キットカッ〇が一番売れる頃

塾講師のアルバイトをしている私にとっては、今が佳境の時期である。生徒たちの中には見ていて吸い込まれてしまうような集中力で勉強する姿もあり、つられて私も頑張らなくてはと身が引き締まる思いになる。教えているだけだが、私も脳が疲れたので、『
アンと青春』(坂木司/光文社文庫)で糖分補給をしようー! 案の上、活字だけで糖分補給をするという作戦はすぐさま失敗に終わった。色鮮やかで繊細で美味しそうな和菓子たち。こんな描写が続いては、甘いものを食べたくならないわけがない。今日はこのバイトが終わったら、和菓子に抹茶を飲むと決めて午後の授業も頑張ろう。
絶賛! 悪魔の粉飛散中の頃

へっぶしょっっいいい、、、
誰もいないところでするくしゃみの音ってこんな感じじゃないだろうかと思う。くしゃみというのは何回連続でできるのだろうか。と馬鹿げたことを真剣に考えながらで、『
ブレイズメス 1990』(海堂尊/講談社文庫)を読み始めた。花粉という悪魔の粉が飛散し、頭がぼーっとする中で読んでいるからか、進まない。誤解を招くといけないので、言っておくが、内容がつまらないとか、そういうことでは決してない。天才的な腕を持つ医者が診る患者をカジノで決める。そんなことは許されるのか、読んでいると夢中になっているが、いつのまにか睡魔に襲われ、翌朝続きを開いてみると、そのページを読んだ記憶がないのだ。悪魔の粉は私の読書の時間までも奪ってしまうと思うと憎たらしいったらありゃしない!
残りの東京生活のカウントダウンが始まった頃

引っ越し。それは友人から聞くより遥かに大変な作業だった。終わらない。部屋を片付けているはずだが、なぜか部屋が散らかる。ダンボールに詰めて、いらないものをゴミ置場に捨ての繰り返し。果てしない……。4年で気がついたら多くのものが溜まってた。いる、いらない、幾度となく、繰り返すと気がついたら、足の踏場が無くなっていた。一息つこうと思い、『
つむじ風食堂の夜』(吉田篤弘/ちくま文庫)のページをめくる。本の世界はどうやらゆっくりと時が流れているようだ。心地よい。気がついたら、次のページがめくれない……そう。読み終わってしまったのだ。よし、またダンボールに物を詰めよう。