読んでいて、素直に「ああ、大学生活ってこんな感じだった」と思い起こせる一冊だった。とても懐かしい。自分の身の回りに起こる出来事に、ついつい自分の中でツッコんでしまうあの感じ。若さによるあの痛々しさ。筆者のユーモアが惜しみなく発揮され、「無意味(?)」な大学生活の日常が、面白おかしく23個のエッセイになっている。
この春に大学に入学する新入生の皆様、ぜひこの本を読んで、大学生活にはこんな面白味もあるのだ、と感じてほしい。大学生活時代の自分や友人等を思い出すと、1年生の時からなにとなく「大学生活は就職活動を意識しながら」を頭に置いて動いていたような気がする(意識して行動に移せていたかどうかは別として…)。自分の大学生活やその先の人生に向き合うことは大いにしてほしい。でも、時にはこの本に書いてあるようなゆるさ・ばからしさのある大学生活を過ごしてもいいと思う。精一杯ばかをして、精一杯まじめに、それができるのは大学生活の特権である。
2015年度全国学生委員会・執行役員
井上恵理