預けても増えない時代は、これからもしかしたらなくなっていくかもしれないというのがまず一つです。

あとは、学生の皆さんにはおそらく卒業後に関係してくるのが住宅ローンですよね。この政策により、住宅ローンの金利が徐々に上がる可能性があるので、実際に大人の間では話題になることが多くなっています。今まではマイナス金利だったこともあって、家を買うためのお金を借りると、借りたお金の利息は低く抑えられており、プラスアルファで支払うお金も安くできるため、住宅ローンを利用する際の支払いも少なくて良かったのが、このマイナス金利が解除されることで住宅ローンを利用する際の金利が上がってしまうので、住宅を購入するハードルが今後少しずつ上がっていくような動きにはなっていきます。

なので、私たちが銀行にお金を預けてもらえる金額は増えるけれども、お金を借りた時に支払うお金が今までより増えてしまうところが、表裏一体ですが一番関係があるポイントになると思います。

知らないことばかりで、すごく勉強になります。銀行は各々で金利を設定できるのでしょうか。

金利は変化しますが、ネット銀行などはたくさんの人に口座開設をしてほしいので、少し金利を高く設定しているところもあったりしますね。

円安、ドル高

最近「円安ドル高」がホットワードになっていて、その影響なのか、街を歩いていると海外の方が多い印象もあります。学生が日本で消費活動を行う場合、どのような影響があるのでしょうか。

円安の時には、海外に物を輸出している日本企業などは日本の商品が多く売れるため、業績が良くなることでポジティブだったりしますが、逆に海外から物を買う時に高くなってしまうため、最近いろいろなものが値上がりしていますけど、そういったところから影響が出てきます。日常的に買っている物の価格が上がっていることが、私たちにいま一番関係しているところですかね。

海外のECサイトなどで物を買ったりすると、すごく高くなるということですね。

そうですね。あとは海外のブランドなどは、為替の関係上、高くなっている感じですね。

食事をする際に「原材料の影響で、値上げします」と書いてあったりするので、そういう面でも感じることはありましたし、それ以外にもいろいろな影響があることがわかりました。

消費する際に「なるべく安いものを買おう」と学生は考えがちですが、それ以外にできる物価高騰対策や、将来的に安定して生活できるようにするためのアドバイスなどございますか。

いま社会的に賃上げの動きなどもありますが、物価も上がり出て行くお金も増え、社会保険料なども徐々に増えているなかで、出ていくお金に対して手元に残るお金が少なく、余裕がある暮らしをするのは難しいと感じる人が多いのが実情だと思います。これから良くなっていくかもしれませんが、すぐに良くなる見通しがない中で、プラスアルファでやはりお金を増やす努力をしていく必要があると感じています。いま新NISAなども話題ですが、そういう少しお特に活用できる制度などを利用して、増やす努力をしていくといいのではないかと思います。新NISAなどは学生からも始めた話を聞きますし、本当に100円とか1,000円とか少額からでも始められるので、そういった意味でも少しずつ貯金する分から投資に切り替えてみて、増やす努力をしてみるといいのではないかと思います。