「さて、本書を読んだあなたは、まずは誰を“操り”ますか?」 (本書「おわりに」より)
みなさんは人に操られやすいほうですか、それとも操られにくいほうですか?
突然そんなことを聞かれても分からない、という方が多いかもしれません。それでは、この質問はどうでしょうか。
あなたはコンビニやスーパーでつい余計な物を買ってしまったり、数量限定と聞くとつい欲しくなったりしませんか?
「人を操る」といっても、マインドコントロールや催眠術のような悪意を持って人をだます行為のことではありません (もしそれを期待していた方がいたら、ごめんなさい)。ちょっとした心理テクニックを使って人に何かしらの行為をしたいと思わせることをこう表現しているのです。一例をあげると、単に「ゴミを捨ててきて」とお願いするより「拭き掃除とゴミ捨て、どっちがいい?」と聞くほうが相手はゴミ捨てを手伝ってくれやすくなります。この本を読むと、そうしたテクニックが商業、政治、ビジネス、教育、その他ありとあらゆるところで使われていることに気付かされます。
私たちは社会の中の様々なところで“操られて”いるといえます。こうした心理術に惑わされずに自分にとって正しい選択をするためには、どのような心理テクニックが存在するのかを知っておく必要があります。
あなたは人に“操られる”人間になりたいですか、それとも人を“操る”人間になりたいですか?
東北大学
鈴木潤