電車で一目惚れをした女の子。誰もが注目する可愛い彼女と付き合うことになった主人公。彼女との“最後の日”に向けて過ごす日々が、ラストに向かって切なく、胸が締め付けられるような思いになりました。そして最後に描かれる“その後”のストーリーに救われるような、とてもきれいな終わり方で締めくくられます。
可愛らしい彼女との日々が、ゆっくりと穏やかに描かれる前半部分は読者をウキウキさせます。反対に、彼女の秘密を知ってしまった後からは、寂しい気持ちが込み上げてきますが、これまでのページに登場してきた彼女がより一層愛おしく思えます。彼女がいつも泣き虫であった理由がわかったとき、彼女の一生懸命で健気な姿に心が打たれます。
大学生の読者にとっては等身大のお話で読みやすいです。帯を見てビビッときた人、「何か恋愛小説読みたいな」と思った人は、迷わず手に取ってみてください。
2015年度全国学生委員会・執行役員
渡邊花