読書マラソンWEB版

『舟を編む』 著:三浦しをん 出版:光文社文庫

2015年度全国学生委員会・執行役員 渡邊花

 

『舟を編む』 著:三浦しをん 出版:光文社文庫

「辞書」をテーマに書かれているからか無意識に作中で使われる言葉一つひとつを丁寧に読んでいました。小説にはよくありますが、使ったことがない言葉、知らなかった言葉が度々出てきます。「そういえば、昨夜はずいぶんめれんに見えました」と、作中では主人公が言う場面もあります。その言葉を聞いた新人編集部員の岸田は、なんのことだかさっぱりでしたし、私自身もさっぱりでした。岸田は自分で辞書をひいて調べましたが、そんな描写がされたら私も神の辞書をひきたくなってきました。実家に帰らなければなりませんが。

主人公をはじめ、丁寧な言葉を使って話す人が多いところや、セリフ以外の部分も、言葉を大切に選んで書かれているところがこの小説の魅力だと思います。辞書製作を通してここまで辞書、言葉の魅力を引き出した小説は「舟を編む」以外にあるのでしょうか。映画も併せて観ると、世界にぐっと引き込まれること間違いありません。

最後に、文庫となった「舟を編む」の見所は338ページからです。

2015年度全国学生委員会・執行役員
渡邊花