いずみスタッフの読書日記 177号 P2


レギュラー企画『読書のいずみ』読者スタッフの読書エッセイ。本と過ごす日々を綴ります。
 
  • 千葉大学4年生
    古本 拓輝
    M O R E
     
  • 京都大学大学院
    徳岡 柚月
    M O R E
     
  • 名古屋大学5年生
    後藤 万由子
    M O R E
     
  • 千葉大学3年生
    高津 咲希
    M O R E
     

 

 

名古屋大学5年生 後藤万由子

9月末

 鶴舞での実習が午前で終わり、午後、東山に行った。考古学実習で参加した発掘調査の書類に印鑑を押すためだ。東山の方はまだ夏休みだからか、人がほとんどいなかった。ふと行きたくなり、生協の書籍部に寄った。「『izumi』 置いてあるかな」と見てみると、175号が積まれている隣にポップが飾ってあった。私がインタビューした「わが大学の先生と語る」の記事について書いてくれていた。職員さんに聞くと、この記事を読んで作ってくれたそう。とても嬉しくなった。「後藤さん、すごく頑張っているね、毎号読んでいるよ」と職員さんに言われ、胸が熱くなった。自分の書いた記事を読んでくれる人がいる。生協の職員さんも『izumi』、また「読書」を盛り上げようとしてくれている。人とのつながりが増えていく。読者スタッフになってよかった、と思う一日だった。
 

10月初旬

 午前で実習が終わった。今日は「日本語学」のS先生の授業のガイダンス。古典の授業、楽しみだな。S先生の授業はこれまでも受けていたが、古典は初めてだ。授業中、先生は『日本語の古典』(山口仲美/岩波新書)を参考文献に紹介されていた。とても読みたくなったので、帰りにネットで注文した。『日本語の古典』購入はこちら >
 

10月中旬

鶴舞の実習が早く終わったため、文学部に行った。S先生の授業は、今日は漢文訓読について。授業まで時間があるため、東山の書籍部に寄って、職員さんと少しお話しした。書籍部ではポップを作ったり、本の配置を工夫したりと、来店した人に読書の魅力を伝えるよう努力されている。次からポップ、よく見てみよう。
 

10月中旬

 今日はS先生の授業は「竹取物語」だった。もともと昔話は興味があったが、ますます深く知りたくなった。係り結びや「けり」による語り口調、五人の貴公子の話のオヤジギャグちっくなオチ、ところどころに出てくる漢文調の表現。文法に目を向けるとこんなに面白いとは。S先生の授業は受けるたびに「日本語面白い、もっと勉強したい」と思うから不思議だ。
竹取物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)を生協書籍部で注文しよう。S先生の「またいつでも勉強しにおいで」の言葉があたたかかった。『竹取物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』購入はこちら >
 
 
 

 

千葉大学3年生 高津咲希

9月下旬

「令和の百人一首」という帯文に惹かれ、『短歌のガチャポン』(穂村弘/小学館)を手に取った。どんな人のどんな歌が選ばれているのだろう。
 印象に残ったのは、伊舎堂仁さんの「ラジオ体操の帰りにけんかしてけんかし終えてまだ8時半」という歌。夏休みの子供たちのやり取りを想像し、思わず頬が緩んだ。
 杉田抱僕さんの「(7×7+4÷2)÷3=17」という歌には衝撃を受けた。確かに五七五七七になっているうえに、計算式としても成り立っているのだ。『短歌のガチャポン』購入はこちら >
 

10月上旬

 食欲の秋。近頃サツマイモにハマっており、街ではついついサツマイモのデニッシュやスイートポテトを買ってしまう。自分でも弁当のおかずに芋きんとんを作ったり、サツマイモの薄焼きに塩を振っておやつにしたり……。
 料理のレシピ本は見ているだけでワクワクする。『カレンの台所』(滝沢カレン/サンクチュアリ出版)は一風変わったレシピ本。肉や野菜などの食材は「登場人物」、調味料は「スタッフ」として描かれ、料理が完成するまでのプロセスは思わずクスっと笑える可愛らしいストーリーで紡がれている。
 食材に魂が宿って、お喋りをしたり、冒険をしたり(?) ……想像が膨らみ料理がより一層楽しくなる。
 おっ! 美味しそうなラザニアのレシピを発見! 今度、作ってみようかな。『カレンの台所』購入はこちら >
 

10月中旬

 素敵な雑貨屋さんを見つけた。アジア・アフリカ・南北アメリカなど世界各地の天然素材の手作り雑貨を売っており、華やかさとほっと一息つきたくなる温かい雰囲気のあるお店だ。藍染のカバンや精巧で上品なジュエリー、カラフルな生地の衣服などなど……異国情緒あふれる品々がどれも魅力的。
 普段当たり前だと思っている文化や習慣が他国の人から見ると、貴重な技術や驚きの対象となることは少なくない。
北欧女子 オーサが見つけた日本の不思議』(オーサ・イェークストロム/KADOKAWA)は、スウェーデン人から見た「日本文化の不思議」がユーモアたっぷりな4コマ漫画で描かれている。
 日本語独特の言い回しや曖昧な表現、コンビニの便利な商品、血液型占いなど……「確かに!」「なんでだろう?」と思うことも多く、とても興味深い一冊。『北欧女子 オーサが見つけた日本の不思議』購入はこちら >
 
 
 
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