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『沖縄美ら海水族館が日本一になった理由』著:内田詮三 出版社:光文社

富山大学 平島小鈴

富山大学 平島小鈴

沖縄美ら海水族館が日本一になった理由

『沖縄美ら海水族館が日本一になった理由』著:内田詮三 出版社:光文社

皆さんは、日本が人口比あたりの水族館数世界トップクラスの「水族館大国」だということをご存じだろうか。魚を日常的に食する文化を持つ日本だもの、水族館が人気を集めて当然でしょうと思われるかもしれない。しかし、水族館の人気の理由は、そこにかかわる人たちの工夫と熱意にあるのだと私は断言したい。

 本書では沖縄美ら海水族館がどのように発展し、たくさんの「世界一」と「世界初」を得たのかが述べられている。飼育方法が確立された陸上の生き物が多く集まるために生き物の新たな魅せ方が難しい動物園とは異なり、水族館は深海の生き物たちや定置網に偶然かかった生き物たちの展示が可能である。見たこともない生き物や新たな一面を発見できる水族館は、子どもから大人まで魅了し続けることができるのだ。

 ただし、飼育のための試行錯誤は欠かせない。著者の内田氏は若いころから水族館の発展のため挑戦を重ねてきた人物であり、できるだけのことは手を尽くそうとする姿が非常に印象的である。この方がいなかったら、日本に現在のような水族館は存在しなかったかもしれないと感じた。

 水族館の魅力とその理由、そして水族館の課題までを紹介する本書、読めばあなたもきっと、水槽から海の生き物たちを眺めたくなるはず!水族館で働くことを目指している人にもおすすめしたい一冊である。

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平島小鈴