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『学校の戦後史』 著:木村 元 出版:岩波書店

2015年度全国学生委員会・執行役員 加藤有貴

 

『学校の戦後史』 著:木村 元 出版:岩波書店

著者は、「学校の戦後史は、実社会との関係史である」とし、戦後70年という節目において学校の戦後のあゆみをまとめている。そこには、戦後80年を迎えるときに、「戦後の学校」の枠組みがそのまま位置づけることが可能なのか、という問題提起をはらんでいる。

本書では、「日本の学校」が成立した戦前から、日本において国民がどのように学校を受け入れ、今日の「学校」に至るのかがまとめられており、教育学部の学生や教育関係に興味がある学生には読んでおいて損はない一冊だと思う。

さて、著者の問題提起に関連することだが、近年、教育を取り巻く環境は大きく変化している。大学をとってみても、グローバル化や地域とのかかわり、はたまた「職業訓練に特化すべき?」、など話題が後を絶たない。思うに、情報の流れが速く、めまぐるしく変わる社会に、学校が対応仕切れていないのではないか、という問題意識の表れだろう(もちろん学校に限った話ではないが)。そのような現代だからこそ、今の枠組みが10年後にも通用するのだろうかという問題提起が共感を得るものになる。

戦後70年という節目に、今一度現在を見つめなおし、どのような方向に歩んでいくのか。改めて考えていかねばと思わせる一冊であった。

2015年度全国学生委員会・執行役員
加藤有貴