著者の濱田耕作は京都大学考古学講座の初代教授で、「日本近代考古学の父」とも呼ばれています。100年も前の概説書ですが、考古学の学問的な定義や方法論など、現代の考古学にも通じる多くの指摘がすでになされています。
都出比呂志さんは大阪大学名誉教授で、「前方後円墳体制論」を提起した古墳時代研究の大家です。本書は都出さんが、当時最新の調査研究成果を取り入れつつ、古墳時代を通した国家形成の過程をダイナミックに論じています。
司馬遼は中学時代くらいから好きで、いまでも繰り返し読んでいます。とくにこの本は主人公の西郷隆盛だけでなく、登場人物ひとりひとりの心理的な内面を活写しており、明治初年をめぐる群像劇として面白いと思います。
村上春樹も中学くらいから好きで、立派なハルキストです(笑)。なかでもいちばん好きなのがこの作品で、動と静のパラレルワールドを村上らしい筆致で描いています。彼の最新刊はこの作品のさらに別の世界線で驚きました。
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