千葉大学4年生 高津咲希
7月上旬

お洒落でちょっと不思議な装画とインパクトのあるタイトルに魅かれ、『
わるい食べもの』(千早茜/集英社文庫)を手に取った。千早さんが幼少期を過ごしたアフリカで経験したごはんや、食い倒れ日記、原稿の締切りに追われながら食べる背徳感スイーツ(!?)など……食に関するユニークなエッセイ集だ。どのエピソードもとても面白く、通学の隙間時間に夢中で読み進めた。
食と言えば、私は学食の週替わりメニューを見ては、まだその日の昼食も済ませていないのに、次の日に食べるものまで決めてしまうほど食い意地が張っている。最近はチャーハン作りにハマっており、具材を変えてみたり、カレー風味にしてみたり……しばらく飽きるまでチャーハンをとことん作り続ける予定。
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7月中旬
自宅にあるレモンの木で、アゲハ蝶の終齢幼虫を見つけた。青虫の「アオちゃん」と名付けて、成長を見守ることにした。アオちゃんは4センチほどの小さな体でレモンの葉を勢いよく食べて、食べて、食べまくる。まさに『
はらぺこあおむし』(エリック=カール〈もりひさし=訳〉/偕成社)そのもの! 耳を澄ますと、パリパリッと葉をかじる音が微かに聞こえる。おっ、オレンジ色のツノを出して威嚇しているぞ。
一週間後、今まで乾燥していた糞が湿っぽくなり、葉っぱを全く食べなくなった。気になって『イモムシとケムシ』(小学館の図鑑NEO)で調べてみると、どうやら蛹化の合図のようだ。そして今までの丸くて可愛らしいフォルムから、シャープな蛹の姿へゆっくりと変身。その後少しずつ蛹が白っぽくなっているなと思い見ていたら、一週間も経たないうちに所々黒くなってきた。もうすぐ羽化する頃かしら。
残念ながら羽化の瞬間を見逃してしまい、気が付くとそこにはアゲハ蝶になったアオちゃんがいた。あれっ、10分前まで蛹だったのに……いつの間に⁉ 羽化したばかりの艶やかな黒い翅は触れたら砕けてしまいそうに薄い。
初めはぎこちなく翅を動かしていたアオちゃんだが、しばらくして虫かごを開けると、真夏の青空に吸い込まれるように勢いよく羽ばたいていった。別れを惜しむ間もなく一瞬で飛び去ってしまった。
蛹の抜け殻だけが残った虫かごを見て、「アオちゃんロス」になっている自分に気づいた。『
生物はなぜ死ぬのか』(小林武彦/講談社現代新書)を読み返したくなった。
電気通信大学大学院 木村壮一
6月 大学に行く日

修士2年になり就活が終わって、あとは研究をやるだけだけど、あんまりやる気がでないな……。でも、今日も大学に行かないとな。とはいえ、今日は楽しみがある。それは、本屋大賞を受賞した『
成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈/新潮社)だ。
早速、行きの電車内で読んだ。いやー、成瀬の物事への真っ直ぐな姿勢が気持ちいい。シャボン玉、けん玉にお笑いを極めようとするって、幅広すぎるだろ!と思いつつ、何かに熱中している人って、応援したくなるな。自分も1つ1つ頑張ろうと、車内で気持ちを新たにした。成瀬目線ではなく他人目線で小説が書かれているから、より成瀬の魅力が伝わった。膳所、ミシガン、ぐるりんワイドと滋賀ワードが頭を駆け巡りながら、研究を行った。
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7月 爽やかな日

あるサイトで20代のうちに読んでおきたいビジネス書リストを見つけた。『
入社1年目の教科書』(岩瀬大輔/ダイヤモンド社)もその内の1冊だ。当たり前のことを当たり前にやる、そんな姿勢が大切なのだと読んで感じた。自分の生活を振り返ってみても、案外身勝手な理由で、相手に迷惑をかけたなと思う。入社1年目は自分の印象を決める大事な時期なので、自分の反省やビジネス書を活かして入社に向け準備していこう。将来、自分の名前で仕事をしていくために! まずは、新人だからと気後れせず、会議で必ず発言しようっと。
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7月 暑い日

以前、NHK Eテレ「100de名著」で紹介されていた『
道をひらく』(松下幸之助/PHP研究所)を読んでみた。著者の人生や仕事への熱意と本気度を感じ、元気や勇気をもらった。また、努力できる・誠実である・素直であることが人として重要なのだと、繰り返し強調されていたのが印象的だ。仕事をするのは人間なのだから、そのような性格が必要なのだな。スキルや経歴の高さばかり意識してしまっていたが、基本的なことは忘れないようにしたい。人生は真剣勝負という表現があった。どの程度真剣になれるかで、その人の人生が決まると。周りの目を気にして斜に構えることもあったけど、これからは全力で取り組もう。
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