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『脱・限界集落株式会社』 著:黒野伸一 出版:株式会社小学館

2015年度全国学生委員会・執行役員 荒木翔太

 

『脱・限界集落株式会社』 著:黒野伸一 出版:株式会社小学館

少子高齢化、東京一極集中化、人口流出、シャッター商店街……。さらには、「消滅可能性都市」というニュース。地域を取り巻く課題は山積している。これに対して、「地方創生」と謳って会議を開き、予算をつけ、政策も打ち出し…。地方の未来は明るいのか、それとも―――――。

本作では、都会から消滅危機に瀕した農村集落に移り住んだ若者が、巨大ショッピングモールに対抗するべく町おこしに奮闘していく中で、集落を再生していく様子が描かれている。ドラマ化もされた「限界集落株式会社」の続編である。

冒頭に取り上げた、現代の地域を取り巻く課題をメインテーマにされているが、軽快な物語の進み方に、ついつい引き込まれてしまう。集落に住む人々が結束していく姿、若者が奮闘している姿、集落が再生していく様子…。一度読み始めたら、ページをめくることがわくわくしてくる。「次はどんな困難に立ち向かっていくのだろう」「この集落は、この若者はどうなっていくのだろう」…。

現実の「地方創生」はそう簡単に進むものではないのかもしれない。しかし、「こんな地方が日本にたくさん増えたらいいのに…」と夢を見させてくれる、そんな1冊であった。

2015年度全国学生委員会・執行役員
荒木翔太