大学生協の書籍コーナーでは、年間を通して様々なテーマのブックフェアが開催されています。その中で大学オリジナルのものや一部のお店でのみ開催されているフェアにスポットをあててみました。コロナ禍でなかなか大学内のお店に気軽に足を運べない今日日、ささやかですが誌上で本選びをお楽しみください。
このフェアは、今春愛媛大学を卒業した海月さん(読書マラソンエントリー名)が同大学生協城北ショップひめかのコーナー一角を借り、4年間の思いを込めて作成したおすすめ本コーナーです。
サン=テグジュペリ〈内藤濯=訳〉
『星の王子さま』
岩波文庫/定価572円(税込) この本は多様な解釈の可能性を秘めています。読みやすい一方で、抽象的なストーリーのため、著者が何を伝えたかったかイマイチ分かりづらい。しかし、この「分かりにくさ」こそが良さです。以前この本で読書会をしました。私の解釈は、王子さまと飛行士は「子供と大人」のメタファーで、王子さまは幼稚ですが想像力豊かで、視野が広く、物事の内面を見ることができ、子供から大人になるにつれ、大切な力が失われていくといったものでした。面白いことに他の方は異なる解釈をしており、その分新たな発見がありました。多様な解釈ができるこの本からあなたは何を考えますか。
河本捷太
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