『 八月六日上々天氣』(河出文庫)を手に取る。タイトルからして季節違いだが、細かいことは気にしない。
長野まゆみ作品コンプリートを目指す私だが、刊行順に読んでいるわけではない。気の向くまま手前勝手な順番で読んでいる。
これまでSFやファンタジーは敬遠していたが、長野まゆみ作品をコンプリートするにはどちらも避けて通れない。というわけで、『カルトローレ』(新潮文庫)に挑むことにした。
塾講師のアルバイトをしている私にとっては、今が佳境の時期である。生徒たちの中には見ていて吸い込まれてしまうような集中力で勉強する姿もあり、つられて私も頑張らなくてはと身が引き締まる思いになる。教えているだけだが、私も脳が疲れたので、『アンと青春』(坂木司/光文社文庫)で糖分補給をしようー! 案の上、活字だけで糖分補給をするという作戦はすぐさま失敗に終わった。色鮮やかで繊細で美味しそうな和菓子たち。こんな描写が続いては、甘いものを食べたくならないわけがない。今日はこのバイトが終わったら、和菓子に抹茶を飲むと決めて午後の授業も頑張ろう。
へっぶしょっっいいい、、、
引っ越し。それは友人から聞くより遥かに大変な作業だった。終わらない。部屋を片付けているはずだが、なぜか部屋が散らかる。ダンボールに詰めて、いらないものをゴミ置場に捨ての繰り返し。果てしない……。4年で気がついたら多くのものが溜まってた。いる、いらない、幾度となく、繰り返すと気がついたら、足の踏場が無くなっていた。一息つこうと思い、『つむじ風食堂の夜』(吉田篤弘/ちくま文庫)のページをめくる。本の世界はどうやらゆっくりと時が流れているようだ。心地よい。気がついたら、次のページがめくれない……そう。読み終わってしまったのだ。よし、またダンボールに物を詰めよう。*本サイト記事・写真・イラストの無断転載を禁じます。