読書マラソンWEB版

「ゆとり世代の愛国心」税所篤快 PHP研究所

全国大学生協連 2014年度全国学生委員長
吉岡充代子

 

著者:税所篤快
出版社:PHP研究所

私がこの本を手に取るきっかけは、この本の帯に書かれていた、「僕たちはそんなに悪い国、悪い時代に生まれたのだろうか?平成生まれって、そんなにかわいそうな世代なのだろうか?」に惹かれたからだった。著者は1989年生まれ。同世代ということに親近感が湧いたのも惹かれた要因かもしれない。

上記の問いに対する著者の問いは「NO」だと感じた。海外を飛び回る経験から、日本が、日本人がどれほど尊敬されているか、日本での常識が通じない場面が多い中、当たり前に毎日を暮らすことができることのありがたさが一貫して書かれている。
著者は、映像授業モデルを活用し、発展途上国で十分に教育が受けられない子どもたちに授業を提供するNGO組織「e-Education」を立ち上げた。そんなことをやる人はすごい人だと思われるかもしれないが、著者は高校の数学のテストの成績は2点、英語も満足にできないまま異国の地に飛びこんだ。そのような状態で、どうして海外を拠点に活動ができているのか。私は「著者の行動力と、自分の想いを素直にぶつける故にできる信頼できる仲間の存在」だと思った。

私自身のこの本の帯に対する答えはまだわからない。が、少なくとも、自分が著者のような活動をする人と同じ日本人であることに誇らしく感じた。私は海外に行くことに少し消極的だが、少し考え直さないといけないかなと感じた。

この本を通して感じたことがもうひとつある。それは読書が自分の世界を広げるということ。著書にはたくさんの書物のタイトルが出てくる。そして、著者自身がそれらの書物に共感したり、刺激を受けたり、興味関心を持ったということが記述されている。さすがに著者のように海外を拠点にNGO組織を立ち上げて活動できるような気はしないが、自分のこれからの人生を自分で狭めないように、たくさんのジャンルの書物を読んでみようと思うきっかけとなる一冊になった。

全国大学生協連 2014年度全国学生委員長
吉岡充代子