梶原先生の推薦図書


『通論考古学』
浜田耕作
岩波文庫/定価924円(税込)
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著者の濱田耕作は京都大学考古学講座の初代教授で、「日本近代考古学の父」とも呼ばれています。100年も前の概説書ですが、考古学の学問的な定義や方法論など、現代の考古学にも通じる多くの指摘がすでになされています。


『古代国家はいつ成立したか』
都出比呂志
岩波新書/定価924円(税込)
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都出比呂志さんは大阪大学名誉教授で、「前方後円墳体制論」を提起した古墳時代研究の大家です。本書は都出さんが、当時最新の調査研究成果を取り入れつつ、古墳時代を通した国家形成の過程をダイナミックに論じています。


『岩波講座日本考古学(全9冊)』
岩波書店/定価3,524~3,845円 購入はこちら > 『日本の考古学(全7冊)』
河出書房新社/定価1,650~3,300円 購入はこちら >私が学生時代から、考古学専攻生はかならず目を通すべきと言われたシリーズです。河出書房新社は時代別に、岩波はテーマごとに、著名な学者たちにより、考古学からどのように歴史を引き出していくかが生き生きと執筆されています。

『考古学の散歩道』
田中琢、佐原真
岩波新書/定価858円(税込)
購入はこちら >考古学がここまで人口に膾炙した学問となったのは、その成果や魅力をわかりやすく解説した先人たちのおかげです。著者のお二人は、奈良国立文化財研究所や国立歴史民俗博物館という第一線で、考古学を語り続けた方です。

『歴史発掘 11 瓦を読む』
上原真人
講談社/定価3,738円(税込)
購入はこちら > 私の恩師が書いたこの本は、一般書でありながら、瓦からどのような歴史が引き出せるのかという方法論について論理的に示しており、瓦研究者だけでなく歴史時代の考古学を研究する者にとっては必読の書です。

『伊勢神宮に仕える皇女・斎宮跡』
駒田利治
新泉社(シリーズ「遺跡を学ぶ」)/定価1,650円(税込)
購入はこちら > 新泉社の『遺跡を学ぶ』シリーズは、著名な遺跡について最前線での調査研究の担当者が執筆する名シリーズで、すでに160巻を超えています。今回はインタビュアーの後藤さんも思い入れのある三重県斎宮の巻をあげておきます。

『翔ぶが如く(全10冊)』
司馬遼太郎
文春文庫/定価726~748円
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司馬遼は中学時代くらいから好きで、いまでも繰り返し読んでいます。とくにこの本は主人公の西郷隆盛だけでなく、登場人物ひとりひとりの心理的な内面を活写しており、明治初年をめぐる群像劇として面白いと思います。


『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上・下』
村上春樹
新潮文庫/定価〔上〕935・〔下〕825円(税込)
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村上春樹も中学くらいから好きで、立派なハルキストです(笑)。なかでもいちばん好きなのがこの作品で、動と静のパラレルワールドを村上らしい筆致で描いています。彼の最新刊はこの作品のさらに別の世界線で驚きました。

P r o f i l e

梶原 義実(かじわら・よしみつ)
略歴
1974年、滋賀県出身。
名古屋大学 大学院人文学研究科 教授。
1997年3月 京都大学文学部卒業。2001年3月京都大学大学院文学研究科 考古学専修 博士後期課程を修了後、2001年4月京都大学埋蔵文化財研究センター助手に着任。2003年10月名古屋大学大学院文学研究科講師、2010年4月同准教授を経て、2021年4月より現職。博士(文学)。
■著書
梶原義実『国分寺瓦の研究-考古学からみた律令期生産組織の地方的展開-』(名古屋大学出版会 2010年)、梶原義実『古代地方寺院の造営と景観』(吉川弘文館 2017年)、八賀晋・天野暢保・城ヶ谷和広・梶原義実編『愛知県史 資料編4 考古4 飛鳥~白鳳』(愛知県史編さん委員会 2010年)、梶原義実編『伊保廃寺発掘調査報告書』(名古屋大学考古学研究室、2022年)
 

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